大楽絢太著「七人の武器屋 レジェンド・オブ・ビギナーズ!」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
人生の目的も金もないマーカスは、武器屋の新オーナー募集に応募した。集まった7人で武器屋経営を始めるも、在庫はカラな上、他店は超格安やプレミア付きをウリにした強豪揃い。しかし7人の個性を生かし独自の店を作り上げるうちに、マーカスも店を居場所として自らの夢を抱くようになる。

第17回富士見ファンタジア長編小説大賞佳作。

ファンタジー世界の武器屋経営ライトノベル。
と言っても「狼と香辛料」が描いたような、しっかりした経済論に基づいたシビアな経営話ではありません。コメディ調且つ7人のオーナーが全員10代ということもあり、子供の「お店屋さんごっこ」のノリと言った方が本書を表しています。
なんせ、最後まで読み終わっても、本作の世界における貨幣価値が私には分からなかったくらいです(※)。
しかし、その軽さと若さ故の熱量で、とても楽しく読めました。

タイトル通り、武器屋を始めた7人のキャラクターが立っています。
面白いことに、美少女はいても、「萌え」キャラクターはいません。刊行年である平成17年は、ちょうど、「萌え」が流行語大賞になった年ですが、執筆は1年以上前になるので、いいタイミングだったんですね。

武器屋なのに、最後はやはり自分たちで戦ってしまって、しかも強いのですが、その辺はご愛嬌かな。
作品に込められたメッセージも気持ち良く、前向きに、一歩踏み出してみたくなりました。

(※)余談
基本は1ドルク=5円かな、と思います。
ただ、「月に1万もあれば、ゼイタクしない限り、毎日しっかり三食食べられる」(P.27)と書かれているのですが、別のページにて、ステーキハウスのビフテキ(フェア価格)300ドルク、コーヒー1杯50ドルクという金額が明記されているので、その後しばらく引っ掛かってしまったのでした。
だって1万ドルクを1か月=30日×3食で割ると、1食111ドルクで、ビフテキなんて食べられないんですよね。それともビフテキは贅沢の部類なのか……。

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