宝塚宙組「誰がために鐘は鳴る」16:00回観劇。
今回の公演期間中唯一の2階A席(そもそも3回しか観る予定がないのですが)。
演出が平面的なので、二階で観たら退屈かも知れないと覚悟していたのですが、音の響きが良く、前回前評判ほど感心しなかったエル・ソルド@風莉じんがパコを諭す歌と、七瀬りりこのバレンシア幻想に聞き惚れました。勿論、祭りの歌手@百千糸は今日も絶好調でした。
また、照明が木漏れ日を表現していたり、ラストの光が集約するところなど、綺麗な動きをしていると思いました。
一週間前の観劇で気になった演出の一つに、伝令へ行くアンドレスとルチアが、舞台脇で鳴子を跨ぐ芝居をしてから本舞台へ移動し、その後歌いながら先程跨いだ鳴子があった筈の空間を通って銀橋へ行くという動きがありました。別の道のつもりなのでしょうが、特に背景が変わるなどの配慮もないので「鳴子はどうした!」と突っ込みたくなるものでした。
それが、今日は二人が銀橋へ出ず、本舞台に立ったまま歌ってそのまま逆の舞台袖へ引っ込む形に変更されていました。
東京公演が始まって折り返しを過ぎた今、まだ演出変更が入ることには驚きますが、変更されて本当に良かったです。
また、単に一度観て慣れただけかも知れませんが、前回テンポが悪いと感じたマドリード回想が巧く切り替わって見えたので、一幕の演出はさほど気にならなくなってきました。
二幕の結婚式の幻想とアグスティンの歌は相変わらず浮いてるのでがっかりしましたが、あるいは三回目はここも納得しちゃったりするんでしょうか。
変更かミスか分からなかったのは、橋の爆破直後アンセルモが死ぬシーンで、撃たれたエラディオの名を呼ぶピラールの声が聞こえたこと。前回は聞いた覚えがありません。偶々マイクが入ってしまったのか、演出変更で入れたのかな。
ここに関しては、別の音が聞こえると舞台上の芝居を阻害するので、マイクは入れず、注意していると微かに聞こえる程度の方が良いのではと思いました。
主要な役に関しては、印象はあまり変わらず。
今日はゲリラの面々になるべく注意して観劇したので、ゲリラ隊の面々の心境の変化などはだいぶ理解できました。風見鶏のように変わるパブロの言動も、第一日目にリーダーを降りる件以外は分かってきました。
以下、簡単に。
エル・ソルド隊が全滅するシーンで、今日は耐えられると思ったら、アンセルモ@珠洲春希が完全に真っ白になってしまった表情で膝を着く姿に泣かされました。
伝令を受け取るシーンは、思い切ってデュバル参謀長@天羽珠紀のみを観たところ、台詞がないところでも将軍との会話に合わせてしっかり演技していて、焦りや絶望が良く分かりました。
ラファエル@悠未ひろが、明るいムードメーカーから、どこか胡散臭い空気のあるジプシーに変化したように思います。原作だと下ネタ男なので、その辺を盛り込んで来たのかしら。
エラディオ@春風弥里は、いつも周りの人を伺っていて小物っぽい反面、一番パブロに性質は近いんじゃないかなと感じました。この人の「眼」が語る演技が好きです。
自分でも不思議ですが、やはりディエゴ@鳳樹いちの顔が好きですね。
そしてルピーノ@七海ひろきは男前だと再認識しました。こんなハンサムな彼に次回公演で女役を演らせて大丈夫なのでしょうか?
ロケットで気になる美男子を見付けました。最初、蒼羽りくだと思ったのですが、今回ロケットに参加していないようなので、七生眞希かな? まだ役が付きそうにないけれど、ちょっと注目したい下級生ですね。蒼羽自身は、結婚式の幻想で確認できました。
誰だか分かりませんでしたが、ブーケを獲得した男の子が、照れた顔で隣の女の子にあげているのが可愛かったです。
蘭寿とむ、天羽珠紀が若干声枯れするところがあり、重い芝居でがなる事もあるので大変だと思いますが、どんどん全体の演技が深まってる良い印象があったので、最後までこの調子をキープして頑張って欲しいです。