森まゆみ著「いで湯暮らし」

作者名も、谷中・根津・千駄木の地域雑誌「谷根千」も知らず、「旅エッセイ」という裏表紙の説明だけで手にした本。

少々、予想外の内容でした。
旅した内容が問題ではなく、その土地に住む、ということを問う手記です。
本作は改題されており、「暮らし」シリーズという文庫シリーズに組み込んだため現題名になったそうですが、単行本時の題名「プライド・オブ・プレイス」の方が本質を突いていると思います。
正直なところ、読み進めるほどに面白くないと感じて困惑しました。著者の語りたいことは理解できるし、ある程度共感もするけれど、根本的な価値観が違う。それに尽きると思います。でも個人的に、こういう方が積極的に発信していることには安心します。
時折挿入される、息子たちのエピソードは面白かったです。

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