氷室冴子著「クララ白書」

【あらすじ】
中学3年生から学校附属寄宿舎「クララ舎」に入った桂木しのぶは、編入生の蒔子と菊花と友情を育みながら、学園生活を繰り広げていく。

ライトノベルの古典。
携帯電話やパソコンは出て来ないけれど、古さを感じさせない瑞々しさで、普通に現代に置き換えて読むことができます。
吉屋信子的「少女小説」の要素を現実的に描いて万人向けにしたのが昭和後期の「クララ白書」、そこから逆にリアリティを除いてファンタジー化したのが平成の「マリア様がみてる」でないかな、と作品から時代の移り変わりを感じました。

メインキャラは今読むと典型的な造形に感じますが、サブキャラがいい味を出しています。個人的には、生徒会会長の三巻と大学生の光太郎さんが好き。有馬美貴子のニックネームが「有間皇子」というのも、知的で良いですよね。

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