荻原規子著「薄紅天女」

勾玉三部作の内「空色勾玉」「白鳥異伝」は恐らく小・中学生時代に読んだと思うのですが、どういうわけか機会を失して以来、この「薄紅天女」を読む気力が失せていました。最初の数行だけ読んで、合わないような気がしたんですよね。
今回改めて読み始めたら、どうして読まなかったのか分からないくらいするする読み切ってしまいました。
一部はちょっと物語の動きが悪いようにも思いますが、二部に入ってからは止めどころがありませんでした。

ところどころ喪失の予感を漂わせていましたが、シリーズ完結に相応しい大団円で安心しました。
いや、勝総の死は酷い理不尽だし、結末後のアテルイの最後なども憤然たる気持ちになるのですが、物語全体が、そういった事象のすべてに諦観の念を持っているようにも思え、怒るとか哀しいと言うことを持続させられませんでした。
武蔵の国に辿り着けなかった青年と娘の子供が、愛する人を国に連れて帰ったと言う小さなハッピーエンドを心地よく受け取れば良いのかなと。
苑上が、思い悩むところはあっても自分で決断を下す少女で、荻原規子先生作品らしい、好きになれるヒロインでした。

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