野崎まど著「小説家の作り方」
【あらすじ】
若手作家・物実は、ファンレターを送って来た美少女・紫から「『この世で一番面白い小説』のアイデアを閃いたので、小説の書き方を教えて欲しい」と頼まれ、個人教授を始める。
この作品は、ぜひネタバレなしで読んで頂きたいと思いましたので、詳細解説は避けます。
中盤までは長閑で淡々とした展開なのですが、ある時点から「え、そうきたか」と思わず呟きそうになるくらい、急展開になって驚きます。が、同時に納得もするのは、張り巡らされた伏線が巧いからですね。
謎が解き明かされた瞬間、伏せられていたカードが頭の中でバタバタと表に返されていくような面白い感覚がありました。
物語の着地点は予想とまったく違ったけれど、これしかないと思えます。非常に、無駄の少ない作品でした。
結局、このお話の中で皆が目指している「世界一面白い小説」はまだ存在しないのですね。早く読んでみたいなぁ。