以前アーデリカについて語っていたキャラトークを、過去日記からサルベージして加筆修正しました。

 決して裏切らない奇跡を、彼女は愛した。
 ――未発表作「陽の娘」より

強いようで弱かったり、人懐こい性質でありながら協調性はなく、明るく振る舞うけれど思考回路は暗いなど、アーデリカもまた、院に通う者たちらしく矛盾と欺瞞に満ちた人物であることは間違いありません。
もっとも、一本気で明朗な性質の彼女が複雑な内面を抱えるようになったのは院に来てからのことです。
その理由は、院の姫候補として選ばれたという点にあります。
逆に言えば「騎士を志す姫候補」となったその日から、院での彼女の物語が始まったと言えます。
抱えていた問題が院で問題が氷解していく他のキャラの物語と違い、院で初めて課題を突き付けられた彼女が、どのように変質し、最終的にその思考の連鎖から脱出するのか、院に別の側面からスポットを当てることでしょう。

以下、作り手側の事情としては……
もともと、ヒロインポジションの女性キャラが不在だった初期稿に、脇役から繰り上がる形で抜擢されたのがアーデリカでした。その為か、メインキャラの中では一番設定作りの甘いキャラクターのまま、今日まで来ています。
設定的には「勝ち気ヒロイン」の基本を押さえているつもりなのですが、可愛い女の子として描写できない苦しみが常につきまとっています。
もう少し性格が丸くなるだけで、もう少し言葉の端々が柔らかくなるだけで、ぐっとヒロイン度を増すと思うのですが……
そうなったらリカではないかな、と思わせるのが奇妙なキャラクターであります。

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