• 2013年登録記事

田中芳樹著「ラインの虜囚」

【あらすじ】
1830年、カナダ生まれの少女コリンヌは、パリで祖父の老伯爵から「ライン河にある双角獣の塔に幽閉されている人物の正体を調べよ」と言い渡される。コリンヌと仲間たちは悪党たちの妨害を受けながらも、遂に虜囚の下に辿り着くのだが——

古い翻訳モノの児童文学を読み返しているような時間を過ごせます。
悪く言えば、どこかで読んだような手垢のついた物語なのですが、細部まで丁寧に描かれているので、世界観をしっかり楽しむことができます。
中盤まで「塔の人物は誰か」という謎で引っ張って行くのですが、実はその正体には拍子抜けしました。しかし、最後のどんでん返しこそで相殺されました。

コリンヌと共に旅をする、“女にだらしない3人の仲間たち”が魅力的です。
エピローグでは、彼らのその後が史実として描かれるのですが、コリンヌもそのように描かれていたので驚きました。実在した人物なのでしょうか。参考図書を全部当たって調べろ!ということなのかなぁ。

「ゴッドイーター2」体験版(PSP版)を遊びました。
http://www.godeater.jp/

前作「ゴッドイーターバースト」は、200時間を超えて遊び続けています。
とはいえ、同じようなゲームをまたプレイするのは飽きが早そうなので、2を購入するか否かはまだ決めていません。
その検討の材料として、体験版を遊んでみました。

感想を一言でいえば、前作を踏襲した作り。
良い点は伸びたけれど、悪い点もそのまま残っています。とは言え、「装備セット」機能は装備品が揃ってやりこむ時には役立ちそうですし、前回連れて行ったNPCを再指定する機能など、細かくストレス軽減する機能が追加されていました。

PSP版で遊んでいるため、アップ時以外はグラフィックが進化した印象は薄め。
キャラクター造形は、少しリアル体型に近付けたのか、胴が長くなった気がします。
キャラクタークリエイトは多少設定できるところが増えましたが、体験版ではパーツが少ないため、どの程度のアレンジが可能かは不明でした。ナナに対抗したいので、猫耳は実装して欲しいなぁ。

体験版で遊べるミッションは全部で12ありますが、内2つは訓練用のため、実質10。難易度は3まで。
前作をやりこんでいる御陰で、リスポーンなしで体験版クリアできました(その後、素材集めやNPC把握の為に色々変な編成で戦っていたら2回リスポーンしました)。
すべてのミッションが、複数アラガミと同時交戦する内容です。複数vs複数がこのゲームの魅力だと思っていますが、2で初めて触れるユーザーもいることを考えると、難易度1で単体ミッションがあった方が良いのでは。
中型アラガミが4体同時出現する「禍根の壺」は辛かったです。今のところ、有効な戦いかたが見当たりません。グボロ・グボロの知覚・攻撃可能域が異常に強化されて、前作での狩り易さが嘘のようです。進化しちゃったのですね。
なお、ストーリーが見られるのは最序盤のみで、後は体験版独自展開となっています。

武器は全種類1回ずつ使ってみて、「ロングソード」と「ショットガン」に落ち着きました。
ロングソードは、振る速度が速くなった気がします。ショートソードとバスターソードは変化ない印象。新武器の「ブーストハンマー」は、チャージが面白い反面、当たり判定が分からないので私の技量では使いこなせませんでした。「チャージスピア」はビジュアルがとても良いのですが、性能的には疑問符でした。
一方の銃。前作で愛用していたブラストは、初期バレットがイマイチ気に入らなかったので変更。また、以前はアサルトも好きだったのですが、体感として連射できない仕様になったようなので、適当に撃っても当たるショットガンにしました。効果範囲が広い分、味方を巻き込むことが多いですけどね!

あまり情報を集めていなかったので、コウタが第一部隊の隊長になっていたのは驚きました。アリサかソーマだと思っていたのだけれど、コウタも随分成長したんですね。
謎のキグルミ氏は、無言なので連れ歩いてもつまらないし、造形が良いとも思わなかったのですが、段々可愛く思えて来ました。宣伝ムービーを断ると「しょんぼり」しているように見えるのです。
前作の博士は怪しい人だったけれど、今度は妖しい人というイメージ。
その他の新NPCについては、まだよく掴めていないので割愛します。

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ヤングジャンプコミックス「かげきしょうじょ!」1巻

http://jumpx.jp/w/kageki/

どの本屋に行っても見当たらず、ようやく購入しました。

宝塚歌劇団と音楽学校をモデルにした漫画作品。
同じ系統のマンガ作品としては、氷室冴子原作、藤田和子著の名作「ライジング!」があります。そちらと比較すると、少年誌に連載している本作の方が、意外と女同士のドロドロした要素が多そうです。

個人的に、演劇マンガとして気に入るか否かの要素は、「作中劇が面白い」「演劇に掛ける熱さが表現されている」の2点だと思っているのですが、本作ではまだ音楽学校に入学した段階で稽古も始まっておらず、ダブル主人公の片割れ奈良田愛は、劇団自体に興味がないという段階なので熱も低く、そういう意味では評価不能。
人間関係に関しては多少興味が惹かれるので、次第に演劇マンガとしても面白くなれば良いなと願っています。
全体的には、さらさのウザさを愛嬌として許容できるか否かが評価の分かれ道でしょう。私は、ウザいと思うのですが(笑)。
そんな私の推しは、予科委員長の杉本さんです。

建物や周辺は本拠地宝塚にそっくりですし、双子や親子三代ジェンヌ、自衛隊体験や早朝掃除などの事実も盛り込まれていて、宝塚歌劇団公認なしで良いのかと思うくらい。
宝塚ファン的には「あるある」ネタを探すのが面白い作品でした。
ただ、唯一解せないのが髪型です。さらさが長髪、奈良っちが短髪のため、男役/娘役が逆に見えて違和感があります。作中半数のキャラがリーゼントでは、絵的に美しくないための措置でしょうが、男役志望のキャラクターは出来る限り短髪にして欲しいと思いました。それとも、本科生になったら髪型を変えるのかしら。

昨年、「萌えるマニュアル」という話題を提供してくれた、テクニカルライター向けの発表会「TCシンポジウム」(2012年7月26日記事参照)。
今年のキーワードは、“キュレーションとゲームニクス”でした。

ゲームニクス自体は、至極納得できる理論です。

テレビゲームの「マニュアルを読ませることなく、誰にでも見ただけで使い方がわかり、知らないうちに使いこなせる」製品を作るための、ユーザー・インターフェースに関するノウハウの総称。「直感的なUI」「マニュアル不要の操作理解」「はまる演出と、段階的学習効果」「ゲームの外部化」の4要素から構成される。

はてなキーワード(ゲームニクス)より

私は、マニュアルを作る人間の最終目標は、マニュアル作りと言う仕事が不要になることだと思っています。
ユーザーに操作方法を伝えるためには、マニュアルという形に拘わらず、システムのUIを磨く必要があるのです。

例えば、スーパーマリオの1面は「1体のキャラクターが画面の左側に立っている。そのキャラクターは右を向いている」という構造で、マニュアルがなくとも「右に進むゲーム」だと分かります。
ゲームニクスの実践とは、こういうことだと思います。

このキーワードを持って来たと言うことは、TC協会も、遂に自身の存在意義に踏み込むのかと思ったのですが……

パネルディスカッション04
ゲーム仕立てのマニュアルを作ってみた! ~ゲーミフィケーションの実践と可能性~
http://www.jtca.org/symposium/2013/panel_tokyo.html#04

あれ、やっぱりそちらの「ゲーム」なの!?(笑)