周防正行著「Shall we ダンス?」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
真面目一徹のサラリーマン・杉山は、通勤電車から見たダンス教室の女性・舞に心を奪われ、教室に通い始める。周囲に隠れてダンスを続けるうち、社交ダンスの楽しさに目覚めた彼は、同じ教室に通う豊子のパートナーとなってダンス大会を目指す事になる。杉山が生き生き踊る姿に、ダンスカップルを解消して塞ぎ込んでいた舞も、踊る楽しさを思い出す。
だが、大会当日、杉山の浮気を疑っていた妻が現れ、動揺した杉山は大会を棄権し、ダンスも辞めてしまう。
舞はイギリスへ旅立つ夜、さよならパーティに現れない杉山を思って一人で踊った。同じ時刻、杉山も公園で一人踊り、舞に別れを告げた。

映画監督・周防正行氏による「Shall we ダンス?」ノベライズ。
結末は映画と異なると言う事ですが……実は、映画を見ていません。と言うわけで、映画と比べてどうかと言う感想は書けませんが、非常に面白かったです。
引っ掛かるところなくするすると読めましたし、キャラクターの心理も多少誇張されていますがリアリティと可愛らしさがあり、才人だなぁとつくづく思いました。
ただ、小説を書く切っ掛けとなったもう一つのラストですが、カタルシスと言う点では、映画版のラストの方が万人向けなのではないかと思います。これだと探偵・三輪のしたことも全部裏目に出た感じだし、夫婦関係も蟠りが残ったままになりそう。
ある意味「浮気」物語なわけですから、舞のさよならパーティに行かないストーリーにするなら、妻・昌子と踊るラストで〆た方が良かったのかも?などと自分で勝手に展開アレンジを考えてしまいました。でもこの物語で、昌子の存在はあまり大きくないんですよね……。

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