小学館文庫・木原敏江作「大江山花伝」を購入しました。

先日までAmazonでは「出品者から購入」の選択肢のみ、他のネットショップでは「注文出来ません」だったのですが、最近になって改めてみたところ、「出版社から取り寄せ」状態になっているではありませんか。
お盆の博多行までに間に合えば、と願いつつ注文したところ、無事手元に届きました。
すると驚いたことに、オビに「宝塚歌劇話題のミュージカル大ヒット原作コミック」と記されているのです。
慌てて本編を読まないように注意しながら奥付を確かめると、2009年7月29日第9刷。宙組公演に併せて再販したのでしょうね。
実際問題、宝塚ファンって予習復習が勤勉で、感心します。まぁかく言う私もすっかりそれに感化されて、フィッツジェラルド作品を読んだり、今回漫画文庫を買ったりしたわけですが……。

で、読みたい、いや観劇一日目まで待とう、いや待てない、と交互に囁く私の中の誘惑と自制があまり煩いので、収録作から「夢幻花伝」だけ読みました。
「大江山花伝」は原作未読の状態と、既読の状態で舞台を観る機会の二通り楽しみたいのでじっと我慢。「花伝ツァ」と「鬼の泉」は関連作らしいので、念のため保留と言うことでのチョイスです。
で、その「夢幻花伝」は、観阿弥・世阿弥の話なんですね。もうすっかり記憶の薄い南北朝時代の歴史を、こんな時代だったのかと思いながら読了。実在の人物としての世阿弥はあまり良く知りませんが、今作からは、足利義満の庇護は受けても、権力者を讃えたり媚びるような能を作らないあたりに芸人としての高い志を感じます。
初めて触れた「ドジさま」こと木原敏江先生の絵は、目が大きくて少女漫画の世界ですね。
正に星が浮かんだ瞳!と驚嘆。でもそれが滑稽じゃなくて、真っ直ぐな美しい瞳だなぁと感じたのでした。

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