百瀬しのぶ著「おくりびと」

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
失業した小林大悟は、旅行代理店の求人と勘違いして納棺の仕事に就いた。現場をこなす内に仕事への誇りが芽生えるも、仕事を知った友人や妻から嫌悪され揺らぐ。だが友人の母親の納棺を経て、親子・親族の情愛を昇華する納棺師の仕事が理解されるようになる。

映画未見。
非常に優しい作品。そしてとても読みやすかったです。綺麗に纏め過ぎという印象もありますが、こういう美しいお話も心が浄化されますね。

しかし、納棺師とは、そんなに忌まれる職業なのでしょうか。他人から贖罪のために行っている職業と認識されていた箇所は、少し時代錯誤な気もしました。
高田郁著「出世花」は、遺体を入浴させる湯灌師を扱っていて、その時は周囲から忌まれていることも納得できたけれど、本作の場合は、何の説明もなく、納棺の仕事を忌むことが常識のように描かれているので、私は違和感がありました。
また、いったん出て行ったのに妊娠が分かって戻ってくる妻には拍子抜け。おばあちゃんの葬儀に立ち会わせるためという、ご都合を感じてしまいました。

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