あれこれ書いてますが、実は前回(11場)から1場しか進みません。

【第12場A 茨木、告白する】
綱を探す金時は、囚われの姫君たちの中に花園衛門を見つけ、彼女の救出を誓って勇気付ける。二人の姿を見た茨木は、三年前に大江山を逃げ出した時の出来事を思い出す――

すっかり鬼の世界に馴染んでる伊勢式部@鈴奈沙也が好きです。
藤の葉連れだったと言う問題があるにせよ、潜入初日に捕まった綱に比べると、数日かけて山を探索し、人質とも接触している金時の索敵能力は高いですね。

【第12場B 茨木、告白する】
茨木は、ある荘園の奴婢・萱野とこぞ丸と知り合い、三人で暮らそうと考えた。しかし萱野は盗賊に身を落とした恋人・六郎太を助け、荘園を抜け出す。茨木は嫉妬心から逃亡を密告し、二人は追っ手に殺されてしまう。こぞ丸は、茨木を鬼と罵る――

時間を確認したところ、このシーンは5分もありませんでした。原作で1話割いてるエピソードを、この尺に収めてるのは凄い荒技ですね。
六郎太が引っ立てられているシーン、一人でも役人を出してあげたら良かったのでは、と思います。死のシーンは当人たちの演技だけで充分なのですが、引っ立てられてる所はちょっと情景が分かり難いですよね。
密告後の茨木は、褒美を問われて、その瞬間こぞ丸の事を思い出したのかな。彼だけは助けようと思って、けれど当人から非難される。
その瞬間になって、茨木は初めて自分が仕出かしたことを理解したんですね。つまり、密告は衝動的な行為だった。その先にある二人の死まで彼が理解していたのかどうか……。茨木は、こぞ丸よりも子供だったのかもしれません。

【第12場C 茨木、告白する】
自分の中の鬼を知った茨木は、以来、大江山で生きて来たのだ。茨木はその過去を語ると、藤の葉が都へ帰るよう冷たく突き放す――

茨木自身が未だ答えられない「なぜあんなことをしたのか」。私は、茨木は萱野に淡い恋心があったと思います。その萱野が六郎太を選んだ事、そして藤子と巡り会えない自分と、萱野と巡り会えた六郎太。両者への怒りと嫉妬が、茨木の鬼を顕在化させたのだと。
「これが俺の真の姿だ」の三白眼っぷりが最高に格好良いです。
口付けられた藤の葉が泣きながら去るシーン、本気で泣いてるように見えて、さり気ないシーンだけれど凄い演技だなぁと改めて感心しました。

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