雪乃紗衣著「彩雲国物語 はじまりの風は紅く」
http://www.kadokawa.co.jp/saiunkoku/

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
貧乏生活を送る紅家の姫・秀麗は、報酬に釣られ、政務を放棄する国王・劉輝の教育係として後宮に入る。実は暗愚な王を演じていた劉輝は、秀麗との出逢いを経て王の責務を思い知り、政務を行うようになる。秀麗は、役目を終えたと判断して後宮から去るが、やがて初の女性官吏として王宮に戻るのだった。

以前「ライトノベルなのに中高年女性に人気」という評を見て、大河ドラマ風の恋愛小説だからかな、と予想していました。その予想が大きく外れていたわけではありませんが、「仙人の存在」というとファンタジーな設定が含まれていたのは意外でした。さらに率直に言うならば……読んでいて恥ずかしくなるくらい、BLチックだな、とも思いました。
頑張る主人公、美男子、美少女、恋愛、政治、宮廷物、歴史物、ファンタジーと多様な要素が入っていて、これだけサービスされると「参りました」という気分。
歴史物にしてはノリが軽くて少し驚いたけれど、ライトノベルなので気になりませんでした。
私の好みとは合わなかったけれど、十分面白いです。しかし、猛烈に「クシアラータの覇王」が読み直したくなったのはなんでかしら。世間では「十二国記」や「ふしぎ遊戯」と比較されることが多いみたいですね。

由羅カイリ先生の表紙や挿絵は、とても美麗でした。
余談ですが、「アンジェリークルトゥール」も、新しいイラストレーターを起用するより、由羅先生にこういう感じのタッチで新たに描いていただけば良かったのでは、と思います。

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