支倉凍砂「狼と香辛料」

【あらすじ】
行商人ロレンスは、豊作の神・賢狼ホロを名乗る少女と出会い共に旅をすることになる。ある時、通貨売買を持ち掛けられた2人は、裏に隠された陰謀を見抜き、ライバル商会に情報を売り付けるのだが……

いまさら有名ライトノベルを読んでみるシリーズ、第2弾。
「狼と香辛料」シリーズは電撃小説大賞(銀賞)受賞作。全17巻完結済。

「ホロが可愛い」と聞いていましたが、確かに可愛いです。しかし、主人公のロレンスもちゃんと仕事ができる男で、ホロの存在感に負けない、良いバランスの2人でした。
2人の舌戦というか、夫婦漫才的な会話が秀逸。
ラノベでは珍しい経済ネタ。と言っても作中で易しく説明されるので引っ掛かることはありません。
私の好みとしては、変に身の丈に合わない冒険に首を突っ込んだりせず、ロレンスの仕事(行商)の範囲で物語が完結しているのが非常に良かったです。
キャラクター数は少ないし、なかなか物語が動かないので、少し退屈という意見もありそう。私も、金持ちの夫婦と出会った教会の辺りでは「キノの旅」のような淡々とした短編構成かと早合点しました。

非常に練られた構成で、よく出来た物語。その上、魅力的な主人公とヒロイン。パッと見た感じ、文句をつけるところが見当たらない作品でした。
難癖をつけるとしたら、綺麗にまとまり過ぎていて、折角ラノベを読んでいるのに勢いがないという点ですかね。

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