ラッセル・ブラッドン著 池央耿訳「ウィンブルドン」(原題「The Finalists」)

【あらすじ】
実力はあるがタイトルに恵まれないキングと、親友の天才ツァラプキンが、ウィンブルドンの決勝で対峙した。だが試合開始直後、観戦中の女王と優勝者を殺すという脅迫状が届く。タイトル獲得のため全力を尽くすキングと、事情を知り、犯人逮捕のため試合を引き延ばそうとするツァラプキンの、白熱した戦いが始まった。

これも復刊もの。面白い!
物語の前半では、境遇の異なる2人が親友になり、ウィンブルドンの決勝へ至る過程を描いています。この部分だけでも、十分面白いのに、実は後半の決勝戦と犯罪計画を描く「舞台造り」でしかない、という贅沢な作品。
決勝戦が始まると、後は事件と試合の行方が気になって一気読みしてしまいました。

スポーツ青春小説であり、サスペンス物であり、ハラハラドキドキするけれど、とても爽やか。
キングとツァラプキンはダブル主人公という雰囲気なので、どちらも応援できます。
結末は知らない方が楽しめると思ったので、今回は結末のネタバレなしにしておきました。

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