現在公演中の宝塚宙組「トラファルガー」のこと。
義父子和解シーンで、ジョサイアがこんな台詞を言います。
「私は貴方の右腕まで奪ってしまった」
ここで言う「〜まで」は、そんな大きなものを、と言うニュアンスで使われているのでしょうが、「右腕以外になにを奪ったの?」とも思います。
もし、ジョサイアが奪ったものが右腕だけでないとしたら、それはなんでしょう?
私は、ファニーのネルソンへの愛情だと思います。
ジョサイアは、マメに手紙を送っている様子や関わり方からして、かなり母親想い、言ってしまえばマザコンのようです。加えて、わざわざエマのことを母に知らせる筆には、両親の間に波風を立てようとする意図を感じます。
結局ジョサイアの望みは、「二人を離婚させ、自分だけの母上を取り戻す」ことだったのでしょう。
毎週の手紙は、母への思いやりだけでなく、かなり明確な義父への悪意を持ったものだった。だからこそ、義父から与えられていた愛を知ったジョサイアは、それまでとは180度態度が変わるのだと思います。
深い、贖罪の意識をもって。
……ジョサイア青年を単なる「ツンデレ息子」と片付けて良いのか?と気になったので語ってみました。