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12月27日(火)、宙組トップスター・大空祐飛が、ミュージカル『華やかなりし日々』、グランド・ショー『クライマックス』−Cry‐Max−(宝塚大劇場:2012年4月13日〜5月14日、東京宝塚劇場:2012年6月1日〜7月1日)をもって退団する事を発表し、記者会見を行いました。

宝塚歌劇 新着情報・スター関連(2011/12/27)より

ということで、大空祐飛さよなら特集として、宙組トップスター時代の舞台の思い出をイラストと共に語るだけの日記、第1日目。
2〜3週間に1回くらいのペースで、退団までに間に合わせたいと思います。

1作目は、トップスター就任後、最初に務めた博多座公演「大江山花伝/Apasionado!! II」。
→公演詳細

夏の博多! あの熱い2日間が昨日のことのように思い出せます。
初遠征でしたが、現地で知り合ったファンの方とお喋りしたりして楽しく過ごせました。その御陰で、以降も気軽に遠征するようになりました。

「番手制度」を敷いている宝塚歌劇団ですが、芝居に関しては、トップスターでなくてもバウホールや青年館で主演を務めることがあります。しかし、ショーで大階段を最後に降りるのは、男役トップスター唯一人の特権です。
と言うわけで、イラストはショー「Apasionado!! II」から1場面。

DESEO

いつもとまったく違う塗り方にしてみました。汚れ感が出た方が良いと思い、ざくざく描いたので面白かったです。

これが初宙組観劇だった私は出演者が見分けられず、顔写真が掲載されている冊子「ポケットおとめ」を片手に首を捻っていました。その上、このシーンの男役はみな帽子を目深に被っているので、誰が出演しているのかのチェックも放棄していました。それがいまDVDを観直すと、体格等で言い当てられるのですから、約3年のファン生活は素晴らしいですね。

宝塚宙組「クラシコ・イタリアーノ/NICE GUY!!」11:00回(前楽)を観劇。
残念ながら千秋楽公演は確保できませんでしたが、大変な盛り上がりで、最高のクリスマスプレゼントになりました。

芝居でのアドリブは、レニーがサンタ帽を被り「メリークリスマス!」と登場したくらいでしょうか。
フランクの決まり台詞「なんだその格好!」が見事にハマっていました。

とにかく全力投球という感じで、合計7回観た内で最高の出来でした。
初登場の泣きや初撮影のNGシーンなどで、改めてミーナ@野々すみ花の演技巧者ぶりを思い知りました。非常にデフォルメされたキャラクターなのに、リアルでした。
レニー@凰稀かなめは、調子が悪いのか回数を重ねる毎に滑舌が悪化してるような気がして、少し心配になるのですが、2日前の日誌で指摘した会話の「間」は改善されていました。
職人インタビューは、ニーノ@月映樹茉は張り切り過ぎか、いつも以上に勢いが激しかったです。少し「落ち着いて!」と思いました(笑)。
その後のルッカ@風馬翔ミゲル@光海舞人は抑制の利いた良い演技で、今日はこちらに泣かされました。

ショーは、「Young Blood(イケメンオークション)」が完全にクリスマス仕様にされており、「クリスマス特別企画、スペシャルメンズオークション!」として開催。
Mr.マオと魅惑の男たちは全員サンタ帽を装着(Mr.アフリカは頭の虎がサンタ帽を被っていました)。
サンタ帽を被った縦長の影がスクリーンに映るだけで面白い、というのは新鮮な発見でした。魅惑の男のシルエットが映るたびに会場が爆笑し、拍手喝采で迎えました。
ナイス・アイドルY@大空祐飛もサンタかと思いきや、きらきら光るトナカイの角を付け、モールを山ほど肩から提げて登場。かなり破壊力のある可愛らしさでした。
Mr.メキシコの掛け声「サンバ!」と、ナイス・アイドルYの決め台詞「俺だけを観ろ!」は、どちらも「メリークリスマス!」に変更されていました。
とにかく大変な盛り上がり具合でしたが、この直後に、真逆の世界観の「Yaw(薔薇)」をいつも通り展開したのは流石にプロだなと感心しました。

また、中詰のロケットボーイが捌ける時と「Yonder(風)」の退団者ダンスに拍手が入ったので、私も思う存分、異動者&退団者への想いを込めておきました。

過去最高回数のリピート観劇でしたが、隅々までが楽しい作品で、悔いのない舞台見納めとなりました。

ところでこの公演、ある日一緒に観た非宝塚ファンの友人から「ショーの副題“Yの法則”は染色体のYなの?」と聞かれ、その発想はなかった!と思ったのですが、同じことを別の友人にも聞かれたのが印象的でした。
ちなみに、答えはトップスター大空祐飛の「Y」です。

宝塚宙組「クラシコ・イタリアーノ/NICE GUY!!」15:30回を観劇。
今公演、唯一の2階席でした。
2階後方席から統制された拍手が入った御陰で、盛り上がって楽しかったです。

いつも通り、まずは芝居から。

当然の事過ぎて書き忘れていましたが、サルヴァトーレ@大空祐飛が好きです。
パオロの店でピザを食べた後、指を擦って粉を落とす仕草。思い出のアレッサンドロと決裂した瞬間に見せる迷子のような顔。ナポリまで追って来たミーナに「なぜ?」と聞いてしまう鈍感さ。そして修行時代のサルヴァトーレ@桜木みなと
回を重ねるごとにハッキリと見えてくる素顔が可愛くて、思わずニマニマします。

しかし一方で回を重ねるごとに気に障るものもあって、今回はレニー@凰稀かなめの演技に物を申したくなってしまいました。
美味しい役なのに、台詞通りに喋っているだけに感じます。一ヵ所だけでも演出指導できるなら、サルヴァトーレへのインタビューシーンで、間を入れて欲しいです。「本当の自分」を質問した後、彼が答えに詰まって項垂れた時に、1秒の間を入れるだけで段取り感が消えるはず。
レニーを「相手に考える間を与えず喋り倒して自分の意見を押し通す」という人物像で描いているなら、今のままでも良いのですが……。
あとは独特の高い台詞回しも、前回公演の疾風役くらい抑えて欲しいです。

逆に、初見の感想を辛口にしたジャコモ@十輝いりすですが、演技が良くなってきて、油断できないライバルという雰囲気が出てきました。
ところで、ジャコモのお付き3人衆で、天玲美音ではない男役が好みの美形であることに突然気付きました。風羽玲亜で良いのでしょうか? 次回から注目しておきます。

マリオの送別会で、上手の職人たちが座っている席の小芝居が気になりました。
今日の感じだと、ルッカがお針子の1人に気があり、ミゲルたちが2人を纏めようとしているものの、彼女の返事はあまり芳しくないみたいですね。
面白くてずっと観てしまったけれど、彼等にマリオを見送る気持ちはあるのでしょうか(笑)。

さて、ショーは一場面で大人数が登場するため、どこを見るべきか毎回悩まされます。
特に今回の場合は、下記の理由で視線の右往左往度合いが増えています。
・見納めとなる退団者を観たい
・異動発表された春風弥里を観たい(十輝いりすは中日劇場があるので後回し)
・芝居の影響で、チェック対象に澄輝さやとと桜木みなとが追加された
あと1回、想い残すことがないようにしっかり観なければ!

全編通して対で使われているYAMATO@蒼羽りくNADESHIKO@伶美うららですが、ダンスの実力に差があり過ぎて、同じ振り付けに見えないのが面白いです。
ちなみに、同じ「ダンサー」でも、華のある蒼羽りく、緩急のある珠洲春希、やる気100%で全てがフルスロットと言う印象の春風弥里と、ダンスの違いが面白いです。
例えば歌い継ぎで野々すみ花が銀橋を渡る時、本舞台で踊る3組に、男役が娘役の腰に手を回す振り付けがありますが、春風の抱き寄せ方が一番深く、踊る相手への愛情を感じます。
体の使い方が大きい春風は、喜怒哀楽が激しい人なんだろうなぁと勝手に想像しています。
ちなみに、同シーンの寿つかさはあくまでダンスパートナーと言う感じに端正で、鳳樹いちは優しい抱き寄せ方だと思います。

以下、シーンについて思っていることを少し書き残しておきます。

「Yak」で「Hey you!」と割り込んでくる野々すみ花はとにかく可愛い。

「Young Blood」は、オークション対象の本人より、周りを観ている方が面白いことがあり、特にMr.アフリカとMr.ウェスタンの時の男役陣の反応が楽しいです。
ナイスアイドルYは暗転する最後の瞬間までサービスしてくれるので、「俺だけを観ろ」を実践させられますね。

中詰の男役の群舞(13場)で、途中踊るメンバーと静止するメンバーに分かれた時に、どうしても踊る方を観てしまうのですが、実は静止している後方メンバーが物凄く格好良いというジレンマ。

セクシャル9は、実は鳳樹いち君のアピールが派手でとても気持ちいいと思います。
実はメンバーに入っているのが意外だったのですが、好きなので嬉しいし、本人も楽しんでいるような気がします。

最後、「Yawp」のシーンでは、男役群舞が観るほどに愛おしくなって堪りません。
スターの新陳代謝が行われるのが宝塚の常ですが、大空体制の宙組を支えて来たメンバーが揃って、祐飛くんが真ん中にいる、この光景をずっと観ていたかったんだとつくづく思います。
せめて、退団までこの光景を観ていたかったです……。

宝塚宙組「クラシコ・イタリアーノ/NICE GUY!!」15:30回(VISA貸切)を観劇。
お手伝い生徒は風馬翔。
男役として舞台で喋る声しか知らなかったので、素の声は「女の子」であることに驚きました。
芸名と愛称を聞かれた時点で、勝手に好きな物(カルボナーラ)や特技(リフト等の力技)もアピールし出したのが面白かったです。そのせいで尺が足りなくなったのか、定番である「芸名の由来」は質問してもらえませんでした。
ショーの一押しシーンは「風(Yonder)」。あのシーンは群舞を楽しみたくてあまり一人一人をチェックしていないのですが、出番の説明もしてくれたので、今回はオペラで覗いてみました。

折り返し地点を過ぎて、疲れも出て来ているのかミスが散見。
芝居では、サルヴァトーレが「イタリアでは、服装は相手に対する礼儀とみなされる」の「礼儀」を間違って「身嗜み」と言ってしまい、一瞬詰まったもののそのまま言い切りました。
意味が通じない言葉になってしまったので、レニーが納得したのはあの迫力に圧されてだな、と感じました。
続くショーでは、Young BloodのMr.マオが「出血大サービス!スペシャルメンズオークション」と言うべきところをいきなり「スペシャルメンズオークション!」と言ってしまった為オケが入れず、「イケメンオークション!」と付け加えて通常の進行に戻していました。
それから、ラインダンスの途中で1人足を滑らせた子がいました。転倒はせず、一瞬膝が落ちただけで直ぐ持ち直しましたが、怪我等はなかったのか心配です。

そんな怪しい箇所はありましたが、舞台自体はこれ以上先が見えないほど深まっていて楽しめました。
パメラ@純矢ちとせは、声のトーンを低めに変えたのか、前回まで声を荒げていたところをクールに斬るような感じに変わっていて、有能な雰囲気が強くなりました。
それなのに、サルヴァトーレがナレーター役をミーナに決定すると、ルイジ@珠洲春希の腕を引っ張って抗議し、ルイジから嫌がられているのが面白かったです。

また、この日は席の関係なのか、音響か、今までガヤだった台詞が結構聞こえました。
職人たちの銀橋は、ベッピーノに対して「音痴なのを本人だけが知らない」と笑っていたんですね。
ミーナの撮影初日は、スレンダーがこれからの流行だと言うリズの台詞の後、フランクたちはグラマーが良いと言い募り、レニーはリズの肩を持ってスレンダー押し。ここまでは今までも何となく聞こえていたのですが、その後の男共が。
「そりゃ、レニーはスレンダーが好きだろうけど」
「そりゃ、僕はスレンダー好きですけどね」
とリズを見て言っていたのが印象的でした。アメリカ撮影チームは、自由人すぎる(笑)。

レニーの冒頭アドリブは石田三成。
Mr.アラビアは黒ストレートでした。

宝塚宙組「クラシコ・イタリアーノ/NICE GUY!!」11:00回を観劇。

芝居に関しては完全に流れ、台詞、BGMが頭に入ってるので、割り切ってメインと関係ないところを延々見続けたり、自分勝手に楽しんでます。
ちなみに今日は、マリオとの別れ後に小鳥SEを流すところで、間違って映写機SEを流してしまった裏方のミスがありましたね。

今回のお話について、私は「地味だけど佳作」と思っていますが、最初にアメリカ進出に関する会社内の問題やライバル社との対決を派手に取り上げるので、これがストーリーの核だと思うと終盤拍子抜けするだろうな、とも思います。
実際は、最初から最後まで「自分探し」がテーマなんですよね。
そのため「本当のサルヴァトーレはどんな人物か?」と言う話が出てくる第5場幕前は、作品に対する評価を左右する重要なシーンなのだと今日不意に感じました。

芝居では極力オペラを使わず、群衆の動きをチェックしました。
オープニングのコレクションシーン等は、ついランウェイのモデルかサルヴァトーレを観てしまいがちですが、今日は周囲の群舞をチェックしてみたところ、なかなか振り付けが面白かったです。
あと、辞表を出して銀橋を渡っていくマリオが、ベッピーノの呼び掛けに立ち止まって少しだけ振り返るようになっていたのは、東京からの変更点でしょうか? 少し未練があるんですね。完全に心を決めてしまって、頑なになっているという初見時の印象と違ったので、早くDVDを観たいです。
職人たちのインタビューシーンのみ、いつも職人を観てしまうので、今回はサルヴァトーレ、アレッサンドロ、レニーを凝視してみました。
「映像が投影されている壁」があるのだろう場所をじっと凝視して身動きしないサルヴァトーレと、インタビュー内容を聞いて時々表情や体を微かに動かすアレッサンドロ。そして、時折その2人の様子を窺って、ドヤ顔するレニー(笑)がなかなか興味深かったです。
アレッサンドロは、あのインタビューを聞いて始めて、サルヴァトーレのしてきた事を認めたんですね。

今回、キャストの個別評をちゃんと書いていませんでした。
リピートする内に印象が変わったり、役作りも変わったかな?と思う部分がありますので、その辺は徒然と書いておくとして、千秋楽にはまとめたいです。

ジョルジオ@凪七瑠海の「頑張ってる感」が、最近好きになってきたかも知れません。
プロが「頑張ってるな〜」と思わせてはいけない筈ですけれど(苦笑)、宝塚は身内感覚で舞台を見守るというファンの形もあるんですよね。
とりあえず、男役としては致命的な体の薄さを、立ち方や演技でなんとか埋めようとしてるんだな、と感じるようになりました。サルヴァトーレに肩入れはしていますが、第三者の視点を持って舞台を眺めているという立ち位置もなかなか美味しいですよね。

パーティで発するロナウド@鳳樹いちの「凄いお屋敷ですね」という台詞が、回を重ねるごとに冷たく、非好意的な社交辞令になっていってゾクゾクします。

ショーの方は、素直に流れに乗って観ていると「あれ?もう終わり」と思うようになってきました。
「セクシャル9」は、東京宝塚劇場の適度な広さと彼等の気障り具合が丁度巧いバランスになって来たと思います。宝塚大劇場だと正直広過ぎて、薄かったような気がするんですよね。初日直後でまだ固かったのかもしれませんが。
最初の客席降りで、大空氏が釣った1列目の客が黄色い悲鳴を上げていました。正直、張り切ってS席入力したのに旧A席と2階だった自分は羨ましくてたまらない!
「Young Blood」の鳳翔大は私の観る回はほぼ黒ロング鬘だったのが、茶金に遭遇してテンションアップ。
後は、「Yonder」の退団者によるダンスシーンで、上手の方から拍手が入っていました。ちょっと驚きましたが、個人的には嬉しかったです。