描いているものは男と女の関係でも、対照的な2冊。

山本文緒著「紙婚式」

男女の仲を描いた8つの短編集。
8作のうち、「秋茄子」「紙婚式」はまだやり直せる印象があるけれど、残りの6作は結婚生活の歪み、暗闇を感じさせる、憂鬱な作品です。
私自身も含めた結婚願望のない人間の増加には、「結婚生活は怖い」と思わされる、こういう作品が多少影響しているのでは……と少し思わされました。

石田衣良著「ラブソファに、ひとり」

一人で生きていける大人であっても、誰かと一緒に暮らすのも素敵だろう、と思わせてくれるような9つの短編集。
多くはアンソロジーに収録されており、書き下ろしは表題作のみのようです。
全体的に、日常のワンシーンからさらりと始まってさらりと終わる、あまり説明が多くないSSのような作りで私好みでした。謎めいた関係性とエロティックなやり取りの「フィンガーボウル」が、なかなか面白かったです。

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