宝塚宙組トップコンビ退団公演「華やかなりし日々/クライマックス」15:30回(東京初日)を観劇。
今回、大劇場まで遠征できなかったため、本日が初見です。

初日には何度か足を運んでいる筈ですが、初めてカウントダウンチケットを受け取りました。組長の「669日前の今日」という説明に、客席が笑っていたのが印象的でした。なんの数字の区切りでもないじゃん(笑)。

芝居「華やかなりし日々」は、キャストへの宛書き脚本で愉快な軽い話で楽に観られますが、言い方を変えれば薄くて辻褄が合わない。
例えば、ニックがキャサリンにイミテーションの宝石をプレゼントするエピソードは、詐欺を発覚させる手掛かりとして必要だと分かっているのですが、女性の視点からしたら恋人に対する愛情に欠けているのでなぜそんなことをしたのか理解できません。
ボスであるロナウドも、幼馴染みのロイに関する行動が主役としては問題ありで気になります。ロイの名前を呼んだので、ロナウドは暴漢=ロイだと認識しているんですよね。とすれば、警察に掴まったロイが自分の正体を喋る可能性があるのに、ジーグフェルド相手の詐欺に勤しんでいる時点で、どこが知能犯なのかと……。
それと、舞台機構好きとしては盆やセリが動かなかったのが不満でした。暗転が多過ぎる。大劇場デビューの演出家が舞台機構をフル活用するのって難しいのかしら。
人物の書き込みが少ないのも残念。七海ひろきは役の出番が1場分だけとか、終演後に慌ててプログラムを買って驚きました。ジョージ・ホワイトがアンナを連れて公演開始前にフローレンツに嫌味を言いに来るとか、なにか少しでも人間関係を広げることが出来そうなのになぁと思います。モブであと2場出てたので、前回雪組の沙央くらまよりマシかも知れませんけれど。
作品全体の雰囲気は、お洒落で小粋な感じでした。

ショー「クライマックス」は、クライマックスの連続という作品紹介がされていましたが、同じ三木先生演出の花組ショー「カノン」よりは緩急があると観じました。
映画「羅生門」(芥川龍之介「薮の中」)のように異なるパターンの殺害シーンが描かれる「ローズ・ラメント」以外はどの場面も好きです。何といっても、衣装が美しいのでストレスなく観ていられます。オペラグラスを使う暇がないくらい展開も派手で楽しかったです。
プロローグのコロスの素晴らしいコーラスで、とにかく掴まれました。
「ハスラー」で、下手から階段の手すりを滑り降りてくる娘役3人に密やかなエロスを感じてドギマギしました。
「ローズ・ラメント」は、最初は期待させられたのですが、殺害シーン3回目以降はシュール過ぎて笑ってしまいました。あんなにテンポ良く殺し合われると、喜劇になっちゃうんですね。意図がもっと伝われば格好よく感じるのかな。
なお、ロケットでハプニングがあり、衣装の首元が外れたまま踊っている子が1人いました。幸い、胸が露になることはなく、最後まで笑顔でした。あと、1人ちょっと転んだのかな?と思われる瞬間がありました。

チケットが完売済みで生で観られる機会は限られているため、一回一回を大切に千秋楽まで追いかけたいと思っています。

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