ベニー松山著「風よ。龍に届いているか〈下〉」読了!

扉を開くと、突然短編「不死王」が挿入されているため、少し悩みましたが、作者推奨の読み方なのだろうと言う事で、逸る心を抑えて収録順通りに読みました。

結論から言うと、面白かったです。
さすがベニー松山と言うところか、上巻は壮大な伏線で、下巻で一気に回収する展開は圧巻でした。
躊躇していたホラー具合ですが、上巻が妖獣優位だったのが、下巻では冒険者たちが反撃する感じなので、予想したほど怖くありませんでした。むしろ、爽快な戦闘が多かったように思います。
要所で匂わされていたアドリアンの正体を先ず読者に明かした上で、彼を一旦退場させたのは、戦闘の緊張感を出す為の巧い展開だなと思いました。
また、侍ハイランスがパーティ加入したのは、嬉しい要素でした。やはりウィザードリィの花形職種ですものね。

実質前作である「隣り合わせの灰と青春」との関わり合い方が絶妙で、前作も読みたくなります。

ちなみに、読了後にゲームシステムを調べ、ザザ(僧侶)が馬小屋で寝泊まりする理由が分かって笑いました。
ファンタジー作品としても二次創作としても、非常に内容の濃い、大変お奨めの一冊になりました。
……これで、上巻の妖獣描写の気持ち悪ささえなければ……。
あと、個人的にはジヴ視点でない時の文章のフォントが、ちょっと読み難かったです。

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