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需要がないのは百も承知で、でも日誌にするネタもない(今書いてるSSを抜粋しようとすると、余りに短いので何処を抜いてもネタバレになる)ので、生存報告代わりにDVD詳細感想アップです。

太王四神記

【第一場 神の子ファヌン】
神話時代、熊族と虎族が争う世に神の子ファヌンが遣わされる。
ファヌンは虎族の女王カジンから火の力を取り上げ、熊族の乙女セオと結ばれる。魔術師プルキルに唆されたカジンは二人の子を奪い、火の力を封じた紅玉を取り戻そうとする。セオは子より世界を護ろうとするファヌンに絶望し、憎悪の化身・黒朱雀に変貌する。
地上を業火で焼く黒朱雀を止めるため、ファヌンは天の弓でセオを射る。
ファヌンは4つの神器を封印し、チュシンの星の輝く夜に王が生まれることを預言した……

信じ難いことに、と言うのは変ですが、語り部であるヒョンゴ@未涼のセリ上がりから始まってドギマギしました。冒頭に登場して、名前が表示されるって凄い扱いですよね。生で観た時より、DVDで観た方がこの箇所は衝撃的でした。
まず女性二人をメインとする戦シーンから始まるわけですが、カジン@桜乃は過去最大のハマり役ではないかと思います。可愛い妹キャラは卒業して、こういう黒い役を演った方が良いのでは。
熊族と虎族の争いに対し、神様が一方に肩入れするのはおかしいですよね。虎族が悪さをしてる、と言う形にした方が適切かと思うので、星組演出で同じように台詞説明入れるなら再考を願います。
本来男役であるセオ@愛音は、ちゃんと可愛い娘役に見えて感心。でも、ちょっと好戦的に見えるんですよね。「心優しい乙女」と言う以上、カジンと取っ組み合いさせてはいけないと思います。ここも、台詞に会わせて演出を変え、カジンの一方的な暴力に対しセオが治療してる、と言う形にすれば解決出来るのでは。
ちなみに、カジンはファヌン様に恋をしたのに、その力を取り上げられた挙げ句、紅玉をセオに与えたファヌン様は酷い男だとつくづく思います。でも此処は変更のしようがないので、仕方ないですね。
舞台だと角度によって丸見えだったセオが黒朱雀に入れ替わるシーンが、映像だとカメラ切り替えで見せない事に成功し、スムーズになってました。でも逆に、舞台だと綺麗に視えた地上の業火の演出(赤照明を当てた大布を翻す)があんまり伝わらない印象。やはり舞台の映像化は難しいですね。近いと演技が大き過ぎるし、画面を引けば良いかと言えば、臨場感や発する熱がカットされているせいで、あんまり面白くもない映像になるし。
神話時代最後、唐突に出て来る残る三霊獣は、青龍@真野が見分けられるせいで、各護り主の二役と思い込んでましたが、玄武は望海が演っていたんですね。よく考えれば、玄武の護り主の未涼が語り部である以上、ここで二役できませんものね。
三霊獣がファヌンに平伏して言う「ははー」が微妙に上滑りしていて、何度聞いてもウケます。これは実際の公演でも二度ともそうだった記憶があります。時代劇でもないと使わない台詞から熟れないのかしら。

1場には真飛アングルが付いてますが、このアングル、白い! 服も髪も装身具も真っ白且つ美白な人を映すと、いかに画面が白く見えるかと言う実験状態。
真飛には「さ行」が息抜けする癖があって、台詞を聞いているとそこが常時気になってしまうのですが、歌では問題ないんですね。歌声に温かい包容力があって好きです。素の人柄かな。神の子なので、もう少し演技は抑えた方が良い気もするけれど、まぁ真飛ですしね。
カジンとセオが宝玉と子供のやりとりをするシーンは、二人に注目してしまいファヌンを見た事がなかったのですが、「子供を捨てるわ」と言われた瞬間は、非常に衝撃を受けてるんですね。でも、それを飲み込んで人の世の方が大事だとセオを諭す。それが結局受け入れられないのだから、ファヌンも本当は可哀想な人なのかも、と初めて思いました。

【第2場 チュシンの星〜王の誕生】
魔術師プルキルは秘密組織「火天会」を作り雌伏する。
2000年後のある日、ヤン王の妻チャピがチュシンの王を産むと言う託宣が下される。チュシンの王として産まれることを秘すため、王妃は山奥で出産に挑む。同じ頃、王妹セームも臨月を迎えていた……

王妃チャピ@初姫が非常に幼妻風で可愛いです。「銀ちゃんの恋」の秘書と同一人物とは思えません。
一方、セーム様@花野も初姫と同世代なのに、ヨン・ガリョ@夏美の妻として釣り合って見えるのはなんででしょう。割とふくよかで、声を太くしていて、押し出しが強い演技のせい? こういう娘役は宝塚では貴重で大変好きですが、他の娘役との違いは一体なんだろうと考えてしまいます。
理解に苦しむのは「我が子がチュシン王と知られれば命を狙われる」と言うヤン王の主張です。ホゲはチュシンの夜に産まれた事を喧伝してましたが、命は狙われなかった。つまり、殺されると言うのは早計。
しかも結局同日にホゲが産まれているせいで、王位継承の問題がややこしくなった感があり、取り敢えず生まれ日くらい公表しておいても問題なかったのでは、と思ってしまいます。
そもそも、ひ弱で愚かな王子と見せ掛けてたせいで、五部族会議の面々からは完全に馬鹿にされてたり、民衆の支持もなかったり、ヤン王の指示に従ってタムドクが得したことってない気がしてきましたよ……

実は、ここまで未だ10分も経ってないのですけれど、凄い文字数になりました。で、この後は更に怒濤の展開なのでまた次の機会へ。

まだ通して観てません。
と言っても、ホゲ様アングルは即日確認したし、観たい&聞きたいシーンは延々リピートもしていて充分堪能しているのですが、折角購入したDVDなので、ちゃんと通して観るべきですかね。
見直すと、星組版でリライトする時に直して欲しいなぁと思う点もチラホラ。
更に、SSになりそうなネタもちらほら……。
でも感想逐一書いてるともの凄い長編になりそうですよ。需要がないのが悲しいので、どうしたものか。取り敢えずボーナストラック部分だけ感想を。

制作発表会は、こうして長い尺で観ると速報とは印象違いますね。
まず歌が、実際の舞台での歌と随分違います。サビは一緒だけど、前半メロディは使ってないですよね。幻想的な雰囲気があります。
実際の炎を使ったマジックと言うのも収録しておいて欲しかったなぁ。
発表会の剣は重厚感があって、本番の物より格好良いですね! どうしてこれを使わなかったのかしら。実際の殺陣で使うには重いのかな。
動く途中で、ショルダーガードがちょっとずれちゃったのがご愛嬌。舞台の鎧で肩の造形がたぶん変わってると思うのですが、それはこの辺が理由でしょうか。
制作発表会前に2〜3日で準備してこれだけ演るんだから、主演は伊達じゃないなぁと感心。
ちなみに、挨拶にだけ現れたホゲ様は、前日まで銀ちゃんだったわけですよね。実に不思議です。こちらの鎧は舞台で使ったのと一緒かな。
演技がないため、ヘッドセットマイクを付けてないのが嬉しい。

稽古風景は、通し稽古なので出来上がっていく仮定を観る楽しみはないのですけれど、舞台DVDでは設置してない位置からのアングルの御陰で、所々面白い演技が観れてニヤリ。
武道大会で、フッケ将軍が黒軍有利になると凄い大喜びしてるのを初めて知りました。裁判シーンも凄い驚き顔が一杯で笑っちゃいました。ちなみに、噂ではイルスはここで「ニヤ」っと反応するらしいんですが、どこにも映ってなくて残念。脳内で日向燦のニヤリ顔を思い出して補完しておきます。
後は、一騎打ちの振り付けや台詞のタイミングが、観た物とだいぶ違うことが気になりました。回数をこなすほど、段取りがスムーズになる分、演技に「タメ」を入れる余裕が出る為、DVDでも東京の公演時と違うなぁと思うシーンはかなりあるのですが、ここは振り自体公演までに変わってるのかも。盾を使った群舞も、宝塚と東京で振り付け変わってますよね。

先日の「太王四神記」VISA貸切公演の日、プルキルの子守歌で客席の子供が泣き出した事に閉口しつつも、何だか笑えてしまったことを書き忘れました(正確にはその前のシーン辺りで泣き始めたのですが、この後子守歌だから泣き止むかしらと思ったら、激しくなったと言うオチ)。
ま、悪役ですからね。壮一帆も「わしに怯えて泣いておるわ」くらい思ってそう。

そんな見所一杯、楽しい花組公演が終わり、寂しいので、昨年末に録画していたBSHi放送「黒蜥蜴」を見ました。
作品自体の粗はこの際不問として、組子を眺める目的です。
この作品の終盤、告白を受けて涙を流した桜乃彩音を見て、初めて「おっ」と思いました。
涙と言えば、人伝えの話ですが、新人公演「太王四神記」でキハ@野々すみ花(本役・桜乃彩音)が、カウリ剣の儀式の後、タムドクが息を吹き返した瞬間に、涙を零したらしいですね。抑えきれない心情を表した良い演技だと思います。と冷静に賛美しつつ、そんな小説の常套句みたいな描写をできる舞台人って、凄いなぁと感心。
直接見ている中では野々が代表格と感じてますが、インタビュー等読むとトランスする(或いはトランスしているような発言をする)生徒が随分いるので、意外に感じます。特に男役のような「型」で演技する役者は、意識的に演じている面が強いのだと思っていたので。
かく言う私は、元々黒子だった事もあり、芝居をしても客観的な自分がどこかにいる感じで、あまり役にのめり込んだことがないのです。訓練を重ねるうちに、自分が役と一体化する感覚が分かった時もありましたが、数える程ですね。
でも、一人称小説を書く時は、自分がキャラクターの気持ちになって書きます。これは役者のトランスと似てるかな。違うかな。

宝塚花組東京公演「太王四神記」15:30(VISA貸切)2回目。

既に筋は把握していることと、2階のため全体を引いて見る感じでしたが、舞台が遠いのが寂しくて、ついついオペラを多用してしまいました。
で、オペラ上げてるついでに、2幕婚約シーン、舞台前方でスポットを浴びたキハとスジニのやりとりを完全に無視し、後方のホゲ+イルス&チョクファンの背中をずっと見てました。今日は何の話をしていたんでしょうねぇ。日向燦が横顔を向けて喋っていたので、読唇術が備わっていれば読み取れたのでしょうけれど(笑)。
もう一つオペラの御陰で見れたのは、同じく2幕でタルビ登場時にヒョンミョンが冷やかし、蹴りを入れられるシーン。タルビを覗いていたら、その後ろで綺麗に足が上がってるので驚いたら、蹴ってたのが未涼亜希で更に驚きました。聞き知ってはいましたが、ヒョンゴ村長ってかなりアクティブでコミカルなキャラ造りですよね。

昨日の記事で上げていた6つの再観劇時ポイント、75%くらい達成しました。
ポンファ通りで真野すがたが見付けられなかったのと、チョクファンが単体では判らないまま終わったので25%減点。チョクファンは、イルスと一緒に出て来るから対で何度もチェックする機会があるのに、何故私の中でだけこんなに影が薄いんでしょうか。イルスの方が好みの顔だからですか。やっぱりそうなのか。
イルスとチョクファンは、上手下手に分かれてしまう事が多く、意外と両者を見るのは難しかったです。
一方、難しいと思っていた2幕イルスの慟哭は、下手席だった御陰で、倒れるホゲと一緒にオペラに収める事ができました。が、あまりの熱演に気が付いたらオペラの中心地点を持っていかれていました。彼のマイクはOFFだったのですが、タムドクの絶叫を更に上回るような、凄い嘆きが確かに聞こえました。
あれに、宝塚劇場ではマイクが入っていたらしいと言うことの方に唖然とします。中心の芝居の邪魔になってしまうよ。でもこれくらい脇が熱演してると、隅々まで楽しいなぁ。映像だと中心しか残されていない事も多いので、群衆シーンの多い芝居は生に限りますね。
五部族は、じっくりオペラで観察しましたが、やはり緑の夕霧らいが一番好みでした。凄く作り込んだ鬘と髭ですよね。

メイン所の感想は前回書いているので、細かいことを思い出した順に徒然。
要所でチュムチ@朝夏まなとのジャンプに魅せられました。跳躍が高い。力強い。
サリャン@華形ひかるは殺陣が巧いですね。よく見て改めて感じました。カクダン@望月理世がやられ役に慣れてないため、ちょっと段取り感があった気がして、もう少し動ける役者だと良かったかなと思いますが……。
大神官@絵莉千晶のお芝居が巧いことに今頃気付きました。前回は神託の時のエキセントリックな雰囲気に呑まれて、後のカウリ剣の儀式の時の演技はよく見てなかったため。
ヒョンゴ@未涼亜希はメインソロ曲はないけれど、よくよく聞いていたらコーラスの中でもソロパートを多数受け持っていたので、取り敢えず満足。
2階だと、火天会の放った弓矢の軌道がライトで判るようになっていた。が、やはり初見では気付かない模様。ホゲが倒れる理由が本人の台詞でようやく判ると言うのも間抜け。仕掛けの矢が胸に刺さっている事は、二階の距離だと視えませんでした。
下級生もそこそこ覚えて、どこを観ても楽しい、花組。この中での祐飛の芝居を、もっと回数見たかったなぁと思います。まぁ、花組は花組で、引き続き(未涼、日向、華形と好みの役者も多いし)観劇したいと考えてますけれど。

今日も結局オペラで追っかけた大空祐飛。しかし2階から見ると、やはり線が細いかなと思います。
1幕前半は、若く作ってるのか、声が少し浮ついてますよね。母親の死のシーンの絶叫は、ちょっとトーン高過ぎないかなぁと。でも、これが段々低くなっていって、2幕ではとんでもなくドスの利いた声になってるのが好きです。
歌は、相変わらずですけど、個人的には歌として聴かせるより台詞として言ってるタイプの歌い方で、芝居歌として聞けば、ただの歌になってしまうより良いよね、と誰宛でもなく弁明したくなります。
実際、メロディを聴かせた上で歌詞も明瞭に伝えるのは、花組スタークラスだと未涼亜希だけではないですかね。ただし未涼も、前述2点にプラスして芝居の情感を加えるのはあんまり得意でないのか、それとも抑えた役が多いからなのか、少し硬質な気がします。

相変わらずと言えば、オケの金管楽器が凄く「かまし」てました。
デュエットダンスで殆どかましてメロディになってなかった時には、思わず笑いが零れてしまいました。このオケクオリティに慣れちゃうのも、どうかと思うのですが。

地元駅のラックにTCA PRESSがあることに気付いて朝からビックリしました、麻生です。
明日は花組「太王四神記」二回目観劇予定です。
同一キャストによる同一演目をリピートするのは初めてです(エリザベートはWキャスト)。
一度見ていると観劇意欲が下がるのでは?と思っていましたが、前回から1ヶ月近く空いたのと、その間に重大発表があったこと、そして二度目なので見所や前回見逃した小ネタが分かっていると言う訳で、初回以上に大変ワクワクしてます。
しかし折角の二回目。前回とは視点を変えて、こんな風に見たいと思ってます。

  • 武闘大会と盾殺陣はオペラを使わない。
    二階席なので、フォーメーションを堪能したいです。
  • イルスとチョク・ファンの違いをチェックする。
    イルス@日向燦は分かる気がするんですが、チョクファン@祐澄しゅんが単体だと見分けられません。二人の演技の違いも、初見ではそこまで見ていられなかったので、その辺を明らかにしたい気持ちです。
    役としてはチョク・ファンの方が台詞も多くて優遇、イルスの方は演者の問題で目立つ気がします。好みの差だと思いますが。
    激しすぎると噂のイルスの慟哭も、出来れば見ておきたいですが、ここはホゲ様注視シーンなので難しいところ。
  • ポンファ通りで真野すがたのアルバイト(本役とは別にモブで登場)を確認する。
    色々なキャラが行き交って混雑してるシーンですが、真野に絞れば見付けられるかなと期待。
  • 五部族長&チョ・ジュドを見分けて、一番好みのお髭を決める。
    折角みんなが個性的な鬘と髭を付けているので、漠然と眺めるのではなく個体認識してあげたいなぁと思ってます。
  • サリャンの密告シーンでプルキルが登場するのを見逃さない。
    前回、サリャンとホゲ様をオペラに収めるのに必死になっていたら、いきなり壮の声がして必要以上に驚かされました。
  • 青龍CLUBMAXで上手チームを見る。
    前回は前の人の影になって下手チームしか見えなかったので、真野ばっかり見てました。今度は華形ひかる&朝夏まなと側を見たいです。

こうして改めて見ると、私、ホゲ@大空祐飛が出てるシーンはオペラロックオンし過ぎていて、周りを見てないのかも知れませんね。なんて判り易いファンなんでしょう……