一日遅れてしまいましたが、宝塚宙組全国ツアー公演「銀ちゃんの恋」@相模大野の25日18:00回を観劇。
最後に関東圏に戻って来るツアー日程だったのに、千秋楽(26日)チケットが取れず残念でしたが、2週間前の川口から大きくパワーアップした舞台を観る事ができて良かったです。

グリーンホール相模大野は、予想外に大きなホールでした。
夜公演のためか、川口と違い音響がクリアで安心しました。
ぎっしりの観客が、笑うところは笑い、時に息を詰めて芝居を追う感覚、面白かったです。1幕からハンカチのお世話になって、頭が痛くなりましたが。
しんどいお芝居なので何度も観たいとは言わないのですが、それでもやっぱり銀ちゃんは好きだな、と思いました。後は演出とそれに伴う構成が、何点か良くなればなぁと強く願います……。

以下、深化していたり、成程と考え直した部分について。

まず、前回私の中でしっくりこなかった橘@春風弥里が変わっていました。
花組版橘とはまったく違う性格だったんですね。
花組版橘は、気質が銀ちゃんに似ていて、シンパシーも感じていた部分があるのに対し、宙組版橘は、銀ちゃんとは違う映画観を持ち、銀ちゃんとその周辺の関係性を嫌悪しているのだと思います。
作品を壊さず全く違うキャラクターに仕上がった橘に感服します。

ヤス@北翔海莉の例の台詞は、今度はちゃんと「(才能が)ありません」に聞こえました。けれど、銀ちゃんへの反抗心はやはり根底にあると感じます。
小夏への暴力シーンではこたつを引っくり返す熱演で、ぞっとするモノがありました。
しかし私はどうしても、階段落ち当日の殴られた瞬間と、落ちた後のヤスの台詞は、花組版のイントネーションがしっかり脳裏に焼き付いているのですね。二人の関係性が変わった結果、芝居の方向性も変わったように思います。

人吉の会長@寿つかさは、更に面白くなっていました! 階段を登り降りするだけで笑わせるコメディセンスは素晴らしいと思います。
前回印象が薄かったマコト@七海ひろきは、橘の挑発に対し激昂するシーンで、いつも気弱そうに子分をしてるマコトの本質が見えて格好良かったです。
スポンサー@風羽玲亜は、嫌味っぷりや小物っぷりが凄く凝縮されていて面白かったです。

また、改めて、朋子@すみれ乃麗が良かったです。
正直な気持ち、すみれ乃麗の演技に感心する日が来るなんて思ってもいなかったので、心底仰天しました。もしかして、演技ではなく素かも?と疑っていますが(笑)。
宙組版朋子は、銀ちゃんに恋したことが一度もなさそうです。
花組版の朋子は、読者モデルか何かで撮影現場で見掛けた銀ちゃんのファンになって、自分からアタックした印象でした。一方の宙組版は、銀ちゃんがきっと頑張って口説き落としたんですね。ちやほやされるのも、振り回すのは楽しいから。彼女は銀ちゃんの映画を一本も観ていないと断言できます。
私の周辺ではシャングリラのソラ等で見る大空氏のビジュアルを「同じ三次元の人間じゃない」と表現するのですが、朋子はまったく違う意味で地球人じゃないと思います。

なお、初見の友人と蒲田行進曲を観ている友人を連れて行ったところ、二人ともオチが理解できていませんでした。ヤスがフィナーレ衣装に着替え済なので、ヤスが生きていることが巧く分からなかったようです。この事から、「棺桶から出て来る」「ヤスがヤスの格好で現れる」と言う2点の演出は残すべきだったと思います。
でも今回追加されたフィナーレはとても良かったので、難しいですね。
それと、2階から観ると客席降りや客席登場がまったく観えず閉口したので、多用は勘弁して頂きたいなと思いました。

後は、多少時間が掛かっても良いのでDVDが出ることを祈って終わりたいと思います。

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