宝塚花組「麗しのサブリナ/EXCITER!!」11:30回観劇。
前トップスター春野寿美礼さんが客席に来ていたようで、組子からSS席へのアピールが盛り沢山でした。
また、髪型まできちんと整えた着物の集団がいらっしゃって、ちょっと目立っていました。
一幕「麗しのサブリナ」は、御存知オードリー・ヘプバーン主演の同名映画を世界初ミュージカル化した作品。
タイトルロールのサブリナ@蘭乃はなは、今作から娘役トップスターに就任。
元々サブリナが主役の作品だと言う脚本上のアドバンテージと、丁寧な心理描写で好スタートと言う印象でした。早くも当たり役なのでは。心配の種だった歌も、音程はしっかりしていたので、後は腹式呼吸が身に付けば安心でしょうか。
ライナス@真飛聖は、サブリナを好きな振りをして騙しているのですが、ハートフルな芸風の為か騙している感がない(本心から好いて見える)のが最大の難点で、脚本を難解に見せてしまっているように思いました。
デイビッド@壮一帆は、お得意のドラ息子役。サブリナから想いを寄せられている為に出番も多いし、最後は兄を送り出す等美味しい役でした。
ストーリーテラー@愛音羽麗は、色々な役を兼任しているので何着も衣装替えがあって面白かったけれど、役としては最初から最後までストーリーテラーに徹した方が良かったのでは?と思います。
他の男役はあまり印象に残っていません。デイビットの友人なんて、4人もスターがいたのに、登場シーンしか覚えていません……。
逆に、娘役はそこそこ優遇されていて、エリザベス@天咲千華が、良い味を出していました。グレチェン@花野じゅりあは相変わらずの巧さだけれど、偶には違う役柄が観たいですね。
集団芝居では、ララビー家の使用人ズなども良かったのですが、中盤以降姿を消してしまうのが残念でした。
そんなわけで細かい不満点はありますが、元の脚本がブレていないことと、何より久し振りのハッピーエンドと言うことで、笑顔で観劇出来るお芝居になっていました。初観劇にも向いてそうです。
二幕「EXCITER!!」は昨年11月に見たショーの再演。
大劇場で、同じショーを同じ組で再演すると言うのは、初めてのことではないでしょうか。演出の藤井先生の黄金構成が嵌まった良いショーだけれど、前回とほぼメンバーが変わっていない同組で再演するのは、少し残念でした。もしこれが贔屓組だったら、トータルのリピート回数を考えちゃいますもの(苦笑)。
蘭乃は、健闘していたと思います。多少お披露目仕様に直されていたことと、デュエットダンス後の銀橋上の挨拶で、真飛が蘭乃に先に挨拶させた辺りに、優しさを感じました。
オープニングの盛り上がりは、前回観劇時と同じく最高。
美の革命は、全体にテンポアップしたのかな。天才デザイナーのソロが短くなっていたような気がします。
冴えないダメリーマンMr.Yuが変身するストーリー仕立ての章で、Mr.Yuに腹立たしさを感じてしまう私は、狭量でしょうか……。
命の革命で、ハバナキング@愛音羽麗がナイフを取り出した時の暗い瞳に、オペラグラスが離せませんでした。虞美人の韓信以来、格好よさに歯止めが掛かりません。
少し気になったのですが、エトワール(エキサイトシンガー)が、絵莉千晶でなかった気がします。芝居の母親役でも、歌台詞なのではと思われるシーンを台詞で言っていたので、喉を痛めているのでしょうか。彼女はこの公演で退団するので、是非千秋楽までには復帰して欲しいですね。