サマセット・モーム著「夫が多すぎて」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
戦死した夫の友人と再婚した美女ヴィクトリア。ところが、戦死は誤報で夫が戻ってくる。ヴィクトリアとの結婚生活にうんざりしていた夫2人は、自己犠牲的精神を装ってお互いにヴィクトリアを譲り合おうとする。ヴィクトリアは大金持ちを射止めて2人と離婚し、三方が丸く収まる。

3幕ものの戯曲。
1幕はヴィクトリアが自分の妻だと思っている1人目の夫に再婚を伝えるところ、2幕はヴィクトリアの奪い合いに見せかけた譲り合い、3幕は離婚裁判に関する風刺が山になっています。
ストーリーも登場人物もシンプルでコンパクトなお話でした。

翻訳物の喜劇戯曲は、傑作と謳われている作品でも、台詞だけ読んだだけでは面白いかどうか私はいまいち実感できません。コメディ作品は、演じる俳優の力に左右される部分が大きいと思うからです。
しかし、本作では、妻の自己中心的な我が侭にうんざりしていた2人が、「友情」と「愛情」で誤摩化しながらお互いに妻を押し付け合う2幕はウィットが利いていて、ト書きならではのリズム感もあって面白かったです。
逆に、3幕は当時の風俗が影響するので、現代日本人が当時の民衆と同様に嘲笑できるか微妙ですね。離婚裁判のため、夫の浮気相手を弁護士が用意する(しかもそれを専門に請け負うご婦人がいる)という辺りなんかは、協議離婚がない国だけあるなと興味深く感じましたが。

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