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宙組初日おめでとう、と言う流れで書こうと思っていたのですが、発熱のためダウンして一日遅れてしまいました。

THE LAST PARTY -フィッツジェラルド最後の一日-

年代を一つずつ遡っていくかと思いきや間を素っ飛ばして、月組「THE LAST PARTY」を購入しました。
名作だとは聞いていましたし、1時間30分に芝居の起承転結を収めねばならない脚本作りと70人超の大人数を動かす演出力が問われる大劇場より、バウホールは面白い作品が作り易いだろうと思います。

実際にDVDを観た自分の感想としても、名作と言う声が多い理由がよく分かる、良い芝居でした。何と言っても題材であるスコット・フィッツジェラルドの一生が劇的で、栄光と転落、再起を目指す筋は古典的だけど心を揺さぶります。
やはり植田景子先生のバウホール作品は「当たり」が多いですね。
2004年11月収録。初単独主演作なのでもっと前の作品と感じてましたが、5年前と思うと、意外に最近なんですね。でも主要メンバーの半数が在席していないと言う現実に、隔世の感があります。
再生時も、TCAロゴは違うし、メニューが表示されずに本編再生が始まる仕様と画面の縦横比率が最近のDVDと異なりビデオ録画風だったり、多々驚きがありました。まぁ、5年も経てば変わりますよね。
演劇作品のライブDVDなのに、随分映像的に魅せる形で作ってあることや、バウなのに生演奏を入れてるなどの点は、スタイリッシュ。メニュー画面も作品の雰囲気を盛り込んでいて格好良いですね。
再演に耐え得る素敵な作品だと思います。やはり2006年の再演版DVDも出して欲しいです。絶対買いますよ!
しかし、これは“重い芝居”ですね。面白い反面、観ていて「しんどい」と言う気持ちが湧きました。
ながら作業中にバックで流すなどの生半可な気持ちでは鑑賞出来ません。加えて、一度鑑賞した後は少し間を置かないと過呼吸になりそうです。
……芝居って、銀ちゃんが作中で言っていたように、ある程度通俗性があった方が良いんじゃないかしら。

そんなわけで中身を分割して語るのも難しいのですが、今月からはこの「THE LAST PARTY」感想に挑戦したいと思います。

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年に1回程度、不定期に訪れるお絵描き欲が出て、昨日一日ちょっと真面目に時間を取って描いた初カシウス@暁のローマ。
公演キャラの場合も、ナマ物取り扱いと言うことでアップしない方が良いのだろうか……と思いつつ、日誌に書くネタないし、どうせ似てないから良いやと開き直って公開しちゃいます。

何故この公演を観劇しないまま終えてしまったのか、と言えば当時は別にゆうひファンでも月組ファンでもなかったから、なのですが……本当に惜しい事をしました。実は観ようと思っていた、と言う事実が余計に悔しいです。
かといって公演DVDを買うのは癪で、キャトルでポストカードを見ては悶々とする日々を過ごしてきたのでした。
もっとも、個人的に控えていたグッズ購入を今年から解禁したので、次回キャトルに行ったら数年越しの想いを込めてカシウスポストカードを買うんだ、と死亡フラグ(笑)のような事を言っている麻生でした。

すごく出遅れましたが、2009年春の宝塚上演作が公開されました。
2009年 宝塚歌劇公演ラインアップ【宝塚大劇場、東京宝塚劇場】

月組で、「エリザベート」ですか。
この発表に対する反応は、絶句や阿鼻叫喚の方が多い気がするのですが、最近再演スパンが早過ぎませんか。前回公演からメンバーがさほど変わってない月組で再演する理由が、私には読めません。
「エリザベート」も、「ベルサイユのばら」並みにイベント化しつつあると思った方が良いのかしら。
決して嫌いな訳でなく、良い演目だと思うからこそ、大事に使って欲しいのだですが……。
瀬奈じゅんに「エリザベート」の主要三役を演じさせる価値は、瀬奈と雪組の彩吹真央の二人だけで、「エリザベート」の各シーンができますね!(※)と言うジョークの役にしか立たない気がしますよ。

そう言えば東宝版感想で書き忘れたのですが、ゾフィーの死のシーンにて、フランツは母親を拒絶する事で、マザコンから脱してるんですね。
宝塚版はフランツが母親を否定しないまま最後まで来るので、「夜のボート」でも、二つのゴールだと言って拒絶するシシィの気持ちが分かるけれど、東宝版だとシシィの為に老いた母親すら否定したフランツを観ているので、どうしてこの二人は擦れ違っちゃったのかと憤慨する気持ちになりました。
自立志向も良いけれど、「嵐も怖くない」でちゃんと皇后としての義務を言い渡されているのに気楽に結婚を受けちゃったエリザベートには、どうも共感しにくいです。

※1996年初演で、彩吹:黒天使。
 2002年花組公演で、瀬奈:ルキーニ、彩吹:ルドルフ。
 2005年月組公演で、瀬奈:エリザベート。
 2007年雪組公演で、彩吹:フランツ。
新人公演も含めると彩吹は脅威の5役経験。瀬名は今回3役目になるが、全部一人降りする主要役。

宝塚月組「ME AND MY GIRL」15:30回。
今日の客層は家族連れが多かった印象。
お話としては意外に短く感じる3時間でした。しかし話が破綻してない=突っ込みところがないと言うのは、日記的には良いのか悪いのか分かりませんね。

ビル@瀬奈じゅんは、帽子を一度落としたけれど、被り直しは手を使わずに成功していたので、上出来な方の回だったのではないでしょうか。アドリブもあり、ひとつひとつの言動が会場に無茶苦茶ウケるビルでした。会場全体の雰囲気が明るかったので、私もかなり笑いました。
ラストシーンの台詞は良かった! ただ、知らなかった方がもっと感動できたかも、と予習のし過ぎを少し反省しました。

サリー@彩乃かなみは予想通りの期待を裏切らない出来。
ただ、喉の調子が心配です。初めのデュエットで、歌声に何時ものような力がなく、マイクの調子なのかと思ってましたが、通してかなり擦れてましたよね。ランベスウォークは一オクターブ下げてドスの効いた声で、ある意味レアだけど、一回だけの観劇なので基本キーで聞きたかったような、少し残念な気持ちでした。
残りの半月、イベントもあったりして密なスケジュールですが、最後まで歌い切ってもらえるように願ってます。

ジョン卿@霧矢大夢は贅沢な霧矢大夢の使い方でした。……ソロもダンスもないのか! と虚脱したくらい。
ジョン卿の役の方がストーリー的比重が大きいことは分かるのですが、見せ場や舞台上にいる時間、そしてショーで組む相手等考えると、ジェラルドでも美味しかったと思います。
また、仕方のないことですが、演技でカバーしてもマリアとの年齢差は覆しようがなく、カップルとして見るのは辛いです。二人とも単体では素晴らしい出来だったのですが、一人芝居でない以上、相手との相性が影響するのは仕方がないかと。
――もしや、ジョン卿って本当は組長クラスの役なのか?
月組は嘉月絵里も最早いないし、出雲綾も退団してしまうので、おじさん・おばさん役をどう消化するか、これからが心配です。雪組も相当若いと思っていたけれど、トップが最年長なんて事態にはなっていませんものね。79期が組長を勤めるなんて、早過ぎる! 今後の月組体制が、主演娘役の扱いも含めてかなり特殊なのはファン暦の浅い私にも明らかなほど。はて、この先どうなるのでしょう。

で、その美味しい扱いだったジェラルド@遼河はるひは……頑張って欲しい。
あの無駄に高い身長や低い歌声は好みですが、全体にレベルアップを要求したいです。
本日のジャッキー(役替わり)は城咲あい。この人は芸達者なイメージがあります。自分の土俵に役を持って来て勝負してました。

マリア公爵夫人@出雲綾はさすが。
少しお茶目な気のある憎めない夫人でした。歌パートがもっとあると役者の味は更に堪能出来たんでしょうけれど、ないもの強請り過ぎかしら。
パーチェスター@未沙のえるは、歌い始めるだけでウケが取れる、美味し過ぎる役。のえるさんはこの手の役が最高に巧い事は分かり切っていたので、組の生徒に演らせてみたかった気もします。
大きく個人的評価を上げたのはヘザーセット@越乃リュウ。コアな人気があるのは知っていたけれど、こういう役者だったのか、と開眼した気分です。逆に課題を残したのはランベスキング@桐生園加。殆ど台詞のない役とは言え、存在感がないのはどうなのかしら。他でアルバイト(役の掛け持ち)をしている時もまったく気付きませんでした。
……なんだかんだで、月組のことだと役者に対して色々要求過ぎますね。

衣装は召使いたちが可愛かったです。そのため、召使い中心の2場「調理場」は見ていて楽しかったです。
「ランベスウォーク」は曲だけ聞いていても名曲だとは感じていなかったのですが、生で参加したらとても楽しかったです。
2幕は全体的にどこも名シーン。ジャッキーとジェラルドが元鞘に収まった下りだけは少々意味不明というか、意味深長というか、要するにエッチでした。
フィナーレは、いつもの歌い継ぎ階段降りではなく、全員合唱のメドレーで、まるで宝塚でない普通の劇団のカーテンコールのようでした。そのせいで拍手タイミングが難しく、階段がなくても良かったと思ってしまったのは、いけないことでしょうか。

前評判通り、明るくハッピーなミュージカルでした。良い演目だから、月組にはこれからも大事にしてもらいたいです。

月組公演「マジシャンの憂鬱」SS。


「息苦しいんです。なんだか目眩もするような……」
 男はその理由を知っている。あと一つだけ、確証を得る事が出来たならば、その時、彼はすべてを告白しようと思っていた。
 女は鼓動を押さえ付けようと胸に手を当て、物憂げな眼差しを落とす。
「シャンドールさん、私……すみません。二日酔いです」
 ──恋はまだ始まらなかった。


月組東宝「ME AND MY GIRL」先行関係全部落ちました……。地味に凹んでます。
20日の一般前売り開始日が最後のチャンス。一回分は確保したいです。
大空祐飛不在だからと思って、無意識の内にチケットへの執着が薄くなっていたのでしょうか。
悔しいので、無理矢理ですけれどシャンドール氏にも残念な気持ちを味わってもらいました。ヴェロニカが緊張して息苦しいのは慣れぬダンスのせいと思いきや、実は気付かぬ恋心だったと言う展開は、私には絶対描けない世界。気恥ずかしいですし同手法は多数ありそうですが、綺麗に使われた例を見ると、良いなぁと自分でも手を出したくなります。