• 2012年登録記事

2009年にエイプリルフール限定公開したBASTARD!!サイトより再録。
PS版ゲーム「虚ろなる神々の器」2章ネタバレ有り。


 生命を投げ打つことは、彼の信念に反しているはずだ。
 人為を良く知る間柄ではないが、少なくとも共に行動していた頃の彼は、生きることに貪欲で、その執着によって二度見捨てられたヨルグすら感嘆するほどだった。
 そのマカパインが、今、D・Sに己の首を差し出している。
 彼を変えたのは、蘇った記憶の一部だろうか、とヨルグは考える。
 ヨルグ自身も、ア=イアン=メイデの侍としての誇りを思い出した今は、あの時と異なる信念を持っている。
 ――友の為ならば、命を賭けても良い。例え結果が死であったとしても、友の道の礎と成るならば悔いはない。
 それが、侍ヨルグの取り戻した信念であり、既に一度、命を以て道を拓いたことの理由であった。
 だが、彼が命を賭けるのはなんの為だろう。
 マカパインは孤高である。
 ならば、戦いの果てに誇りある死を望むのは、矜持だろうか。D・Sの打倒を誓った妖縛士の誇りを守るために、彼は死のうと言うのか。
「気障なコタァいい! 仲間としてついてこい!」
 結局、妖縛士に死が与えられることはなかった。仲間たちの手荒い歓迎を経て、マカパインは再びヨルグと肩を並べる。
 怜悧な横顔をどこか新鮮な気持ちで見下ろしていると、視線に気付いたマカパインが左目だけでヨルグを見上げた。口と異なり率直な彼の眼差しが問うのに促され、問う。
「誇りに命を掛けたわけでない」
 彼は否定してこう答えた。
「これは私のけじめだ」
 けじめと彼が言ったものをヨルグが理解するならば、それはやはり誇りに他ならない。だがそれは、侍たちが侍であることに誇りを抱くのと異なり、妖縛士としてでないマカパイン個人の誇りであるのかも知れなかった。


最初の2行で書きたいことが終わってるお話。
ヨルグとマカパインについては、2012年3月1日記事に載せたSSと本SSの2編を書いたのですが、今回再録に当たって読み返してみたら、2編共マカパインの「命大事に」精神に対する話でした。

現在地:シェブール(エピソード「Dark Lord」クリア済)
エピソードの英語名と日本語名が大幅に異なる時がありますが、それが味を出してることがあり「良い」ですね。

まず、ポートランドからシェブールに向かう船上の戦いが発生。
階段2ヵ所をソードとコルツで封鎖し、安全位置に置いたヘンメリーが延々ヒール、ミファが遠距離攻撃という形でスムーズにクリアしました。
頭上から襲いかかる飛竜はどう対処したら良いのかと思いましたが、隣接していれば普通に地上から攻撃できるんですね。

この戦いで、フュリスの正体が判明。といっても、これは解説書のストーリー説明でプレイヤーは把握済の展開ですので、まだこの辺はプロローグという事ですかね。
身分が明らかになった途端、ガンガン命令をしてくるお姫様が可愛いですね。悪気はなく、これが自然体なんだろうなぁと感じます。

シェブールに着いた途端、オルドバ四将軍の1人、猛将レオパードが登場。
ということは、この人は「奴は四天王の中でも最弱」のポジションなんだな!と認定しました(笑)。さすがに1回目の邂逅では剣を交えずに終わりましたが、小物っぽい台詞もありましたね。
このマップでは、救出した反乱軍の面々から反乱軍のリーダーになることを打診されましたが、即座にお断りしました。正直、彼等の言葉の端々にムッとしたからです。知名度のある将を据えないと民衆の支持が得られないという理屈は分かるけれど、無関係の人をアテにし過ぎだと思います。自分達で何かしようと言う気概を感じない。
でも受けるのがルートなんですね。ちょっと悔しかったです。

街を出ようとしたところでダークロードが登場。すわ戦闘かと思ったらこちらも顔見せだけでした。
しかし、この脱出戦が非常に難しかったです。
最初は5人で迎え撃ち、敵軍全滅を狙おうと思っていました。しかし、船上の戦いでの勝利パターンを再現しようと初期位置の高台に置いた後方部隊は、敵の遠距離攻撃1発で倒されてしまうことが発覚。ならば全員を地上に降ろして陣形を作ろうとしても、1本道で渋滞を起こし右往左往する仲間の移動指示で四苦八苦する内に敵と交戦して、結局バラバラになってしまいました。
最終的に、出撃メンバーをソードだけに変更しておいて、移動を伴う攻撃技「セイバーソニック」で敵の間を無理矢理通り抜けました。
で、リセットまでして全員生存させたのに、コルツとヘンメリーがパーティから離脱してしまいました。
戦闘上の役目はロジャーとミランダがちゃんと引き継いでくれるのですが、キャラクターとしてはコルツたちの方が渋くて好きだったので寂しいです。愛着の問題なのかなぁ。
ラインメタルに戻った2人が少しでも生き長らえるように、次の進行ルートは空軍基地を選択しました。

ちなみに、5人出撃可能になった時点で、闘技場で操作チェックしておきました。段々戦闘システムを飲み込めて来たと思います。
ただ、傭兵ミファは雇用期間を過ぎて出撃させていた気がするんですけれど……闘技場は戦闘回数に含まれないのかしら? 街を出た時に再雇用契約を結びましたが、ちょっと費用が上がっていたので、何時まで使い続けるか悩みどころです。

大空祐飛さよなら特集4日目。
昨日の同時退団者発表を受けて、この公演イラストです。

10作目、中日劇場公演「仮面のロマネスク/Apasionado!! II」。
→公演詳細

捕食者

ヴァルモンとトゥールベル夫人は、お互いに捕食された関係なのかも知れないと思うようになりました。
勿論、最初はヴァルモンがトゥールベル夫人を「獲物」として選び、近付いたのです。しかしローズモンド邸の夜更け、トゥールベル夫人から懇願されたヴァルモンは彼女から離れようとして叶わず、夢中でしがみついてくる彼女の両手を優しく叩いて正気に返らせてやります。あの仕草は、「女を落とす」ための演技でなく、思わず出てしまった優しさのように感じます。
このトゥールベル夫人にしがみつかれた時から、ヴァルモンもまた彼女に捕われているのだと思います。だから、彼女が雲隠れすれば必死に探し、捨てた後も遣いを送り続けてしまう。
この舞台のヒロインはメルトゥイユ公爵夫人ですが、ヴァルモンにとって彼女は天上の女神であり、地上で心を預け合える半身はトゥールベル夫人の方だったのかもしれません……。

舞台上の時間が進むにつれて艶めくトゥールベル夫人と、その艶を引き出すヴァルモンの危険な魅力に目眩がする舞台でした。

落下位置とタイミングを見計らい、通り道のアイテムを回収するパズルゲーム「SUSHI CAT」
http://armorgames.com/play/5379/sushi-cat

ほのぼのとして可愛い絵面の物理パズル。
簡単なストーリーがあり、猫にお寿司を食べさせて大きくするのが目的です。寿司を食べるほど猫が次第に大きくなっていくのが曲者で、最初の目論見では通り抜けられる筈だった幅が、太った猫では通れなくなるなど、大きさの変化も考えて落とす必要があります。
難易度は、単にクリアするだけなら簡単。良いSCOREを取ろうと思ったり、すべての寿司を食べ尽くそうとすると少し難しくなる形で、丁度いいバランスです。
唯一の難点として、日本語訳がとても微妙で、ちょっと苦笑させられます。

ハネムーンに行ったり、彼女が攫われてしまう続編もあるそうです。

2009年にエイプリルフール限定公開したBASTARD!!サイトより、もう時効と言うことで収録。
PS版ゲーム「虚ろなる神々の器」1章より。


 周囲は次第に道幅を狭め、指示通り封印された海岸線へ続く渓谷の路へ向かっていることは間違いないようだった。
 それを確認したヨルグは、前を進む若い男の背に問いかける。
「あの男の話を飲むのか?」
 問い掛けに、男――マカパインが振り向いた。沈黙を続けていたヨルグに、まさか己の意志があるとは想像もしていなかったのだろう。切れ長の瞳が僅かだが見開かれていた。
「生きる為に、他になにが出来る」
 この世で共に寄る辺無い身として目覚めて以来、二人が手を取り合ったのも生き抜くためであった。
 もとより、ヨルグに手段の好悪はない。
 この地を治めるのは、鬼忍将と名乗る巨体の男である。将が今の彼等では到底適わぬ強さを持っている以上、それにおもねって後ろ盾を得るのは、生き抜く為の選択として間違いでない。
 しかし、マカパインが頻りに言う妖縛士の誇りはどうなるのか。
「誇りを守るために命を捨ててどうする」
 騎士であるまいに、とマカパインが嗤った。
 その刹那、ヨルグは反射的に口を開いたが、後に続ける言葉が見当たらず、そのまま口を閉じた。
 彼の主張に間違いはない。己の生命を守るためならば、どんな非道も出来るのが人間だ。そしてヨルグも、そんな人間の一人だった。
 命があってこその誇り、生き様である。
 だからこそ、ヨルグの胸中に疑問が鮮明に残った。
 言おうとしたのは、反論だった。


ヨルグとマカパインの皮肉な組み合わせが大好きです。初プレイ時は、なんでこの2人が組んでるんだ、と物凄い勢いで突っ込みました。
それにしても、記憶がない時期のヨルグは主体性がないですね!