【第2幕8場】
スコットは、夢と栄光に満ちた世界を信じていたかつての自分のかけらを取り戻し、もう一度立ち上がる――
涙声で歌われる「Life(Reprise)」。
ある晴れた日 僕は思う
人生は美しく 希望は誰にも決して消える事ない
光の射さない朝はない
そう信じて、立ち上がる事が出来る強さに瞠目します。
スコットは成功が早過ぎて、心は少年の繊細さを保ったまま大人になってしまった。これまでの流れで見せた弱さはそれに起因しているし、今、再起する強さも、ここに起因してるんでしょうね。
かつてと同じように「世界は僕のもの」と歌うその気持ちは、無邪気に信じていた少年時代を経た今も思いは一緒なのか、それとも……。
ところで、この曲は絶対サヨナラショーで歌うと思っていたのですが、前任の大和悠河が先に演ったので難しいでしょうか?
大和と大空は同役を分け合ったり、今回の引き継ぎなど、不思議な縁がありますよね。持ち味が違うのに、同じ役が与えられるのは面白いなぁ。
【第2幕9場】
1940年、愛人シーラと暮らし始めたスコットは、長編「ラスト・タイクーン」を書き進め、小説を書き始めた10代の頃の気持ちを取り戻している自分に気付く――
シーラとの出逢いは入れて欲しかったです。どうやって知り合って、どういう経緯でこういう関係に至ったのかなぁと、不思議に思うし、知りたいです。
とは言え、シーラがスコットを愛してる事は良く分かります。
実は、シーラも悲しい人なんですね。家族が欲しかったのに、妻子のいるスコットを愛してしまったんだなぁ。
スコットの「目標ノート」は面白いと思います。こうして自分の目標を大小問わず設定して、乗り越えて行く力があるから、思い切った行動が出来るし、結果として成功できるんだろうな、と人生勉強になります。
でもこのノート、白紙ですよね。客席からは見えないにしても、全ページ複写で良いから適当に書いておけば良いのに!
スコットはゼルダと恋に落ちなければ、もっと違う人生を歩めたのかも、と思う晩年の穏やかさでした。
素敵な老紳士になる、と言うゼルダの予言は、当たっていたのかも知れませんね。