荒川弘版 漫画「アルスラーン戦記」7巻
これまでの表紙絵に比べると、塗りが明るく感じるアルフリードの表紙です。
特に、暗い色合いのダリューン(2巻)やエラム(4巻)に比べると、光源を背負っているような眩しさを感じます。
7巻は41章から46章まで収録。
ページ数は前巻と変わらないのですが、少し薄く感じました。紙が変わったのかな。
おまけがなかったのは残念でした。
今回は完全にシンドゥラ編ということで、ラジェンドラ王子の、軽薄で信用ならないけれど憎めない感じが生き生きと描かれていて、王子が一層好きになりました。
ナルサスの絵を覗いたジャスワントが放心するなどのオリジナル要素も含めて、結構ギャグが多め。ペシャワールの奇襲で、前進か後退かで右往左往するシンドゥラ軍に揉まれるラジェンドラなんて、コントみたいでした。
基本的な展開は原作通りですが、プラダーラタとの一戦という消化試合にバハードゥルの伏線を織り込むなど、先への展開へ引っ張るのが、連載マンガならではの手法だなと思いました。新年の儀で将兵の代表をバフマンに務めさせるところも、アルスラーンとバフマンの微妙な距離感と、バフマンの矜持や人柄がよく現れていて、原作より濃い描写が多いと思います。
サリーマが早々に登場して、キャラクターを立てて来ているところも、次巻の一騎打ち後の展開に色々加味されそうで楽しみです。
なお、折り返しコメントによると、田中先生が最終巻執筆中とのこと!
「タイタニア」が完結した時に「完結したということ自体が素晴らしい」と思ったのですが、「アルスラーン戦記」第2部も無事完結するなんて、田中先生、どこかで心を入れ替えた模様です。
私も諦めずに、連載を進めねばなりませんね……。