劇団☆新感線の代表作「髑髏城の七人」アカドクロ版をDVD鑑賞。
http://www.akadokuro.jp/index.html

八百屋舞台の上で立ち回りに次ぐ立ち回り! 出演者は大変ですね。
全体の印象として、アカドクロ版の登場人物は泥臭いですね。血と汗と涙が混ざった体臭がしそうな、ダークファンタジーの中のリアル感。それが、無骨な格好良さを生んでいると思いました。
中島かずき氏の脚本は、多数の役に無駄がなく、各所で広げた要素をラストをキチンと収めるプロの技を見せてくれました。ハッピーエンドなのも良かったです。
また、映像としては劇シネ用カメラによる素晴らしいアングル編集も然ることながら、舞台上の照明効果が見事でした。

以下は、個々のキャストに対する簡単な感想です。

捨之介&天魔王(二役)@古田新太は、悪役の天魔王が新鮮でした。
兵庫@橋本じゅんは、「五右衛門ロック」同様のコミカルな役所。芸達者なので、安心して観ていられますね。
でも実は、「七人」の中では三五@河野まさとが一番好きでした。一番「七人」になる理由が薄くて、一番役にも立たなくて、いなくても良さそうなキャラなのだけれど、何とも言えず可愛いです。
狸穴二郎衛門@佐藤正宏は、見事な狸親父でしたね。丁度宙組公演と時代設定が被ってることもあり、序盤で正体に気付きましたが、無茶な展開なのに「有り得るかも」と思えるのが面白かったです。

それから、女性陣3人。
中島脚本に出てくる女性は、逞しさと、尽くす面があると思います。そのそれぞれの面を色濃く持っている3人でした。
沙霧@佐藤仁美は、感情の動きが自然でした。美人ではないけれど、なんだか憎めない応援したくなる印象でした。
蘭兵衛@水野美紀は、人気のありそうな中性的な役ですね。ところどころで「女」を出した演出だった分、普段はもう少し男っぽい方が好みだったかも。
演出の変更部分抜粋映像では、蘭兵衛が白い花を持ち歩いている形になっていました。花を出しながらの立ち回り芝居は大変そうだし、あの状況でいつも綺麗な状態の花を持っているのは変な気がするけれど、ラストシーンは花があった方が綺麗に終ってると思います。
極楽太夫@坂井真紀は、とにかく凄く可愛い。登場時の色町メイクはチークがキツくて如何なモノかと思いましたが、中盤以降の雑賀衆衣装は「格好可愛い」路線で似合っていました。

邪鬼丸@山本亨は見事な悪役面ですね。印象に残る役者でした。
注文をつけるとすれば、磯平@磯野慎吾の登場シーンはやり過ぎだと思います。私の笑いのツボとは外れているので、そこだけ気持ちが引いてしまいました。DVD収録の部分でも長過ぎるくらいで、公演回数が進むに連れて長くなったバージョンに至っては内輪受けに感じました。
キャラの印象作りなら、贋鉄斎@梶原善のような洒落た形の方が好きです。この人は、存在感はあるのに舞台上にいても五月蝿くない。役者ですね。
あと、着ぐるみの猪が凄く円らな瞳で可愛かったです。あれはペットにしたい!

7年毎に公演されてきた「髑髏城の七人」。
今年、2011年版は捨之介と天魔王が別キャストです。一体どういう展開になるのか、楽しみですね。

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