今週読んだ本。

「かもめのジョナサン」リチャード・バック 五木寛之訳

【あらすじ(最後までのネタバレ有り)】
カモメのジョナサンは他のカモメと異なり、飛行自体に価値を見出し、訓練を繰り返していたため異端として群れを追放される。それでも飛行訓練を続けたジョナサンは、高次の世界へ導かれ、思考と肉体の鎖を解き放った自由な存在となる。
ジョナサンは同胞を導くため群に戻る。やがて、弟子のフレッチャーが事故の末に高次の世界へ行き着き思想が引き継がれると、ジョナサンは飛び立って行く。

日本訳を最初に出版したのはリーダーズ・ダイジェストだった筈ですが、後から出した五木寛之訳でベストセラーになった短編、と言う程度の事前知識。
寓話であると言う事も理解していなかったので、読み終えた後はしばし唖然としました。翼の折れたメイナードがジョナサンの思想に触れて飛べるようになるとか、岩に激突したフレッチャーが生き返るシーンは、聖書の一節のように感じます。取り敢えず「生活の為に生きるのは止めよ」と呼び掛けている話だと受け取りましたが、高尚だとは思っても、自分には未だピンと来ないです。
宗教観とか死生観と言った精神を持ってないと、読み解けないのかも。ジョナサンは日常に立脚して高次にあるのでなく、日常を捨てて高次に移行するけれど、私は日常の中から自分を見出す話の方が好きかなぁと思います。

「燃えよ剣(下)」司馬遼太郎

ようやく下巻を読みました。上巻よりスムーズに読めたような気がします。要は面白かった、と言う意味で捉えて頂いて結構です。
近藤の覇気の抜け様や、榎本や大島の弱腰に「ちぇっ」と舌打ちし、自然と土方に肩入れして読ませてしまうのは、司馬氏の巧さなのか、日本人の判官贔屓なのかなぁと感じました。
あと、上巻で感じた女性の使い方の不満は、下巻のお雪さんで帳消しにしておきます。

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