物語を要約する作業は、小説を書く勉強に良いらしいですね。
10場及び11&12場は、内容が多過ぎて必須事項を抽出するのに苦戦しました。まだまだ修行が足りません。

【第10場 戦場】
ホゲ率いる高句麗軍とタムドク一行が遂に刃を交える。傭兵チュムチがタムドクを護って倒れた時、懐から白虎の神器が零れ、チュムチが白虎の護り主である事が判明する。
やがてタムドクとホゲの一騎打ちが行われるが、最中に火天会士が放った矢に当たりホゲが倒れる。
ホゲはタムドクに朱雀の神器を渡し、キハがヤン王を殺していない事、タムドクの子を身籠っている事、そして火天会の根城に連れ去られていることを告げ絶命する……

まずは破格の演出によるホゲ様行軍シーン。
ここ、二階席センターから見たアングルが欲しかったかなぁと思います。他にも、ずっと全景を映してるアングルだとか、あれば面白いと思うんですけれどね。
このシーンは振り付け変更もされているし、芝居の方も間の取り方など、東京公演と違うなぁと思いつつ、何度もリピートしていると脳内で両者が一つに融合していきますね。
生で観劇していると、ジェットコースター物語でもあんまり気にならないんですが、映像で観ると展開の早さが3割増で感じます。戦闘が始まったと思ったらチュムチの覚醒があって、即一騎打ち、ホゲの死と続いて目が点になりました。
ホゲ様を見てると全然何が起こったのか気付けないチュムチの覚醒は、DVDによるとイルス&チョクファンがタムドクに切り掛かり、チュムチが庇って代わりに倒れると言う芝居をしていたようです。チュムチは神器を腰に巻いている状態で、背中から斬られて倒れ、立ち上がった時には神器が光ってるので、神器パワーで復活した、と言う事なんですよね。これは白虎の神器特有の力なのか、全ての神器に護り主を守ると言う能力が付与されているのか、説明がないので何とも不明。
また、白虎の神器はこの後一騎打ち中もずっと光っているけれど、玄武と青龍の神器は反応してない。王の怒り以外でも良いタイミングで光る辺り、結局言い伝えは当てにならないと言うことなのかも。
さて、矢に刺された後(左手で自分に刺す為の矢を準備してると思われるホゲ様を想像すると、微笑ましいですね)、タムドクに「綺麗に死ぬための体勢」で抱き起こされたホゲは、要約に書いた通り、言わねばならない事が多くて死ぬまで必死です。一つでも言い忘れたら、タムドクとキハの確執は溶けないし、次に行くべき場所のフラグも立たない。ドラマでは、ホゲは何も言い残さず絶命してしまうそうですが、舞台版ではホゲ様がしぶとく頑張る御陰で、ハッピーエンドに至れるわけですね。
最後に「君が王なら」の歌まで歌ってしまうし、これだけ最後にタムドクとキハの為に言い残すところを見ると、9場で正気に返ったホゲは、死に場所を探してたと言う事なのかも。
後ろで見ているヒョンゴの困り顔は、私にとって未涼の代名詞みたいな表情だと思ったのですが、よくよく見ると、未涼のメイクって最初から眉が寄せられた形になっていませんか。気付いてから、一幕に巻き戻って眉毛を確認しちゃいました。
それにしても、小池作品の2番手悪役なのに最後までヘタレにならないホゲ様は、大変貴重なキャラと言えるでしょう。やはり小池先生に限って言えば、原作付きは良い事ですね。

【第11場 阿佛蘭寺】
【第12場 天空】
タムドクは火天会の根城に乗り込む。産まれたばかりの子供を殺されかけ、キハが黒朱雀と化す混乱の中、タムドクはプルキルから息子を取り返す。
タムドクは黒朱雀を討つ事を良しとせず、神器を天に返してキハの命を乞う。タムドクが炎の中に飛び込みキハを抱き留めると、キハは自分を取り戻す。
二人は愛を誓い合い、理想の国を作る事を高らかに宣言する……

10場で小池先生が力尽きてしまったのか、電光やスモークや大装置で派手にはしてるんですけど、終わりがバタバタしてる花組。星組版では全体に改善してあげて欲しいです。
このシーン、DVDだとプルキルが密かに髪型を変え、ストレートのまま下ろしていることが分かりました。もしや、三つ編みはサリャンが編んでたのか?
また、王妃チャピとトラジを演じていた初姫がなんと三役目の産婆。セーム様とはまた毛色の違う毒婦ですね。蛇を模した髪飾りも雰囲気があって素晴らしいです。そして、役作りの為に出産ビデオを見たと言う役者の姿勢が、直接出産を見せるシーンはないのに、面白い子だなぁと思います。
アングルは、引きにする配慮が欲しいです。人形(赤ん坊)の顔が丸見えになる時があって、ちょっと醒めます。

最後の最後にメインの事に触れないまま、これにて芝居は終幕。
が、DVD及び感想は、ある意味ノリは本編より内容が濃いかも知れないフィナーレに続きます。

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