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荒川弘版 漫画「アルスラーン戦記」8巻

表紙は双刀将軍。今巻の範囲だと出番がないのでは?と思っていたら、少しだけ名前が登場しました。カバー下の後ろ姿が格好いいです。

8巻は、原作小説三巻の第三章「落日悲歌」部分に当たる47〜52章を収録。
戦象部隊VS騎兵部隊と、神前決闘の一騎打ちという2つの戦いが劇的に描かれています。

本筋は原作小説の通りですが、オリジナル要素の盛り込みが的確で、原作ではあまり語っていなかった痒いところに手が行き届いています。
ラジェンドラとガーデーヴィの舌戦も拡張されていたけれど、非常に自然でしたし、バフマンの死にかた改変は原作に入れ込み直しても良いくらいだと思います。
また、サリーマとジャスワントの気安い雰囲気が見られる会話は、一族内でのジャスワンとの立ち位置も見えて、マヘーンドラだけと繋がった仲では無かったんだなと、少し安心もしました。

  • ダリューンの槍に房が付いていた理由が判明する、微笑ましい1コマ
  • 猛虎将軍マント(笑)

など、漫画向けギャグ要素も光っていました。
特に猛虎将軍マントに関しては本編でも笑ったけれど、カバー下にて、まさかの兜も用意されていたので不意打ちを喰らいました。

原作小説に関しては、帯にて16巻(最終巻)が12月15日発売である旨が告知されています。
リアルタイムで追っていた読者には、出来はどうであれ感無量といったところでしょうか。
でも私は第二部を読んでいないこともあって、広告が挿入されていた「七都市物語」コミカライズ(ヤングジャンプ連載中)の方が気になりました。コミカライズのお陰で原作新版が出ているし、こちらを読もうかな。

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花とゆめCOMICS「かげきしょうじょ!!」4巻

そろそろ新刊が出る頃だと思って確認したら、7月に発刊済みでした。
今回は3話(+スピンオフ)だったので、早かったのですね。2話連載も多いようだし、連載誌が隔月誌でも早いペースでコミックス化されるのは嬉しいです。

大運動会は思ったよりサクッと終了しました。
煌三郎お兄さんが「赤い薔薇の人」ごっこ出来て楽しそうだったので、リレーも見せて差し上げたかったです。何より、あの空気が読めなかったさらさが、「トップスター様と予科生」として最良の演技パターンを咄嗟に選択できたのは、大きな成長だと思います。
舞台を降りても「スターの自分」を演じているのは、実際の宝塚でもそうだと思ったけれど、もしかすると煌三郎お兄さんも「白川煌三郎」という役を演じているのかもしれませんね。

「隠れEカップ設定」には、久し振りに笑いました。中扉で、さらさの胸はこんなに大きかったかしら、と不思議に思っていたのですが、そういう妄想設定だったのね(笑)。

愛ちゃんが変化する意欲を燃やし始めていて、文化祭オーディションでの開花が待たれます。現時点でもどんどん可愛くなっていっているから、「愛され娘役」が板についたら可愛さが天元突破しそうです。
しかし、愛ちゃんを「ヤル気はまったくない」と判断していた聖先輩との関係がどうなるのか、少し心配もあります。

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荒川弘版 漫画「アルスラーン戦記」7巻

これまでの表紙絵に比べると、塗りが明るく感じるアルフリードの表紙です。
特に、暗い色合いのダリューン(2巻)やエラム(4巻)に比べると、光源を背負っているような眩しさを感じます。

7巻は41章から46章まで収録。
ページ数は前巻と変わらないのですが、少し薄く感じました。紙が変わったのかな。
おまけがなかったのは残念でした。

今回は完全にシンドゥラ編ということで、ラジェンドラ王子の、軽薄で信用ならないけれど憎めない感じが生き生きと描かれていて、王子が一層好きになりました。
ナルサスの絵を覗いたジャスワントが放心するなどのオリジナル要素も含めて、結構ギャグが多め。ペシャワールの奇襲で、前進か後退かで右往左往するシンドゥラ軍に揉まれるラジェンドラなんて、コントみたいでした。
基本的な展開は原作通りですが、プラダーラタとの一戦という消化試合にバハードゥルの伏線を織り込むなど、先への展開へ引っ張るのが、連載マンガならではの手法だなと思いました。新年の儀で将兵の代表をバフマンに務めさせるところも、アルスラーンとバフマンの微妙な距離感と、バフマンの矜持や人柄がよく現れていて、原作より濃い描写が多いと思います。
サリーマが早々に登場して、キャラクターを立てて来ているところも、次巻の一騎打ち後の展開に色々加味されそうで楽しみです。

なお、折り返しコメントによると、田中先生が最終巻執筆中とのこと!
「タイタニア」が完結した時に「完結したということ自体が素晴らしい」と思ったのですが、「アルスラーン戦記」第2部も無事完結するなんて、田中先生、どこかで心を入れ替えた模様です。
私も諦めずに、連載を進めねばなりませんね……。

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花とゆめCOMICS「かげきしょうじょ!!」3巻

※過去巻の感想は、タグからご覧ください。

前巻から間を置かず、直ぐ刊行されたので驚きました。スピンオフ(星野薫の夏休み)も収録されていて、二重に嬉しい驚きです。

夏休みが終わり、舞台は学校に戻って大運動会の準備。さらさの素性も疑問ではあるけれど、どちらかと言うと主人公コンビ単独より学校生活における予科生の群像劇が楽しい作品なので、2巻よりぐっと楽しく読めました。
個人的には、トップ4人衆より、今回から初登場の専科のお姉様方が素敵でした。本科の聖先輩も、単に意地悪というわけでなく「叱る」ことの重要性を語る辺りは、根から悪者ではなく信念のある子だなと思いました。予科では、久し振りに山田さんが登場していて、ちょっとホッコリしました。是非大抜擢エトワール実現まで描いて欲しいな。
今巻でメインとなった沢田姉妹の確執は、千夏が入学を一度辞退しているという設定と、ジュリエット役の件で危うい空気が漂っていたので、そうなるだろうとは思っていましたが、愛のある結末でホッとしました。

大運動会をやるとなると、次巻は丸々運動会で足踏みかな?
もともとハチャメチャなことが起こりやすい大運動会に、さらさ投入という時点で、期待しています。

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荒川弘版 漫画「アルスラーン戦記」6巻

表紙はファランギース。
漫画版での登場当時、ファランギースの露出は原作の記述と反している、と小煩いことを言っていたのに、最近は露出が少ないとガッカリしてしまうという、面倒なファン心理を抱えています。

6巻は、35章から40章までを収録。
1ページ目を開いて、まだペシャワールに到達していなかったことを思い出しました。いかにペシャワールが遠いか、身を以て体感させられた感じです。
前巻から登場したアルフリードですが、あっという間に一行に馴染み、明るく楽しい話題を振りまいてくれて、好感触です。風呂浴び後は化粧を落とした状態になっていましたが、漫画版のアルフリードは化粧があってもなくても変わらず可愛いですね。
「エラムには色々教えてほしかったのに」と落ち込む姿には、ファランギース同様、見ていて思わず温かい笑みが溢れました。エラムは小姑気質だし、ナルサスは態度をハッキリさせないし、と考えるとアルフリードがナルサス一筋で何年も待つのは本当に偉いです。

遂に「王子二人」が終わり、「落日悲歌」の内容へ踏み込んでいきました。
時系列で執拗に細部まで描いたペシャワールまでの道に対し、ラジェンドラの侵攻に対しては時系列を変えていて、なかなか上手い次回への引きだな、と思いました。
部下に「奇襲ですのでお静かに」と諌められているラジェンドラも面白かったし、「えっ?」で終わるラストシーンからは、笑いしか起きません。

その他では、全体的に、殿下が麗しく描かれていると感じました。
また、キシュワードの妻子が描写されていて驚きました。原作一部の段階では登場しないけれど、二部に登場するのですね。しかもマヌーチュルフなんて脇役まで掬い上げる辺り、荒川先生の原作読み込みは凄まじいなと思いました。

おまけ描き下ろし4コマはザンデの「殿下」呼びネタ2本立て。
本編でも、ヒルメスの発言を真っ向から受け取って喜んでいたり、可愛くて可哀想なザンデが見られて嬉しかったです。