「カサブランカ」DVD感想の続き。
【1幕第3場 Rick's Café Américain】
リックのカフェは、亡命者たちと彼等を幇助する闇の売人たちで賑わっていた。
物語の大部分が展開されるカフェのセットが登場。座席によっては、ドアマンが明けた扉から客として中へ入っていくようにも見えたので、DVDのアングルに期待していたのですが、残念ながら歌が始まっているので、店内にカメラが移動しちゃってますね。
舞台上に乗っている生徒が多いと楽しいですね。ソロパートがない客でも、地味に良いお芝居をしていて素敵です。
突き飛ばされたアブドゥルが、椅子に座ったまま痛みと怒りを浮かべるのがギリギリ見えて嬉しくなりました。リックが名刺を破ってみせた瞬間、白い歯を見せて嬉しそうにして、直ぐその表情を引っ込めるところや、当局に通報すると言う脅しに少し困った顔をするところなど、表情豊かで可愛いです。
カーテンの向こうから手を振って合図するコマが挿入されていますが、態々スポットライトも入れていたから、重要な演出と言う判断なんだろうなぁ。アブドゥルの勝手な判断ではなく、リックの指示だと言う事を明確にしているのでしょうが、それなら最初にヘルムの入室を拒否するタイミングでも手を振っているので、そちらを入れるべきでは、と思います。
リックのトレードマークとも言える白いスーツジャケットに蝶ネクタイの衣装は、実は余り私の好みでないのですが、3ピース揃えて膨張色の白を着ているのに着膨れたところがないスタイルは感嘆。
ところで、喧嘩を売っておきながら薦められるとバーで一杯飲み、サービスと言われているのに小切手を置いていくドイツ人ヘルムって、美形だけどアホの子なのでは……?
【1幕第4場 カジノ(A)】
闇ビザの売人ウガーテは、信頼するリックに今夜の取引相手に売る特別通行証を預ける。
以後、こんな感じの場面名ばかりが続くので、基本的にリックのカフェ内で起こる小さな出来事のお話であることが良く分かります。
「君を見直した」と言う台詞に対するウガーテの反応が、舞台ではイマイチ掴めなかったのですが、映像で観ると喜んでると言うのが正解みたいですね。外交官殺害に関して、ウガーテ自身が殺人を犯したのか、死体漁りをしたのか謎ですが、リックの台詞自体は皮肉だと思っていたので、どちらにせよ後ろめたい気持ちを刺激されるのではと思っていました。
皮肉に気付いていないのか、皮肉でも嬉しいくらいリックに心酔してると言うことかな。
【1幕第5場 カフェ(B)】
闇市のボス・フェラーリからカフェを譲るよう頼まれるが、リックは断る。
サムの歌は、東京公演とメロディが違いますよね? DVDで初めて聞いた時は違和感があったのに、何度もリピートしてると東京ではどうだったか忘れてしまいました。
「此処が気に入ってるんで」と言う台詞に、密かに嬉しそうな顔を見せるリックは、本当にサムが好きですね。
フェラーリと話している間、数回上手を向くのはイヴォンヌの様子を伺っているのかな?
リックがイヴォンヌにどんな仕打ちをしたのかは、映画版から続く永遠の疑問です。リックは他人に興味のない男だから、期待も持たせないし、特別悪意ある行動もしないと思うのですが、イヴォンヌが一人で盛り上がって裏切られたつもりでいるほど頭のおかしな女だとも思えないんですよね。
ところでこの辺、盆が右へ左へ回って大活躍ですけれど、自分が盆回しの担当だったらと想像すると責任重大で怖いです。