• 2017年登録記事

現在地:Chapter01(強くてニューゲーム)
シリーズ記事「FF15 物語を見直す旅」の趣旨は、2017年2月1日記事参照。

耐熱防火服

「強くてニューゲーム」で衣装を引き継ぐことで生じる「台無し感」に、既視感があるなと思ったら「テイルズオブ」シリーズでした。

注意:ゲーム本編・映画・アニメネタバレ満載です。
現在FF15プレイ中でネタバレを気にされる方は、進行状況を確認の上、ご自身の判断でお読みください。

Chapter 01 旅立ち

衣装を変えて、仕切り直し(笑)。

オレもう喉かわいて死にそう

まず、本Chapter開始時のシナリオ解説は、下記の通り。

主人公ノクティス・ルシス・チェラムは、
隣国で行われる自分の結婚式のために旅立とうとしていた。
3人の親友と、父の愛車『レガリア』と共に。

簡素にまとまっていて良いのですが、下記の3点が気になります。

  • 結婚は帝国との停戦協定に基づく、という説明がない。なぜいま結婚式を行うのか、という状況説明が不足している。
    そのため、Chapter09時点でも「結婚式をするんじゃなかったの?」と誤解したままのプレイヤーがいる(実際は、停戦協定がなくなった時点で、結婚式をする理由はなくなる)。
  • 「隣国」は正しいが、「アコルド」という国名は後半まで登場しない。一方、直前のカットシーンやこの後の会話で、目的として「オルティシエ」という地名が強調される。この結果、オルティシエを国名と誤解しやすい。
  • 「旅立とうとしていた」だと、現在の時間軸が出立前だと誤読できてしまう。

この辺を改善した上で3行に収めると、こんな感じでしょうか。

【変更案】
主人公ノクティス・ルシス・チェラムは、
帝国との停戦条件として行われる、自分の結婚式のため旅立った。
3人の親友と、父の愛車『レガリア』と共に。

目的地を削ってしまうのは気掛かりですが、本編が始まれば明かされることなので差し支えないと判断しました。

旅立ち

旅立ったくせに、本編が動かないレガリアの側で力尽きているシーンから、という始まりは、なかなか面白い掴みだと思います。
会話も4人の気安い関係や性格を表しています。

世界広いわ

ただ、なぜレガリアが動かなくなったのか曖昧にされている点が、気になるプレイヤーは引っ掛かるでしょう。後ほど、燃料切れを示唆する台詞もあるのですが、ハンマーヘッドで修理が必要になるので、故障なのですよね?
ノクトが「調子に乗り過ぎたな」と責められているので、運転が粗雑でぶつけたとか色々考えられますが、答えはわかりません。
曖昧にしておく必要がない箇所なので、事故なら事故、と明確にして欲しいです。

ハンマーヘッドに到着すると、シドニーが登場。
第一声に続く「えっと どれが王子?」という台詞は、非常に無作法でビックリさせられます。

えっと どれが王子?

そもそも、FF15のキャラクターは全般的に、丁寧語を話しません。一応「王族だからといって敬意を払われるわけでない世界観」なんだろうと納得していますが、その理屈とは関係なく「どれ」は問題です。英語の「witch」は人もモノも一緒くたで可ですが、日本語の「どれ」はモノ寄りです。
写真に映った人々を指して「どれが○○さん?」と聞くのは可でも、面と向かって「どれが○○さん?」と聞く人はあまりいないでしょう。
階級を意識しないシドニーと、そんな扱いをされても怒らないノクトの人間性を表しているのかもしれませんが、だとしてもここは「が王子?」で良いはずです。

その後のやりとりは、ノクティスが結婚を控えた身であることを再度印象付けた上、結婚相手が「様」付けで呼ばれ敬愛されていることも分かるので良いですし、シドの「親父の威厳をそっくり拭き取ったような顔だな」という皮肉は、凄く好きです。

次に口を出したいポイントは、操作ターンに移行して最初の「しばらくここに滞在か」というイグニスの台詞です。

しばらくここに滞在か

彼等の目的は「結婚式」というイベントであり、オープニングで「旅の行程」も提出しています。つまり期日があるはずなのに、この後プレイヤーは幾らでも日数を経過できるため、突っ込みの対象になります。
そこで、台詞に続けて「まぁ 数日の遅れは織り込み済みだ」程度のフォローを入れておけば、多少ゆっくりしても良いとお墨付きを貰えてプレイヤーも安心できますし、イグニスが用意周到なキャラクターだという印象も与えられそうです。

次回へ続きます。


記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
Copyright (C) 2016-2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

参考記事

170203.jpg

常に旬のフルーツに限定したケーキを販売する洋菓子店「ファウンドリー」にて、今回は苺(あまおう)を頂きました。
→いちじくのタルトの感想は、2016年9月5日記事参照

福岡県産大粒あまおうのタルト(練乳ソース添え)

甘さの中に、フルーツの瑞々しい爽やかさが溢れ出る美味しいタルトです。
それなりの大きさがあるのですが、手を止めるタイミングなく、ペロリと食べてしまいました。

まず、ベースのタルト生地が約2cmと分厚く、タルト好きとして幸せを感じます。
苺のジャムの上は、爽やかな生クリーム。重さは感じられず、クリームが苦手でも気にならなそうです。
そして上部の苺を固定する赤ワインのゼリーは、硬過ぎることも緩過ぎることもなく、これぞプロの技だと感じ入りました。

一切れごとに、練乳ソースを入れたスポイトが付いています。
ソースは練乳そのものではなく、水っぽくも見えますが、かけると甘さがグッと強まります。決して後まで残る下品な甘みではありません。
私としては、練乳なしの方がいちごを味わえて好きですけれど、途中で味わいを変えられる点は楽しいと思います。

欲を言えば、もっと隙間なくいちごを敷き詰めて欲しかったです。
切り分けられた部分にもよると思いますが、先端の方に実がなくて、少ないと感じてしまいました。
悔しいから、今度はいっそホールで買おうか……!

高尾慶子著「イギリス人はおかしい 日本人ハウスキーパーが見た階級社会の素顔」

日本人がイギリスに対して抱きがちな、妙な親近感と憧れを打ち砕くエッセイ。

「労働階級から見たイギリス」という切り口は意外と新鮮です。保守党から労働党に政権交代したときの時局などは、勉強になりました。
ズケスケと自分の思うところを言いたい放題するところは、痛快でもあります。
ただし、リドリー・スコット監督のハウスキーパー時代の話が多いため、「暴露本」の側面を含んでいることや、借金を返さない女性や警官とのやりとりなど、少々下品に感じる部分もありました。
筆者は、著書を通して日本人が抱く英国紳士の夢を砕き、自身の言動を通して西洋人男性が抱く大和撫子の夢を砕いているわけですね。

監督の御母堂と宝塚ロンドン公演を観劇し、宝塚歌劇団の実力を絶賛されるくだりは、一ファンとしてむず痒い気持ちになりました。
当時の精鋭を全組から集めたプレミア公演だったので、決して過剰な評価ではないと思うけれど……。この頃のような、「凄い公演」を今の歌劇団でできるものかな、と少し考えさせられます。

ようやく「ファイナルファンタジーXV」の2周目を開始しました。

真の王が星を救う物語

注意:ゲーム本編・映画・アニメネタバレ満載です。
現在FF15プレイ中でネタバレを気にされる方は、進行状況を確認の上、ご自身の判断でお読みください。

2周目のプレイ記事シリーズは、「FF15の物語はそのままで、より多くのプレイヤーにわかりやすくする為にどうすべきか」という一個人の分析と改善提案をしていきます。
特に、誤読を招くと感じた台詞類は、テクニカルライターとしての勉強も兼ねてガンガン添削し、私なりの改善案を出していくつもりです。

面白さ」ではなく「わかりやすさ」に焦点を当てる理由は、FF15が国内100万本レベルの販売を前提にしたゲームだからです。「サガ スカーレット グレイス」が相手ならば、「シナリオをわかりやすくしろ」などと野暮なことは言いません。
また、面白いかどうかは、個人の嗜好も影響するため絶対的な基準がないけれど、万人にわかりやすくすることは可能なはずです。
スクウェア・エニックス開発部の皆さま、こんな辺境のブログでも、もしご覧になっていたら参考にしてください(笑)。

Chapter 00

ゲームを開始すると、まず操作させられるのがChapter14のイフリート戦開始直後のシーン。

イフリート戦

冒頭にこれを持ってきた理屈(FF2インスパイア)は、FF2を遊んでいない私にはよく分かりません。初見だとなにが起きているのか分からないし、アクションや絵的に面白いわけでもなく、掴みとして効果的とも感じません。
ノクトは移動しかできないため、これが戦闘シーンだという意識すら、この時点ではしていませんでした。

そもそも、プレイヤーには「現在」から始まるノクトの旅に意識を集中してもらう必要があるのです。「10年後にあの状況になる」という余計な情報をプレイヤーに与えても、混乱を招くだけです。

グラディオ

キャラクターの紹介も、この後レガリアのシーンで「現在」の姿で挿入した方が自然でわかりやすいです。

……いきなり、冒頭イベントの全否定から始まってしまいました。前途多難です。
一応断っておくと、必要最小限だけで構成されているゲームなんて面白くないし、最初にプレイヤー自身が操作できるシーンを入れる意義はあると思います。単に、わかりやすさを重視するなら要らなかった、という提議です。

そんなわけで、真のオープニング、王都を旅立つ父子のシーンです。

常に胸を張れ

ここは、何回でも見たくなる素晴らしいシーンですね! エンディングへの繋がりもあるし、ゲーム中の出番は少ないながら、レギス国王を「プレイベートでは息子想い」と印象付けることにも成功しています。
状況説明として「同行の三人は友達」「ノクティスには婚約者がいる」「オルティシエまで行くことが当面の目的」ということも折り込まれています。

欲を言えば、ここでグラディオラスの父親(クレイラス)も登場させて、グラディオの「王の盾」という立場を明確にさせたいところです。しかし、国王と息子に限定したシーンだから簡素でわかりやすい面があるので、強く要求はしません。

しかし、どうしても注文したいことがあります。
ここにはコル将軍が映っているべきです。
一応、ノクトの「コルが車で待ってんだろ」という台詞がありますが、この台詞では、「コル」が人間なのかペットなのかすらわかりません。台詞自体、不要でしょう。
一方、ドラットー将軍には台詞と出番がありますが、この後ゲーム本編で再登場しないし、裏切りが語られるわけでもないので、目立つ必要がありません。
これらを踏まえた上で、一番簡単な対処は、コルとドラットーの位置を交換することです。

ドラットー

一度コルの声と顔を見せておけば、記憶力の良いプレイヤーはChapter01の電話シーンで「国王の側にいた人と電話している」と気付けます。記憶していなくとも、Chapter02で「見たことがある人に再会した」という印象を抱けます。
ドラットーが目立つ位置にいると、映画視聴者としては面白いのですけれどね。

まだ本編が始まってすらいないのですが、長くなったので次回へ続きます。


記載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。
Copyright (C) 2016-2017 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

参考記事

結局、予定通りの2作品のみ視聴しています。
もう少し明るい作品が見たい! という気持ちは来期への期待に持ち越します。

昭和元禄落語心中 助六再び篇(2話〜4話)

http://rakugo-shinju-anime.jp

正直なところ、人間関係や芸の道の悲喜こもごもより、落語を演っている回が一番楽しいです。4話でようやく溌剌と落語する姿を見ることができて、ホッとすると同時に嬉しくなりました。
ただ、前科者という過去を暴かれた上で、与太郎がどうして人気噺家になれたのか、という数年の過程が抜け落ちているのは少し残念です。一度、元ヤクザと後ろ指を指された人間が、そう簡単に子供向け番組に出演できるとは思えないのですが……。
そもそも、私は寿限無のサゲを、子供が川に落ちる方しか知らなかったので、子供番組向けのネタじゃないと思ったのですが、今は随分可愛いサゲに変わっているのですね。

それにしても、信ちゃんが非常にあざとい幼児に育っていて、誰の仕込みなのか気になります(笑)。

テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス(13話〜16話)

http://toz-thex-anime.tales-ch.jp

1期に引き続き、毎話、作画崩れと無縁で、美しい画面構成に浸っていられます。

私の耳がポンコツなのか、ufotableのアニメは台詞が聞き取り難く、お話の展開からは脱落気味ですが、「ザビーダがどこで合流するのか」と「今回もTOB挿入は唐突なのか」の二点を楽しみに、視聴を続けています。
EDを見ていると、ロゼ&デゼルに対して、アリーシャ&ザビーダと、風属性従者2組が成立しそうな雰囲気も感じるけれど、実際後者二人に接点はないので、難しいかな。