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荒川弘版 漫画「アルスラーン戦記」9巻
発売したのは知っていたのですが、本屋に行く機会がなくて遅くなりました。

表紙はジャスワントですが、ようやくシンドゥラ編が終わり、パルス国内に戻ってきました!
ちょうど原作「落日悲歌」の範囲が終了した形になります。

漫画版は、サリーマ様が魅力的で良かったです。1人、名誉も財産も保って生き残ったけれど、孤独を噛み締めている様に心を掴まれました。ジャスワントを残してあげたくなったくらいです。もちろん、ラジェンドラを振るシーンも良かったです。
条約の中に、シンドゥラ暦の年代を2年縮めるネタがなかったのは残念です。説明が面倒だから仕方ないですね。アニメでもなかったし、文字情報である原作小説だから仕込めるネタだったのだと思っておきます。

ナルサスの味方を騙す計略で、エラムとアルフリードがちょっと可哀想な目に逢ったり、パルス側も動きが出てきましたが、9巻の見処は銀仮面卿陣営だったと思います。
登場する度に言っている気がするけれど、ザンデが可愛い(笑)という効果は大きいです。
サームが現れて少々複雑な心情が垣間見えるコマや、父を慕う兵士を思わず全力ハグする可愛げ、更にクバードに父を侮辱されて激昂しつつも悔しさに言葉が詰まるシーンなど、喜怒哀楽の激しさが可愛いです。
特に、クバードとザンデのやりとりを挟んだことで、ヒルメスの怒りが単に仮面を揶揄されたせいだけでなく、亡き忠臣を庇う気持ちがあるようにも受け取れたのも良かったです。ザンデが報われているという意味で。
一方、サームは原作の行動をなぞっているだけなのに、結構策士に見えるのが面白かったです。

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