篠田節子作品を初めて手に取ってみました。

女たちのジハード

「女たちのジハード」は、保険会社に勤める5人のOLたちのそれぞれの生きる道の選択を描く長編。
女性作家が描く女性像らしく、要所で頷かされる性格付けで、共感したりムッとしながら読めました。
特に得意の英語力で自立しようとする紗織の、ちょっと性格がキツくてKYなところとか、そのくせ自分の生き方については案外認識が甘い部分は、身に詰まされる部分もありますね。
リサの結末は、割と想像通りだったけれど本人が可愛いので楽しく祝福できました。康子の結末は、冒頭の章ではまったく想像つかなかったもので、最後まで読めなかった分ハラハラしました。
全員、最後はそれぞれ進む道を定めて生きていく姿を見せてくれるので、読了感が良く楽しかったです。

天窓のある家

「天窓のある家」は短編集。
ちょっとホラーチックな話や、精神的に奇怪しな主人公がいるなど、やや後味は悪め。
「友と豆腐とベーゼンドルファー」は、主人公の最後の行動にカタルシスが得られるので不快感は残りませんでした。
「パラサイト」は、ちょっと説教的な面も感じるけれど、なるほどと唸らされます。
「密会」は、男性主人公から見た女性の3つの像、“水曜日の女”母親と、妻、部下の女性がそれぞれ個性的でアクが強く、楽しかったです。
他に6編ありますが、それらは再読したり感想を書く気がしません。

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