筒井康隆著「日本以外全部沈没 パニック短編集」

表題作「日本以外全部沈没」について、一度読んでいる筈ですが、記憶が怪しかったので本書にて再読。
日本人に限らず、人間の本質を描写していると思います。
現代からは旬を過ぎた有名人もいるので、登場人物解説(平石滋)が付いているのが嬉しいところです。基本的には真面目な解説ですが、「もうじきゴドーまでやってくるぞ」という台詞の注釈は下記だったので笑いました。

ゴドー
正体不明の男。姿を現したことがない。

間違いはないけれど、「ゴドーを待ちながら」を知らない読者は置いてけぼりですね(笑)。

その他10編収録のうち「農協月へ行く」は有名なので、他の短編集で既読。
全体的に、斜め上方向にネジがずれた人々による、やや卑猥な話揃い。蠢くエネルギーは感じるけれど、私は肌に合いませんでした。

そんな中「黄金の家」は、星新一のショートショートと言われても納得しそうな纏まりのいいお話で面白かったです。
唯一時代小説である「ワイド仇討ち」も、江戸から明治の時代の移り変わりの描写や、仇討ちの一団に膨れ上がるあたりは面白かったです。

コメント

水輪

 基本的にパニックものとか冒険?探検もの?アクション系?が好きなので、ちょっと興味がわいたけど、図書館に入ってないー。著名な作家なので、拾い読みしてみようと思います。
 執筆活動はスマホになってから低下中。やっぱり長文打つならガラケーのが便利……

麻生壱埜

ご無沙汰しております。
「日本以外全部沈没」と「農協月へ行く」でしたら、他の本でもよく収録されていると思います。好みは割れるのですが、インパクトはある作品なので、もしご興味がお有りでしたらご一読ください。
執筆については、水輪さん以上にできていない私なので、なんともはや……。

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