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本当は名前なんてただの記号かもしれない。AでもBでも、隣の誰かとは違う別の人間を呼ぶのに差し支えなければ事足りる。
(AKC「名もなき」抜粋)

と言っても、付ける方はそれなりに考えて名前を付けているのです。

先日「オリジナルキャラクターの名前をどのように付けるか」と言う要点の話が出たので、自分の名付け方について触れてみたいと思います。

基本的には、麻生流ネーミングは下記の要素のいずれかを含んでいます。

  • フィーリング
    語感でなんとなく。意味を後付けすることもある。
  • 意味
    名前に意味を含ませる。例:ロアン
  • 愛称
    呼びたい愛称から本名を決める。例:イヴ→レイヴ
  • 関係性
    先に名付けたキャラと合わせるor逆にする。
  • ネタ
    決められた法則で名付ける。

ネタ名前に関しては、例えばTOSのマーブル/カカオ/ショコラ家族のように、決められたカテゴリの名前を持って来る等も含みます。商業作品でも多いですが、干支由来で名付けるなんてことを私もしました。
また、全キャラの名前を「六面ダイスを振って出た回数分辞書を引き、ページの頭文字を拾って名付ける」と言う荒技を行ったこともあります。

では、実際にどういう考えで名付けているのか、名前決めの例をお蔵入り倉庫作品【FLAMBER】を例にとって説明しましょう。

【FLAMBER】でまず最初に名前が決定したのは、“オーナー”レイです。これは、

  • 性別を明かさない都合上、男女どちらでも違和感がない名前
  • 綾波レイのコスプレがハマっている

と言う点からフィーリングで決めました。他の候補案が出ない程、あっさり決まった記憶があります。

次に、“スタッフ”ハルが確定しました。
これは、キャラクターに明確なモデルが存在したため、そのモデルの名前から取っています。
この2人の名前で、【FLAMBER】のキャラクターは「カタカナ2文字」と言う名付け全体の方向性=ネタが決まりました。

これを踏まえて決めたのが“オーナーの兄”リオになります。彼は「関係性」重視の名前付けとなりました。
それは、既に決定したオーナーの名前「レイ」に対して、「兄妹らしく=似た傾向の名前にする」と言う点です。つまり、前述の「男女どちらでも違和感がない名前」にすることと、可能であればラ行+ア行で一層同一感を持たせたいと考え、この名前が登場しました。
もっとも、「ゲキレンジャー」が放映中でなければ、リオと言う名前は直ぐ出なかったかも知れません。

4人目にようやく決まったのが“主人公”ヒロこと高木宏文でした。これは「愛称」+「フィーリング」の名付けになります。
まず「カタカナ2文字」で日本人男性名として違和感がないものを考えた際、本名より愛称であるとした方が「主人公の独自性」が出て、その上で「周囲に溶け込んでいる感」もあると考え、愛称として「ヒロ」を採用。
後から、「ヒロ」に変化して違和感のない本名を考えた際、なんとなく宏文になり、なんとなく高木になりました。

最後に決めたのが“追加スタッフ”ミキです。彼女も「関係性」から決まりました。
それは、他のキャラクターが全員「ラ行」の音を持っていると言うことです。これ自体は意図していないことでしたが、そのような構造が出来上がっていることから、後から入った異物と言う印象を持たせる為に、ラ行は外すことにして名付けています。

このような形で、8割方「なんとなく」決めてます。
狙った通りの効果が出ているかどうかは分かりませんが、その辺は自己満足の部分もあるので、作品の空気を壊していなければ良いのかなとも思ってます。

本記事はFLAMBERその1その2第一話の続き。


 今より遡ること半年。
 その時、僕はお客さんを見送ったばかりで、受付で施術後の記録を書き留めていた。
 入り口に取り付けられているチャイムは鳴らなかったと思う。カットをお願いできますか、と声を掛けられて初めて僕はそのお客さんに気付き、慌てて顔を上げた。
 初めての来店だな、と直ぐに思ったのは、僕の物覚えが特別良いからでない。黒髪を背中まで伸ばしたそのお客さんが、一目見ていれば忘れないだろう独特の雰囲気を持った美人だったからだ。
 予約のない飛び入り客は、要望がない限り、手の空いている美容師が接客することになっている。つまり、僕が受け持つと言うことだ。
 希望を伺うと、お客さんははっきりと、こう言った。

「綾波にしてください」

 それが、オーナーと僕の出逢いだった。

【第二話 未知との遭遇】

 ――アヤナミ?

 芸能人には疎いんだけど、と女性雑誌に手が伸びたところで、天啓のように閃くものがあった。
 パチンコ店の壁に立ち並んだ、青い髪の少女。
「エヴァンゲリオンの、アヤナミですね?」
 お客さんの頭が軽く頷いた。間違ってはいなかったらしい。
 僕はとりあえず胸をなで下ろし、まずは洗髪のためシャンプールームへ向かう。
 この仕事に就いていると、‘ながら’作業が上達するもので、この時も口ではお湯加減など聞きながら、僕の脳は施術の手順を練り始めた。
 アニメ自体は見たことがないけれど、幸い有名なキャラクターだから、僕でも思い描くことはできる。イメージとしては前髪を下ろしたマシュマロボブ。内巻きにして、仕上がりは少し無造作ヘア風に崩した方が良いだろう。
 洗髪の終了と同時に僕の頭の中のイメージも仕上がる。お客さんをカットルームへ誘導し、早速カットを始めようとはさみを取り出したところで、僕はふと悩んでしまった。
 綾波の髪型にカットして欲しい、ではなく、綾波にして欲しい、と要望したお客さんだ。細かいことを気にしすぎかもしれないけれど、可能性が1パーセントでもある限り、僕はそれを確認するべきだと思った。
「あの、」
 声を掛けて、僕は言葉に詰まった。
 お客さんの顔は先程から真っ直ぐに鏡台に向かっている。けれど、その瞳は鏡の中から僕をじっと見つめていた。
 鏡越しに向かい合った視線の強さにたじろぎ、けれど意を決してもう一度問いかける。
「一緒にカラーはいかがですか? 綺麗な水色の粉があるんですけど」
 鏡の中の瞳が睫毛を一旦伏せ、それからゆっくりと持ち上げ直してもう一度僕を見た。
「合格」
 意味を僕が聞き返すより早く、お客さんは施術を始めるよう促すと、僕のはさみの音に合わせゆっくりと説明を加えてくれた。それは、新しいコンセプトの美容室を開設するので、スタッフになって欲しいと言う話だった。
 これはもしや‘引き抜き’なのだろうか。脳裏にそんな単語が脳裏に浮かんだが、自分の身に起こることと思っていなかったので、現実味が薄い。第一、引き抜き元の美容院の中で、仕事中に話すことがあるだろうか。
 僕は一瞬手を止めて周囲を見渡した。しかしお客さんとの適度なお喋りは業務の内だからか、特別この席での会話に注意している者はない。
「……どうして僕を?」
 強引に話を逸らすことも躊躇われ、結局僕は疑問を返した。
「第一は、アニメキャラの名前を言われて退かなかったこと。決め手は、客の髪だけ見るんじゃなく、どんな自分になりたいかって気持ちを汲み取ろうとしてくれたから」
 僕はなんと返して良いかわからなかった。
 この美容院は、スタイリストが自身の個性を表現することを重視している。デザイン料を取るには、僕のカットは個性が足りないと言われることもあった。
 でも僕は本当は、同じ個性を出すのでもお客さんの希望の方が、僕の主張よりよほど大事だと思っている。
 経営方針の違いと言ってしまえばそれだけだ。この考えを推奨してくれる店もあるのだと分かってはいた。けれど僕のやり方を見抜いた上で、口に出して認めてくれた人は初めてで、その時受けた想いはまるで言葉にならなかった。――たぶん、嬉しくて。
 だが、それと、話を受けることはまた別だ。
「ありがたいお話ですけど、僕、アニメとかよく知らないですし」
 エヴァンゲリオンが分かったのは偶然だ。
 僕より技術力のある美容師は万といる。きっとその中には、アニメに詳しい美容師もいるだろう。
 けれど、返ってきたのはシンプルな回答だった。
「詳しい必要はないよ」
 僕の為に話を合わせているのでなく、本当にそう思っているようだった。
 僕の脳がほかの文句を思い付くよりも、僕の手が施術を終える方が早かった。仕上がりを鏡に映して確認してもらう。お客さんから不満が出ることはなく、それは良いことなのに、僕は困ってしまった。
 結局カラーはしないとのことなので、僕とお客さんの接点もこれで終わってしまう。
 まだ、返事をしていないのに。
「仕事終わるの何時?」
 ふと、お客さんが問うた。それはカットの出来映えについて語るのと同じ調子で、僕も正直に業務時間を答えていた。
 時計が一瞥される。
「駅前のスタバで時間つぶしてるから、気が向いたら来て」
 まるで道端で再会した旧友が飲みに誘っているような気安さに、思わず頷きかけた。だが、お客さんは友達でない。
「気が向いたらって……」
 どう答えれば良いものか分からず、語尾は曖昧に消えた。
「詳しく話をしたいから、待ってる。でも待ってるのはこっちの勝手だから、好きにして」
「好きにって……」
 お客さんの言葉をそのままオウム返しにしていることに気付いて、僕は口を噤む。間の抜けたやりとりを、けれどお客さんは笑うことなく、つまり、と言い換えてくれた。
「身の危険を感じるなら来ないこと」
 大人なんだから、判断できるでしょ。
 そう言い置くとお客さんは会計を済ませ去ってしまった。
 戸惑う内にもやがて日は暮れて、閉店の時刻になる。掃除、ミーティングと目の前のことに没頭しているうちに、お客さんに伝えていた時間は過ぎていた。
 夕飯を食べに行こう、と誰からともなく声がかけられる。常ならば僕に断る理由はないのだけれど――
「約束があるので、今日は失礼します」
 一礼して、僕はジャケットを掴むと駆け出した。
 果たしてこれが大人の判断なのか、自信はない。ただ、後悔のない選択のためならば、僕は子供のままでも良かった。
 足早に辿り着いた駅前のスターバックスの扉を開く。相手を探す必要はなかった。まるでタイミングを知っていたように、僕がカットしたマシュマロボブ――否、綾波カットの頭が振り向いて、口元を綻ばせた。
 その笑みが天使のものだったか悪魔だったかは、今も僕しか知らないことである。


今回のネタは判り易くエヴァンゲリオン。
冒頭のシーンありきで書き出した為、なかなか纏まらず苦戦した跡が残っています。

本記事はFLAMBERその1その2の続き。

今回は倉庫の役目を超えて、実際にサイトで公開していたストーリーを以下に収録しました。


【第一話 ザ・ライトスタッフ(あっ軽い人々)】

 某駅のロータリーから伸びる大通りを真っ直ぐ進み、二番目の交差点を右折して左手にある細長いビルの三階。
 美容室フランベルは、そんな場所にひっそりと存在している。

 現在、フランベルに所属する美容師は二名。
 一人はこの僕、高木宏文、通称ヒロ。
 平凡な人生に降って湧いた晴天の霹靂により、長年勤めた関東圏チェーンの美容院を退社。この春、立ち上げと共にフランベルへ移籍して早一ヶ月が経つ。新しい職場には慣れたし、有難い事に指名予約されることも増えてきた。
 今も、急遽予約が入ったとの連絡があり、ランチから戻ったばかりだ。休み時間を十分程切り上げることにはなったけれど、僕の足取りは軽い。勿論、指名料が貰えるという、僕のお財布に嬉しい副産物もあるけれど、指名予約はお客さんからの信頼の証。美容師としてこれほど名誉なことはないからだ。
 スタッフルームの扉を開くと、昼の陽射しが一瞬視界を白く塗りつぶした。
「あ、ヒロくん!」
 僕を迎えてくれたのは、アシスタントのハルだ。
 直ぐさま、出力したばかりだと分かる、熱を帯びた紙が渡された。
「はい、次のお客さんの資料です」
 カルテ――顧客管理をしているお店ならどこでも見掛ける、お客さんの髪質や接客の希望などを記録したデータだ。
 但し、フランベルの顧客カルテは、普通の美容室と大きくことなる点がひとつある。例外なく、アニメ系キャラクターのコピーが添付されているのだ。
「お客さんは‘合わせ’。双子キャラなんですよ。二人一緒にヒロくんご指名でカットとカラーのご希望です。イベントは明後日なので、セットのレクチャーもお願いします」
 美容師としてはそこそこ経験を積んだつもりだけれど、アニメを見ない僕にとって、ハルから与えられる情報はとても貴重だ。メモを書き留めながら耳を傾ける。

 そう、美容室フランベルは、アニメやゲームなど、架空のキャラクターになりきって楽しむコスチュームプレイを専門に扱う美容室なのだ。

 お客さん同士が同じ作品やキャラクターで揃えることを‘合わせ’と言い、特に店側の決まり事はないのだが、お客さんからの要望で一人の美容師が担当する事が多い。
 僕が‘合わせ’のお客さんを受け持つのは、今回が初めてのことだ。少しばかりの緊張を持って、キャラクターの確認をする。
 カルテの中から僕に微笑みかけているのは、双子という通り、同じ顔をした二人の――
「これ、男? 女?」
 お客さんは女性だったけれど、コスプレ対象が同性のキャラクターだとは限らない。間違いがないように、と至極真剣に聞いたつもりが、応えは吹き出す音だった。
「やだなぁ。どっから見ても男の子ですよ!」
 僕の疑問は、ハルの‘ツボ’を刺激したらしい。一番遠いシャンプーフロアまで聞こえそうな声で大笑いされてしまった。
 仕方なく、僕は余白に男の子と小さくメモをする。キャラクターの性別は、今ひとつ確信が持てない。年齢に至っては、難問過ぎてお手上げだった。
 でも、技術的なことは僕だってプロだ。資料を捲る内に、イメージが出来上がっていく。
 前髪は眉より上で揃えて、サイドは長めに。頭頂部から後頭部にかけては、レイヤーカットで髪に動きを持たせる。襟足は刈り上げたいところだけど、女性だからUピンで押さえるくらいが良いだろう。カラーは赤みの強いブルーベースのブラウンを用意。眉毛カットもした方が良いだろうか、などと組み立てていく内に、ある箇所が目に留まった。
「二人の差は髪の分け目の向きしかないみたいだけど、どっちがどのキャラクターって決まってるのかな」
 笑い止んだハルは、今度は唸りながら僕の手のカルテを覗き込むことになった。
「決まってたはずなんですけど、え−と……」
「向かって右分けがヒカル、左分けがカオル」
 僕らとカルテの三者で顔を見合わせていたところに回答を持って現れたのは、フランベルに所属するもう一人の美容師にして、この店の経営者(オーナー)レイさんだ。
 オーナーは入口を塞いでいた僕らの間を通り抜けると、コーヒーメーカーにカップを置いて、スイッチを入れた。指示を与えられた機械が豆を挽き、豆の香りを漂わせ始める。僕らへの指示がその後であるのは、何時ものことだった。
「あと、二人の髪色はピンクと青にする可能性もあるから、念のため粉用意しておくと良いんじゃないかな。なんにせよ、お客さんとよく相談して」
 キャラクター個別のイメージを重視するか、二人でシンメトリーを作る事を重視するか、‘合わせ’方はお客さん次第だから、と言うことらしい。
 それにしても。
「よくご存知ですね」
 僕が感心すると、オーナーはコーヒーメーカーから顔を動かさないまま、視線だけを一瞬ハルへ向け、口の端で小さく笑った。

「ハルとは違うのだよ、ハルとは」

「わーん、イジメだ」
 ハルは僻んでみせるけれど、それがポーズだと言うことを僕らは知っている。
 それに、同じキャラクターについて教えてもらう場合でも、オーナーとハルでは確かに切り口が違うので、どちらの意見も僕にとっては重要だった。
「ところで、さっきの台詞もなにかのキャラクターですか?」
 珈琲の注がれる軽快な音が、僕とオーナーの間を通り過ぎていった。
「……いや、別に」
 十分過ぎる間を持っての応えは、いつも通りのオーナーの調子だ。感情の起伏を表に出すことは滅多にない。代わりに、ご注進、とハルの肘が僕の脇腹の辺りを突っつく。
「ヒロくん、あれ嘘だからね」
 マグカップの底に隠れて、表情はよく見えなかったけれど。
「僕もそれはわかるなぁ」
 もっとも、オーナーは僕らがどう思おうと、意に関せぬ素振りを崩すことがないのだった。
 不意に、受付フロアから、ちりん、とドアベルの鳴る音がする。僕らは再び顔を見合わせた後、慌ててスタッフルームを飛び出した。

「いらっしゃいませ!」


触れているキャラクターは桜蘭高校ホスト部。ヒカルとカオルの髪は、最近また色が変わったので早くも内容が古くなってますが……
「ハルとは違う〜」の台詞は勿論、ガンダムです。

本記事はFLAMBERその1の続き。

完成は2話まで、展開が出来ているのは8話まで。9話は扱うネタは決まっているが内容は未定。
タイトルは必ず何らかのパロディになっている。

第1話 ザ・ライトスタッフ
コスプレイヤー向け美容室FLAMBERには、今日もいろんなお客さんがやってくる。
一方、迎え撃つスタッフは正にあっ軽い人々であった。
FLAMBERにおける非日常な日常を描く。
(THE RIGHT STUFF=正しい素質を、LIGHTに置き換えてあっ軽い人々と読ませるのはパトレイバーから)

第2話 未知との遭遇
「綾波にしてください」
ある日現れた一人の客がヒロの運命を変えた。
オーナーとヒロの出逢い、FLAMBER始まりの物語。
(同名映画タイトルより)

第3話 その男、非常勤スタッフ
もう一人のスタッフ、リオ。
オタクと、非オタクの間に果たして相互理解はあるのか?
FLAMBER内の人間関係が紐解かれる。
(リオ登場&ミキ登場の伏線回。「その男、〜」と言うタイトルは「凶暴につき」がハシリなのだろうか)

第4話 新人襲来
人手不足のFLAMBERへ、遂に新人スタッフがやってきた。
ところがこのスタッフ、オーナーの予想を越え、とんでもない方向に力を発揮する……?
それは、FLAMBERが迎えた一つの転機だった。
(ミキ登場回。メモがないが恐らく「アスカ襲来」のつもり)

第5話 コミケがきた!前編
夏の祭典到来を前に、FLAMBERスタッフ内で対決勃発!
ハルとミキの終わりなき戦いへ、オーナーが出した結論とは。
――夏はまだ始まったばかり。
(前編は、コミケ休みを取りたいハルとミキの休暇取得戦争。オーナーの哲学「道楽を仕事にしてるんであって、道楽で仕事してるわけじゃない」が炸裂。タイトルの「〜がきた!」も個人的にパロの基本)

第6話 コミケがきた!後編
夏、真っ盛り。

第7話 ぼくのなつやすみ
夏休み最後の日、ヒロはオーナーに連れられ、初めてのイベントへ参加する。
そこでヒロが見たもの、FLAMBERで働く意味とは。
店内を離れた番外編的なお話。
(夏休みのお話だからと言う安直な理由で、同名ゲームタイトルより)

第8話 愛あればこそ
FLAMBERでクレーム発生!?
(主題はクレーム処理だが、扱うネタがヅカの回なので代表作「ベルばら」より曲名)

「コスプレ専用美容室【FLAMBER】フランベル」は、2008年AKC用エイプリルフール企画で一定期間公開した作品名。未完。

ストーリーは1話完結型。第二話を除き、時系列に展開する。
裏コンセプトは連載漫画。実際に画力があれば漫画で描くところを、なるべく軽い文体で漫画風に読めるお話とすることで表現。
内容は、いわゆる「オタク文化」題材物だが、それ自体の善悪は決して論じない。

タイトルの「FLAMBER」は架空の美容室名。コスプレ専門を謳い、なりきりを完全にコーディネート。イベント用の崩れないセットから、撮影用の細やかなセットまで、ニーズに合わせて提供する。
店内には撮影用スペースがあり、予約制でプロカメラマンによる撮影コースも用意。

以下、スタッフ紹介。

▼ヒロ
主人公。FLAMBERの美容師。
真っ当な美容院で働く至って普通の青年だったが、オーナーにスカウトされ、FLAMBER立ち上げから道を共にする。
FLAMBERで働くようになった後も、必要以上のオタク知識を持たず、それゆえの天然ボケでお客さんやスタッフに愛されたり、偶にダメージを与えたりする。

▼レイ
FLAMBERのオーナーにして美容師。
元々自身がコスプレイヤーであり、趣味が高じて脱サラ後、FLAMBERを経営。但し、スタッフ側がコスプレをする美容室と間違えられる事を嫌っている為、FLAMBERを立ち上げた後はコスプレを止めている。
多趣味でサブカル全般に詳しい。
オタク趣味を隠さず生きていて、且つ非オタクから見てその姿勢が格好良くも見える、と言う夢設定のキャラクター。主人公とは別の意味で「ヒーロー」役。性別は作中では触れず、確定できる書き方をしない。但し2話から推測出来る通り、設定上は女性。

▼ハル
FLAMBERのマネージャー。受付、洗濯、スケジュール管理等の雑務を一手に引き受ける。
オーナーとは大学で知り合ったオタク友達で、留年や卒業の危機を助けてもらって以来、頭が上がらない。
現在は美容師を目指し、養成施設の通信教育を受けている。

▼ミキ
4話以降登場のFLAMBERのメイクアップアーティスト。
人手不足のFLAMBERを救う即戦力として採用された新人。
元々オタク文化とは縁のない生活をしていたが、ヒロと異なり、FLAMBERに勤務し始めてあっという間に染まってしまった後天的オタク。
物語ではトラブルメイカーとしての役割も持つ。

▼リオ
FLAMBERの非常勤スタッフ。
オーナーの実兄。商業写真のカメラマンが本業で、FLAMBERには予約が入った時だけ写真を撮りに来る。
冷めた性格で、オタクに対する偏見はないが、興味もない。