パキラハウス著「ちょっとしたものの言い方」

タイトルに惹かれて手に取りました。幾つか未知の言い回しを知ったり、解説でニヤリと笑わせて貰えました。
前半は社会人経験があれば既知の定型句が殆どでしたが、「縁談」とか「法事」とか、経験がないシチュエーションは、ちょっと勉強になりました。
「(借金返済を)催促する」など、どこが「ちょっとしたものの言い方」なのか?とツッコミたくなる部分もあります。というより、総じて実際に使えないシチュエーションの方が、筆が乗っていた気がします。私が最も筆者の力が篭っていると感じたのは、「抗議する」のシチュエーションでした。

構成は微妙に辞書風。
語に対する解説の頭出しが揃っていないため、目線が一定の動きにならず疲れました。文字が非常に小さいゴシック体であることもあり、終始読み難かったです。

本書に対する直接の感想と関係ないですが、この本が実用書と言えない最大のポイントは、読み手のペルソナ(人物像)が設定されていないことだな、と思いました。
部下から上司、対顧客、上司から部下、同等の立場のセリフが全て纏まっているので、使おうと思ってページをパッと開いても、最初に目にした語を言えば良いわけではありません。
色々なパターンに対応するとしても、例えば章ごとにペルソナを決めて、一定の立場からの発言をまとめるとしたら、もっと実用風になったのでは。
そんな風に、作りについて考えさせられました。

コメント

  • コメントはまだありません。

コメント登録

  • コメントを入力してください。
登録フォーム
名前
メール
URL
コメント
閲覧制限
投稿キー
(スパム対策に 投稿キー を半角で入力してください)