• 2015年登録記事

宮木あや子著「校閲ガール」

【あらすじ】
大好きなファッション雑誌の編集者になるべく出版社に就職した河野悦子だったが、文芸作品の校閲担当に回されてしまった。異動を目指して校閲に励む日々に、編集者や作家との様々な事件が巻き起こる。

私は後から知りましたが、ダ・ヴィンチニュースで連載されていたそうです(現在は公開終了)。
http://ddnavi.com/news/serial/kouetsu-girl/

タイトルと装丁通り、非常にライトな作品。
お仕事小説は好きですし、あまり日の目を見ることがない校閲を描くということで読みました。
悦子は、仕事はちゃんとできるらしいし、自分の好きなこととやりたいことを明確に持ち、思ったことを主張するという輪郭線がハッキリしたキャラクターなので、痛快でした。最初は、喋りかたが乱暴で少し嫌だと思いましたが、これもリアルではありますよね。
校閲なのに、ファッションのことにしか興味がない、という彼女の設定の妙が、文芸ネタ一辺倒に陥ることを防いでいて、面白かったと思います。
校閲仕事に関する描写に、ファッション等のガールズトーク、出版業界を垣間見る業界ネタ、作家の失踪した妻を探すミステリー、恋愛といった日常がコミットしていて、1冊で色々な要素を盛り込まれていました。

乃南アサ著「しゃぼん玉」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
強盗と逃亡を繰り返す根無し草生活をしていた伊豆見翔人は、偶然辿り着いた宮崎県の山奥で怪我を負った老婆スマを助ける。村人たちから孫と勘違いされ老婆と同居を始めた翔人は、平家祭りの準備に駆り出され人々と繋がる内に、自堕落な性根を改め生き直すことを決める。

現代のキレる若者が、田舎で祖父祖母世代と触れ合って更生するというストーリーラインだけ抜き取ると、非常に王道ですが、心理描写が巧みで、全く理解も共感もでいないけれど、実際にこういう人間が実在して、それゆえ突発的な犯罪が発生するのだなと思わされました。
主人公の愚かさには終始イライラさせられ続けましたが、荒んだ心が次第に更生していく過程がちゃんと見えましたし、きちんと自首して罪を償った後のハッピーエンドなので、後味はそれなりに良いです。
主人公以外では、スマ婆、シゲ爺といった翔人と関わる人々が、昔ながらのお婆ちゃん、お爺ちゃんという感じで、愛せるキャラクターでした。

タイトルの「しゃぼん玉」もきちんと物語の中に組み込まれていて納得できるし、全体的に無駄なく構成されたお話でした。
強いて残念な点を探すとしたら、なぜスマは朝早くカブで出掛けようとしていたのか、という疑問の回答が得られなかったことでしょうか。

江國香織他著「源氏物語 九つの変奏」

9人の作家が描く、源氏物語を題材にした短編集。元々「ナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジ」というタイトルで「新潮」に掲載されていたそうです。
正直、主旨がよく分からない本でした。
「源氏物語」を下敷きにしつつ現代人の感覚で組み立てた翻案が読めるのかと思ったら、単なる新訳としか言えないものがほとんどでした。一部には、語り部が原典とは違ったり、表現が今風にされている等のアレンジもあったのですが、私が期待したものとは違いました。

完全に翻案だったのは、角田光代「若紫」と金原ひとみ「葵」の2編。
角田光代はさすがですね。紫の上を、女の強かさを備えた少女と解釈しているのが面白いし、女郎部屋みたいだけれど妙に時代が曖昧な舞台設定のお陰で、展開は「若紫」通りなのに一体どんな話になるのか、最後まで引き込まれました。
逆に、金原ひとみの作品は現代の若い女性が子供を産む混乱を描く形になっていましたが、あまり気分がいいものではありませんでした。

原典は、瀬戸内寂聴訳で学生時代に読んでいます。読んではいるのですが、不誠実で嫉妬深く、そのくせ周囲からは持て囃される主人公・光源氏が大嫌いです。
そんな中、全体的に源氏物語の世界自体を茶化していた町田康「末摘花」では、光源氏という男の滑稽さに笑えました。
逆に、桐野夏生「柏木」で女三宮の視点から描かれた光源氏には、最低の男だな!と改めて思ったのでした。

「ゼノブレイド」のプレイ進行が遅いのは、主に「ポケとる」のせいです。
プレイ回数制限があるため、逆に、遊べる時は優先的に遊ぼうとしてしまうのですね。

順調に進めていたのですが、ステージ120(メガオニゴーリ)で足踏みしています。
弱点属性のポケモンを揃え、手数を使いきって攻めているのに、体力を半分くらいしか削れなかったりするので、挫けそうです。
本家ポケットモンスターは遊んだことがないけれど、取り敢えずメガオニゴーリは嫌いになりましたよ!

攻略法を調べてみたら、私だけでなく、かなり多くのプレイヤーが苦戦しているようです。
アイテムを使ってしまうのが一番簡単みたいだけれど、あまり使いたくないし、そもそもちょうど2500枚溜まって、スーパーボールを使っちゃった直後なのでした。土日のニャースでコインを稼いでからどうするか考えますか……。

3DSで遊べる、下記の2種類の「パズドラ」を体験してみました。

  • 「PUZZLE & DRAGONSZ」体験版
  • 「PUZZLE & DRAGONS SUPER MARIO BROS. EDITION」おためし版

スマートフォンで遊べるオリジナル版「パズル&ドラゴンズ」は未プレイ。
「パズドラZ」→「マリオ」の順で遊んでいます。「パズドラZ」は序盤が完全にチュートリアルなので、この順でちょうど良かったと思います。

基本のパズル部分は、どちらも変わりありません。
なんとなく、マリオの方が敵も味方も攻撃力が高くて大ダメージを送りあう印象を受けましたが、これは純粋に体験できるエリアが序盤か中盤かという差でしょうか。ノーマル難易度の「マリオ」はスキルを駆使しないと進めませんでした。
最初、ルール関係は「ドロップを揃えれば攻撃」程度しか認識していなかったのですが、進める内に段々コツが分かって、ドロップを動かす道順を考える悩ましさが楽しめるようになってきました。パズル構成を次のマップにも引き継ぐので、単にコンボするだけでなく、次の敵に直ぐ対応できるような配置にするなど、先々まで考えて動かせたら、もっと巧く遊べるようになるのでしょうね。

「パズドラZ」では、物語の導入も体験できますが、どちらかと言えばパズルに没頭したいのに、頻繁に挿入される掛け合いが邪魔だと感じました。
それに、世界崩壊の危機に対して、新米ドラゴンテイマー(主人公)ではなく大人が事態の収拾を計ろうとするのは当然なのに、ワタリ隊長に対してゴネた上、シロップを渡さない選択肢しか選べない仕様には疑問が残りました。どうせ主人公が行くしかないのは分かっているけれど、それなら選択肢は要らないと思います。
まぁ、パズルゲームの物語なんて、要は規模の大きなチュートリアルイベントなんでしょうけれどね。