• 2013年登録記事

映画「レ・ミゼラブル」を観て来ました。
http://www.lesmiserables-movie.jp/

東宝ミュージカル版の感想は、2011年4月23日記事参照
原作は子供時代に読んだ筈ですが、ほぼ記憶がありません。恐らく短縮版でしょう。
更に最近思い出しましたが、悪名高い(笑)1998年のリーアム・ニーソン主演版「レ・ミゼラブル」も観ていました。

お金を掛けて作られているだけあって、見応えも聞き応えもありました。
曲順が入れ替わっていたり、幾つかの要素が原作準拠になっていましたが、ほぼ舞台版に忠実な内容だったと思います。
冒頭、囚人たちが「囚人の歌」を歌いながら船の綱を引く光景で、舞台とは違う映画らしいスケール感を感じさせられました。また、鳥瞰から街を観るアングルなどは、やはり映像ならではの演出ですよね。
でも何故でしょう、制約の多い舞台の方が奥行きと広さを感じると思いました。視界がスクリーンで四角く切り取られているからでしょうか? 切り替わりが激しいカメラワークとか、人物のアップが多いのも、私の好みとは合わなかったです。
元々非常に長い話を納める為に、ちょっと余韻がなかったのが残念かな。

それから、本作を語る時に外せない、台詞を歌で綴る本格ミュージカルであると言う点について。
ミュージカル好きですが、映画だとやはり不自然かな、と思いました。特に、「バルジャンの独白」のような心情を吐露するシーンで、教会の中をウロウロするバルジャンにもなんだか不自然さを感じました。リアルな映像が付くことで、逆に妙な気がするようです。
面白いもので、英語の歌を聞きながら字幕を見ていると、結構違うことを言ってると気付かされました。ミュージカル訳を参考にしていたようですが、日本語で歌う為に敢えて言葉を削ぎ落として意訳してる箇所が多いので、もう少しゼロから訳しても良かったのでは。また「心は愛に溢れて」などの二重の歌が重なるシーンは、字幕が縦横で分けて欲しいと思いました。

この映画では、バルジャンという人物の魅力が分かりました。
逆に、ジャベールは私の解釈よりちょっと感傷的に過ぎるかな。徽章をガブローシュに付けてやるシーンは違和感がありました。
コゼットは何もしないしどころのない役だと思いますが、可憐で可愛いだけで説得力がありました。
学生たちは、一気に出てきて名前も呼ばれないため、個別認識が難しかったです。アンジョルラスすら、革命が始まった後に2回呼ばれるだけなので、原作も舞台も知らない観客には認識されなそう。
アンジョルラスの最期は原作展開に変更されていたのですが、アンジョルラスとグランテールがそれまでに1個人として魅力は疎か個性を見せていないため、感動に至りませんでした。
テナルディエ夫妻は軽妙ですね。嫌いな役ですけれど、作品における役所としては凄く理解できました。

五十音順キャラクター・ショートショート【ひ】
→ルールは2012年12月17日記事参照


 ヒーローになりたいわけじゃない。恥ずかしい自分になりたくないだけだ。
 だから守るものは2つだけ。
 命と約束。
 そのどちらも背負っている時に、逃げ出すことなんて有り得ない。
 ――負ける気もしなかった。

「そうやって行く先々で悪党ぶちのめしとるから、ヒーロー扱いされるんや」
 隣で馬を歩かせる妹は、なにが気に食わないのか、顔を膨らませてそう言った。
 謝礼より経費が多いだとか、売り物の出番がないとか、これまでも散々文句を言われたが、これは少し違うらしい。その証拠に、しばらく待っていても、彼女の口から兄の行動を改めさせる言葉は出てこなかった。
 あれこれ言いつつも、“ヒーローみたい”な兄は、彼女にとって合格点であったらしい。
 けれど、なにをおいても一番に妹のことを守ってやりたいと思っている時点で、本物のヒーローにはなれそうになかった。

ヒーローなんかじゃない
……ヒッテル(アニメ「覇王大系リューナイト」)


カッツェが不機嫌なのは、「兄ちゃんはウチのヒーローなのに」という文脈ですよ。
お互い気付かないだけで、実はシスコンとブラコンな二人でした。

「PHANTASY STAR PORTABLE2 INFINITY」(以下「PSPo2i」)体験版を遊びました。
http://phantasystar.sega.jp/psp2i/

psp2i

※評価対象はソロプレイ限定です。

自由度の高いキャラクター作成

ゲームを開始すると、まずキャラ作成。
PSPo2iは調整の細やかさが断トツだと思いました。キャラ作成についつい熱が入りますね。ニューマンの耳の角度調整まで出来るのは笑っちゃいましたよ。
まず、5つの種族+性別で全くイメージの違うキャラを作れるのが楽しいです。また、防具と洋服は別扱いなので、外観だけを調整できるのが嬉しいですね。
とにかくキャラ作成が面白いのと、自分のキャラクター同士でパーティを組ませることも出来るため、最終的に3人も作ってしまいました。

キャラクリ

平易な操作と複雑な仕組み

最初のミッションは初心者向けの練習用ステージになっていて、此処で攻撃、ガード、回避、ロックオンなど基本的な操作を学べるので、直ぐゲームを開始できます。
動きもスピーディで、自分なりのロマン武器を振り回すだけでも楽しいです。
しかし遊んでいる内に、どの武器でどの技を繰り出すか、術、属性など、ただ殴るだけでは済まない要素がてんこ盛りであることも分かって来ます。
例えば、技(術)にレベルがあることなんて、だいぶ遊んだ後に気付きましたよ!
また、特殊な用語が多く、体験版説明書だけでは良く分からなかったり、トレーニングミッションが何故か最初の時点で受講できないなど、多少気になるところもあります。
インターフェイスは結構入り組んでいるので、目当てのメニューを開くのに苛々、アイテムの説明を切り替えるのにボタンが違って苛々、ということもありました。

装備切り替えで敵に自在に対応

個人的に非常に良いと思ったのは、ミッション中、それも戦っている最中に装備変更できることです。勿論隙は生じますが、敵に合わせて有効な属性や射程範囲の武器に切り替えられるので、初見のエリアでも状況に応じた武具を繰り出すことができました。
他の「狩り」系ゲームでは、ミッション中の装備変更は不可がほとんどでした。PSPo2iに慣れると、この敵に有効な武器に切り替えたい!と思って、変更できないことがストレスになるくらいです。
元々、色々な武器が用意されているので、それらを使いたいと思うのですよね。
武器と言えば体験版なのに、装備制限レベル60なんて武器が手に入ったりして、製品版を買って装備出来るようになるまで頑張ろうかな、と思ってしまいました。

レベル60武器

不便な文字入力と補うシステム

PSPo2iは、なぜかPSP標準の文字入力システムではなく、独自のシンプルキーボードを採用しています。
これが、凄く入力し難いです。ちょっとした言葉を打ち込むのに凄い手間取りました。
私はソロプレイしかしませんが、これで多人数プレイ時に充分なコミュニケーションを取れるのでしょうか?
このマイナス要素を補う為にあるのかと勘繰る機能が、予めよく使う台詞を登録しておくショートカットと、状況に応じて勝手に台詞を言うオートワード設定の2つ。
後者が、キャラ作成の一貫として面白いのです。例えば自キャラで固めたパーティで遊ぶ場合、そのままだとNPCと違い全員無言になるのですが、オートワード設定でミッション開始や回復した時に各キャラが言う台詞を決めておけば、キャラの性格も出てくるし、生きた仲間と一緒に戦っている錯覚に浸れました。

不満点もありますが、ボリュームがたっぷりあり、非常に満足感の強い体験版でした。
息が長い長寿シリーズの底力を見せ付けられた印象です。

五十音順キャラクター・ショートショート【は】
→ルールは2012年12月17日記事参照


 箱の中には、希望はおろか、絶望すらなかった。ただ空白で埋め尽くされた孤独がある。
 箱の中と外の二人を、この孤独感が繋いでいた。
 いつかまた箱が解き放たれるまで、永遠に。

 そして箱の中には、彼女への愛が残された。

箱の中に
……ハーメル(アニメ「ハーメルンのバイオリン弾き」)


久し振りに、書いた後で文章を削りまくりました。
一切説明のない、不親切設計です。

TVアニメ版は「ギャグ漫画原作からギャグを抜く」という、野心的と賛美すべきか狂気の沙汰と評すべきか悩ましい部分が好きでした。
アニメ化の例としては、失敗作だと思います。でも原作よりワクワクしながら、翌週の放送を待ってました。そして、最終回放送後はバッドエンド&謎の一話回帰と旅立ち回避オチに、悶々としました。