宝塚宙組「華やかなりし日々/クライマックス」18:30回を観劇。
舞台上の生の大空氏、見納めです(ラストデイは中継参加)。

公演初期より、どの生徒も役や歌を自分のモノにして巧くなっているのが目に見えて分かりました。生の舞台の面白さを改めて実感です。
特にショーのワンシーン「ローズ・ラメント」は緊張感が一層張り詰め、私の笑いたくなる気持ちも消えました。総踊りになってからは長過ぎるとは思うけれど、好きな場面になってきました。
あと前回書き忘れましたが、星吹彩翔がロケットダンスの時に女性的な動きをしていたので驚きました。いつもは男っぽく直線的に踊っていましたが、ロケットは少女の雰囲気を出す為に軟らかい曲線の動きで踊るようにしているのかと思いますが、だとしたら凄い役者ですね。

黒燕尾で揃えた男役の群舞の頂点に立つ大空氏を観ながら、男役としてここまで極めたか、と思いました。
ファンゆえの特別視だ、との指摘は甘んじて受けます。
実際、オフの素顔が男らしいとは思わないし、彼女より「野郎っぽい」と感じる男役も存在します。
なにより、ミュージカル俳優としては歌唱力やダンス力など諸々のスキルが不足している人だと何度も思い、書いてきました。
けれど、あらゆる男役の系譜を飛び越えた自分だけのスタイルを作り上げたのは間違いありません。
ダンスが巧い生徒は何人もいるのに、黒燕尾の群舞で一番美しかったのは彼女でした。恐らく、男役として自分を最も美しく見せる型がある。それは、指先、視線の動きと言った細かいポイントの積み上げなのかもしれませんが、その20年かけて探求し続けた結果を、いま実際に目の当たりにしていることに感動させられたのでした。

……そう思わされるあたり、この人は観客に勝手に妄想を抱かせる「余白」作りも巧い人だったなぁと思います。

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