有川浩「図書館戦争」
【あらすじ】
笠原都は、高校生時代に良化機関の検閲から守ってくれた「王子様」を追い求め、図書館の防衛組織「図書隊」に入隊した。愚直な生き方で上官や同僚と衝突しながらも、図書特殊部隊で自分の居場所を作り上げて行く。
題名通り、本当に図書館で戦争をしているお話でした。
展開は思った通りに進み、あっと驚くどんでん返しもありません。でもキャラクターの立ち具合と掛け合いの面白さでちゃんと最後まで引っ張っていました。 手軽に読めて、読了感も悪くありません。
都の猪突っぷりは、さすがにこの歳になると気恥ずかしく感じますが、初志貫徹で突き進むところは見習いたい若さでもあります。
個人的に興味深いのは、手塚ですね。一足跳びに「付き合わないか」と提案してしまう辺りで、なんだか好きになりました。
なお、未見ながらノイタミナでアニメ放映していたということで以前からタイトルは知っていました。
今になってアニメ公式サイトを見て来たのですが、堂上教官はこんな若い設定だったんですね。30代だと思い込んでいたんですが、作中で年齢は明記されていたでしょうか。普通にイケメンで、思わず笑ってしまいました。
今や、「メディア良化法」をデタラメな設定とは言えない世の中ですが、発表当時に読んでいれば、もっと娯楽作品として楽しめたのかも知れません。