クリアしました。
プレイ時間は約20時間弱。時間だけ見ると短いけれど、1つの大陸の中をじっくり回ったので、実際の時間以上に濃厚な体験をした気がします。

もう少しレベルを上げて余裕を持って最後の戦いに挑むつもりが、ひこのいるエリア付近に近付いたら自動イベントが始まり、そのまま最後まで三連戦で進んでしまいました。
結果、カイエスの防具が「不思議なビスチェ」のまま黒竜を倒してしまった……。
黒竜は、体感としては弱い部類でした。正直、道中の雑魚戦の方が緊張したかな。
最終セーブ時点のレベルは、カイエスLv.51、シノブLv.49。素早さと回避を重視した装備構成にしていたのが、結果として功を奏した気がします。

終盤、ちょっと分かり難いところが多かったので戸惑いましたが、多くは語らず、プレイヤーの想像に任せるEDはとても良かったです。
最後のイベント演出は「これがラスボスか!」と一瞬燃えたので、できれば攻撃コマンドを入力したかったですね!
スタッフロールは、ちょっと唐突な挿入でしたが、カイエスがこれまでに斬った敵の回想でもあるわけですね。ただ、開発者の多くが本名でなくペンネーム掲載なので、変な名前を発見しては微妙な気持ちになりました。せっかくの演出が、勿体なかったなぁ。

ということで、総評。

さすがに面白かったです!
久し振りに、日本製らしいストーリー1本勝負のRPGを遊んだ、と思います。
人間同士が足を引っ張る嫌な部分を何度も見せ付けられる上、破滅の気配に満ちていて、お世辞にも楽しいお話とは言えません。重厚なダークファンタジーです。
しかしシノブとカイエスという2人の主人公が、最初から最後まで凛とした姿勢でいるので、決して暗いだけの印象でもありませんでした。

忘れられないのは、第一の封印が解かれて以後、ずっと感じる黒竜の強大な存在感。
封印されている設定上、最後の戦いになるまで姿は見せないのですが、却ってその露出の少なさが、黒竜が復活したら世界は破滅するのだ、という恐ろしさをプレイヤーに実感させていたと思います。

同じ町を何度も往復させられるお使いが多いとか、次に何をすれば良いのかヒントが急になくなって進行不能バグを疑う時があるとか、台詞を一度読み飛ばすともう聞けない場合があるとか、細かい要素では悪い点の方が多いです。
システム面で良いと思ったのは、どこでもセーブが可能な点(それによる詰みが生じないよう工夫してある)のみ。戦闘のシビアさは、面白いときもあるけれど理不尽に感じたときもあるので微妙なところ。
でも、ストーリーの魅力で全部帳消しでした。

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