3DS「RPGツクールフェス プレイヤー」で遊べる、RPGツクールフェス製角川公式ゲーム「99Q(ツクモクエスト)神隠されの夏休み」をプレイ
※RPGツクールフェス プレイヤーについては、公式サイト参照。
作品情報は下記の通りです。
99Q(ツクモクエスト)
KADOKAWA ID:1
制作時間175時間55分
萩原一至先生キャラデザ&原案のゲーム 99Q(ツクモクエスト)です!!
およそ2時間程度でクリア。
常世と黄泉の狭間に迷い込んだ3人が、付喪神の「ツクモン」たちの協力を得て、元凶を退治して帰還するまでのお話。
萩原一至氏デザインの主人公3人とツクモン9体は、なんだかんだ言いつつ可愛いです。
でもせっかくの萩原氏デザインなのに、全キャラクターの全身像を自由に見られない点は残念でした(一度クリアすると、ツクモンによる模擬戦闘を行えるので、そこで一部ツクモンの姿は確認可能)。
なお、素数Tシャツで天然タラシの「お兄ちゃん」以外は全員女性。萩原氏は、男性キャラも少年から老人、美形から不細工まで幅広く描けるのに勿体無いな、と思いますが、需要に対して正しい姿勢ではあるのでしょう。
他のモブキャラクターは、プリセットのデザインが利用されています。
オープニングイベントが長く、操作可能になるまで5分程度掛かりました。クリアまで40時間くらい見込まれる市販RPGなら気にならないですが、RPGツクール作品だと、演出が単調なことも相俟って、かなり長く感じました。
その反面、エンディングはラスボス撃破後にテキストで表示されるだけで、スタッフロールすら流れません。
最初、あまりに呆気なかったので別に真エンディングがあるのかと思いましたが、クリア後要素が解放されたところを見ると、ちゃんと終わりだったようです。
隣町に行くバスに乗ろうとすると「力をつけてから挑戦しよう」という結論で元の位置に戻されますが、これを突破する方法があるのか否かだけ、どうにも解明できずモヤモヤしています。
システム面は、まさかのシンボルエンカウント制で驚きました。
ただし、敵は動かないし、欲しい物実によっては同じ土地でひたすら戦う必要もあり、あまりシンボルエンカウントが有効に機能していなかったようにも思います。
ツクモンに対応アイテム(物実)を納品すると、装備アイテムが強化されるという強化要素はなかなか面白かったですが、あくまでツクールの仕様範囲で実現しているため、UI関係に難あり。もう少し長いゲームだったら、嫌になっていたと思います。
近年見られないベタなハーレム展開だったり、ツクモンの「手入れ」時にちょっとした言い回しでエロを盛り込むところなんかは、萩原氏原案というキーワードから生まれるだろう需要に沿っていて、良かったと思います。
あと、やたらと本編と無関係のウンチクを聞けるのは、「BASTARD!!」オマージュなのかな。なんだかんだ、このエロとウンチクのコンボには懐かしさを覚えてニヤニヤしてしまいました。
しかしゲームとして正直に評価すると、これまでに遊んだ他作品に比べて出来が悪いです。
ストーリーは雑に感じましたし、進行不能にはならないとはいえ明らかなバグに2つも遭遇しました。角川公式の配信ゲームであるからには、もう少しクオリティ確保して欲しかったところ。
ツクールで実現するには、色々と難しいアイデアだったのかな、と思います。
テラ