PS4版「蒼き革命のヴァルキュリア 序章体験版」を遊んでみました。
http://portal.valkyria.jp/azure/
体験版の範囲は、オープニングから最初の戦闘「モルダ奪還作戦」を体験し、大尉に昇格するところまで。
つい先日、本家「戦場のヴァルキュリア」の新作発表があったので、ある意味タイムリーな作品となりました。
私のヴァルキュリアシリーズ経験は、PSPで「戦場のヴァルキュリア2」体験版に触れた……はずですが、ブログに記載がありませんでした。
FTPのような独自視点のターン制シミュレーションRPGだったと記憶しています。
しかし本作では、無双風のアクションゲームに変更されています。
アクションならアクションで良いと思うのですが、シミュレーションRPGの名残なのか、1回行動する度に動きとは別に若干のクールタイムが挟まるという仕様を採用。これによってテンポが阻害されており、中途半端な印象を受けました。攻撃可になった時の「READY」表記が付随して回るのも邪魔です。
また、従来作は銃火器装備だからキャラクター配置に役立った土嚢ですが、近接武器装備の今作では効果的に感じません。こちらが隠れれば敵も隠れて遠距離攻撃をしてくるだけなので、これまたテンポを阻害していました。
不意をつかれて驚いたり、戦意を喪失するという「感情」が敵味方にあるのは面白そうだと思ったけれど、感情が戦況を左右する前に斬り殺した方が早い、という気もしました。
ボスの重咒機は、部位破壊をして弱点の頭部が下がったところを攻撃する、という形式でしたが、部位破壊しても、実際の破損描写はありません。見た目くらい破損して欲しかったです。
そもそも、この造形でなぜ脚部を攻撃したら頭部が落ちてくるんだろう(苦笑)。
ゾイドのようなメカ造形にちょっと燃えただけに、ボスと戦っても面白くないのは残念でした。
そんなわけで、戦闘はアクションとしてもシミュレーションとしても中途半端で、操作する面白みがなかったですが、まだプレイヤーの手で動かせるだけマシと思わせるのが、この体験版の凄いところです。
なんせ、ただ見るだけのイベントシーンがひたすら続きます。
凡そ1時間の体験版プレイのうち、実際に操作できた時間は体感15分以下です。
序盤だから説明が多いのでしょうけれど、見るだけで関与できないならゲームである必要がありません。
イベントシーン化されているからと言って、演出に力が入っているわけでなく、昔のRPGなら吹き出しで済んでいた台詞を、全部ゆっくりした音声付きで喋らせ、字幕表示しているだけです。
せっかちな私としては、特に演出がないなら台詞を送って音声スキップしたいのですが、その機能はないため、黙って見ているしかありません。物語には興味があるのに、途中から「早く終わってくれ」と思ってしまいました。
唯一良かったのが物語です。
産業革命後の近代架空ヨーロッパという舞台設定、対象が明らかになっていてわかりやすい復讐劇は魅力的に感じました。
戦後、大罪人と呼ばれることになる5人の真相を語るーーという結末がわかっている形でお話を進めるのは、なかなか人を選ぶ作りです。あえてその形を採用したからには、結構ストーリーには自信があるのだろうと思います。実際、なぜ大罪人5人が戦争に勝っておきながら犯罪者になってしまうのか、それが明らかになる過程は気になりました。
また、時折「後世の視点」の解説が入るのは、「銀河英雄伝説」好きには結構楽しい要素だったりします。これもテンポ阻害要素ではありますけれどね。
物語は面白そうなだけに、イベントが見ていられないくらい冗長というのは、非常に勿体ないと思いました。
絵画風効果をつけた独自のグラフィックは、私は結構好きです。もっと絵画風にした方が、リアル路線でないことが明確になって良かったかもしれません。
ファンタジーだと思えば、お姫様がドレス姿で戦場に出るのは構いません。私としては、国王隣席の式典でも制服を着崩している軍人たちの方が気になりました。
続きが気になるので、体験版クリアセーブは保存しました。でも絵作りと物語だけでは、ゲームである必要性を感じないので、製品を買うまでに至るかどうか疑問です。
私は、どちらかと言えばゲームを「加算方式」で評価するプレイヤーなので、「減点方式」になりがちな点数レビューはあまり参考にしません。しかしそんな私でも、2017年11月22日現在、Amazonを確認して、あの「スターオーシャン5」でも星2.5なのに、「蒼き革命のヴァルキュリア」は星2.0という好成績であることに震えました。
星2.0は、今日ゲームアーカイブス配信に追加された「ミスティックドラグーン」と同じ点数ですぞ!
「世間の評価は低くても、遊んでみたら自分には面白かった」というゲームもあるけれど、本作は低評価批評の根拠を体験版から感じ取れてしまうのが悲しいところです。
低評価でも突撃したくなるくらいの魅力が、どこかに欲しいなぁ。