ファミコンのADV「サラダの国のトマト姫」クリア総評です。
思い出補正込みで、面白かったです!
コマンド総当たりタイプの古いADVですが、とにかくテキストが秀逸なので、そこまで苦になりませんでした。無意味な行動でも、繰り返すことでテキストが変わったりするので、色々試したくなります。
そしてこのゲーム、FCですがフォントが大きくかな漢字混じりの表記なので、携帯ゲーム機で遊んでも、文字を読むことが苦にならないのはありがたいと思いました。
登場するキャラクターが、基本的に野菜の擬人化というのも、いい味です。
特に柿っ八は「うっかり八兵衛」なキャラクターですが、愛嬌があって、非常にいいお供だと思います。システムの都合上、柿っ八に持たせた荷物の一部を章終わりに失うのですが、紛失理由が毎回違うため、段々と言い訳を聞くのが楽しみになりました。また、役に立たないと見せかけて、戦闘で戦っているのは柿っ八だったりしますので、どちらかというとキュウリ戦士の方が情けない(笑)。
そのじゃんけん戦闘も、死人が出ないという点で、子供向けの良いアレンジだと思います。単なるじゃんけん勝負だと運ゲーになってしまうけれど、基本的には事前ヒントがあります。そして「このヒントがなければ勝てないな」とも思わされることで、相手の強さを感じられました。
以降の章で必要なアイテムは失わないようになっていたり、金貨を落とすオクトベリーがランダム登場するなど、詰み要素も避けてあるし、細部まで練られたゲームだと思います。
前回書いたアップルリサの存在やレタス王子の血筋など、王室関係には謎を感じますが、その辺は大人のプレイヤー向けにわざと引っ掛かりを持たせているのかしら。
子供向けにしては、結構ストーリー的にはシビアな要素もあるので、色々考えさせられます。
唯一しんどかったのは、3Dダンジョンです。
凶悪というほどではないけれど、後半のダンジョンは結構広大なので迷いやすかったです。アイテム「方向野菜」があれば、向きは把握できるのでそこまで困る事態にはなりませんでしたが、手に入れていなかったら厳しかったのでないかしら。
ただ、ダンジョン攻略の辛さがあってこその冒険という気もしますので、ない方がいいとは思いませんでした。
なんにせよ、思い出のゲームのエンディングを見ることができて満足しました。