安部龍太郎著「信長燃ゆ」上下巻

先日読んだ小説「神々に告ぐ」(2016年1月29日記事参照)の後の時代を描いた作品。
上下巻で、天正九年の京都馬揃えから本能寺の変に至るまでという信長の晩年を描いているので、密度があります。
信長から譲位を迫られてもずっと抵抗していた、というイメージがあった正親町天皇が、誠仁親王への譲位を希望していたとか、今回も色々勉強になりました。
とはいえ、テーマである本能寺の変については「朝廷黒幕説」に則っているため、朝廷黒幕説が否定されている現在では少々物足りない「真相」に感じたのが残念。歴史小説は、こういう点が弱点かもしれませんね。

描かれている信長像は割と理知的。作者の描くスタンスとしては、信長に寄り過ぎもせず、かといって主人公として理解できないわけでもなく、読みやすく感じました。本能寺で信長は生き延びるつもりだった、という下りは私も納得です。
前久の面従腹背具合の恐怖と、光秀の割り切れない不運、森蘭丸の有能秘書っぷりが印象に残りました。

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