クリアしました。トロフィーもコンプリート(プラチナなし)。
まず「ピシアンとオーガ」。
オーガに囚われた人々を助けに行くも、全員食べられてしまっていた、というオチは海外製らしいシビアさを感じます。
最終章「下の下のほう」。
これまでとはまた違う、水晶世界の美しくも冷たい雰囲気。毒の部屋から脱出したり、隠された宝を暴いたり、迫る壁から逃げるなど、最後なのに新しいマップギミックがあって飽きませんでした。
道中のオーロラは、容姿だけでなく精神もすっかりお姉さんという風情で、両親を失ったジェンを導いている姿に成長を感じました。もし幼子のままだったら、ジェンとの関係性はもう少し違っていた気がしますね。
父親との再会を餌にされたときも、「みんなを救う」という誓いに従うオーロラは、本当に美しかったです。同時に、彼女を見くびっていたと反省しました。
最後の戦いは、とにかく取り巻きを倒すまでがキツかったです。逆に、ボス1体にしてしまえば後はイグニキュラスと妨害をうまく使えば、ほぼ完封できるのが本作の特徴ですね。
戦闘後は、洪水に襲われる「向こうの世界」を助けに行くことに。
現実世界との接点は、父である公爵が亡くなるまでの要素だと思っていたので、オーロラはそこまで救うのか、と驚きました。でもそれが公爵家の娘の姿勢というべきなのかもしれません。
しかし、人々をレムリアの方に連れてくるオチは予想外でした!
私は当初、レムリアを「死んでから行き着く場所」と解釈していたのですが、さすがに、洪水に襲われた人々はその時点で死んでいるというオチではないですよね……?
以下、総評です。
低価格帯のゲームですが、その原因が予算ではなく、あくまでボリューム的な理由で低価格に抑えたということがよくわかる、ビジュアルもシステムも、非常に無駄なくデザインされたゲームでした。
物語は、予想外の導入で少し驚かされましたが、基本的には「勇敢な少女が頑張るファンタジー絵本」という印象を裏切らない内容でした。
子供と大人(イグニキュラス操作)で一緒にプレイして、動く絵本として楽しむのも良さそうです。
といっても決して子供向けの作りではなく、少女期の終わりの描写、詩的な台詞の応酬など、大人にこそ響く物語かもしれません。
手記には、レムリアの世界観に関する謎が満載。
オーロラより以前にレムリアに迷い込んだはずのソフィーの手紙に、インターネットという単語が登場するところを見ると、時間軸が現実とは違うということなのでしょうか。
暗い森を二本の足で彷徨ったのち、羽を得て自由に空を飛び回る喜びを得られる最初の数時間の体験は、何度でも繰り返したくなる面白さがあります。
しかし本作の最大の評価点は、やはりあらゆる画面の美しさでしょう。
光と影のコントラストが効いた、幻想的なレムリアの世界の美しさに浸る、素晴らしいゲーム体験でした。