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ダーリン・イン・ザ・フランキス6話より、小説的なもの。
通常、放映中・連載中の作品は、あとの展開でひっくり返る可能性があるため二次創作しないのですが、ゴローのいい人っぷりに負けました。


言えなかった。乗らないでって、言えなかったーー!

慟哭するイチゴを叱咤し、ステイメンの席に戻ったゴローは、しかし操縦桿を握ることなく顔を覆った。
当然だ、言えるわけがない。
「ヒロが死ぬかもしれない」なんて、曖昧な噂に基づく不安ではない。「ヒロは死ぬ」と知っていた自分だって、言えなかったのに。
そうしてヒロに乞われるまま口を噤んでおきながら、出撃前にヒロと話すようイチゴの背を押したのも自分だ。
それをゴローはずっと、二人への友情ゆえだと思っていた。
けれど、本当にそうだったのだろうか。
言えなかったと聞き、泣きじゃくるイチゴを見て、いま自分の心が揺れ動いているのは、イチゴに責任を押し付けようとしていたからでないか。イチゴでもヒロは止められなかった。だから、俺が止められないのも仕方ない。そう思いたかったのでないか。
だとしたら自分には、言えなかったと泣く資格もない。
ゴローは歯を食い縛り、手の中に涙を閉じ込めた。

デルフィニウムはまだ動けない。


ダリフラの子供たちは恋愛感情というものを知らないので、自分の感情も理解できなくて大変だなあと思います。考え過ぎだよ、ゴロー!
本作では、ゴローの真面目で有能で苦労人気質で不憫な感じが何より好きですが、さらに自罰的でもあってくれると良いなと思っています(笑)。

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宝塚花組ミュージカル・ゴシック「ポーの一族」11:00回(e+貸切)。

原作未読。
オタクの基礎教養として、ギムナジウムものだとか、少年愛が云々という偏った知識だけ持った状態での観劇となりました。恐らく、一度しか観ないのであれば、原作を読んでから観劇した方が良かったのだろうと思います。

ビジュアルは文句なく、役者はよく熱演していますし、絢爛豪華な舞台です。だから退屈はしないのだけれど、総括としてはなんだか平坦な印象でした。
出来事が羅列しているだけで、ここぞという盛り上がりが見当たらない、総集編的な作りだったのが要因かと思われます。ストーリーラインに問題があるわけでもないし、それぞれの出来事は魅せてくれるのですが、もう少し取捨選択して強弱をつけるべきだったんじゃないかな。
原作の要素を取り零さないようにしたせいで、慌ただしい展開になったのかなと思いきや、交霊会は別エピソードからの要素なんですね。割と尺を割いていたので、これをスッキリさせて、各シーンに時間を再配分していたら良かったのでは。
色々盛り込みすぎで、舞台上の時間の流れが性急だったように思います。永遠を生きるバンパネラにとって、時間はもっとゆっくり流れているのでないかしら。見た目のゴシックな重さと釣り合わないように思いました。
そんなわけで、話題の大作、そしてミュージカル界では指折りの演出家念願の舞台化、という前評判に対しては、若干の消化不良がありました。

個人的に一番良かったのは結末。現代社会のどこかに今もエドガーはいる、と感じさせる余韻が残りました。

以下、特筆したいキャストのみ。花組からご無沙汰していたので、生徒の見分けはついていません。
エドガー@明日海りおは、代表作、代名詞として名前が残るのでないかなと思います。
一族に加わる前の普通の少年らしさと、バンパネラになってからの魔性の存在感の両立がよかったです。そして、自分から望んでそうなったわけでない哀しみと苦しいと怒りが渦巻いていて、その感情が舞台を動かしていたと思います。
メリーベル@華優希は、病弱で華奢な美少女の雰囲気が出ていて、エドガーの溺愛ぶりも納得です。
ジェイン@桜咲彩花は、善良で綺麗だけれど田舎の地味な娘という雰囲気が抜群。メリーベルへ見せる母性と、先程まで自分の膝に縋っていた少女が塵と化した時の衝撃の見せ方が良かったです。
ビル/ハロルド@天真みちるは、メインの役は出番が多いハロルド(アランの叔父)の方だと思うけれど、ビルの方で歌唱力を披露していて、ここでグッと掴まれました。

フィナーレは、アグレッシブな男役群舞が良かったです。

現在地:コルムーン島制圧(1549年)

さて、毎回悩ましい仲間選びですが、ふと気になってヒラガ邸を覗いたところ、コッペリアが誕生していました!

口の悪い人形だぜ

すごく使いにくいという噂は聞きますが、トロフィーの関係もあるので取り敢えず仲間にします。ついでに他のメンバーも女子で揃え、ハーレムチームにすることにしました。
ロックブーケを撃破した後にそんなことをする必要性はないと思ったけれど、まあ、アマゾネスも入れてみたいですしね。

フィッシャーの仲間

そんなわけで、フィッシャーの側近はコッペリア(自動人形)、ユノー(インペリアルガード)、ガーネット(宮廷魔術士)、クリームヒルト(アマゾネス)となりました。

最初の行幸は、前から気になっていたコルムーン海峡への挑戦。

船乗りを探しています

わざわざこういうイベントを用意しているのは、一度は武装商船団を皇帝にしておくといいよ、という製作者側の親切心なのかしら。

コルムーン海峡は、最初突破の仕方がわからなくて困惑しましたが、渦潮に入ると滝から落ちる、という上下の繋がりが奇妙な構成なんですね。入るべき渦潮を間違えて何度も入口に戻されましたが、突破はできました。

コルムーン海峡

たどり着いたコルムーン島では、人々とサラマンダーが活火山と共に暮らしていました。

火山の噴火を止める事が出来そうなのです

火山の噴火を止めるべく活動しているという魔道士に会いに行ってみますが、明らかにダンジョン化しそうな塔だし、顔も怪しいです。後でサラマンダーの集落に行ったら、魔道士に石版を盗まれたらしい話もしていました。
前回の女王様と同じパターンじゃないのか?と思いつつ、一応協力を約束。

コルムーン火山

山頂でアイスシードを投げ入れたところ、マグマが冷えて固まったのでした。
しかし、多数の敵がいる細い一本道を往復させられるのは、結構しんどかったです。

この町も帝国の一部としてお治めください

魔道士とともに村長へ報告に行くと、なんとそのまま帝国の支配下に入るとのこと。いや、火山を止めてもらったから領土を明け渡すとか、太っ腹すぎますね、

帝国に戻って、情報大臣から宝石鉱山で鉱員が次々倒れる事件が起きていると聞いたので、さっと解決。

魔石

以前の年代より深い位置まで道ができていたので、変なものを掘り当ててしまったようですね。魔石に魅入られているような皇帝の台詞もありましたが、一応これでイベントは終了のようです。

次は、南ロンギットの嵐を止めに行くか、密かに5つ集まった詩人の楽器を持ってイーリスに会いに行くか、どちらにするか悩むところです。

今更ですが、PS4「NieR:Automata DEMO 120161128」を遊びました。
http://www.jp.square-enix.com/nierautomata/

ニーアオートマタ

「ドラッグオンドラグーン」含むシリーズ作は未プレイ。
元々カルト的な人気シリーズという認識でしたが、発売前後の評判の良さと、メインキャラクター2Dの吉田明彦先生フェチズム全開な3Dモデルには結構惹かれていました。

体験版(DEMO 120161128)では、ゲームオープニングからの抜き出しで、探索と超巨大兵器との戦いを体験できます。

ゲームとしては、頭の頂点から爪先まで世界観を貫く美学を感じました。
まず最初のローディング画面からして、OS起動を表しているのに膝を打ちました。

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また、 HUB設定をプラグイン・チップとして表現しているところなども、面白いと思いました。アンドロイド設定ならではですね。

マップは「廃墟」ですが美しいです。現実的にありえる光景だからこその、非日常的な不思議な美しさがあります。

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ちょっとウケたのは、カメラを動かして2Bを見上げるような形にしたとき。結構モロにパンツ(レオタード)が見えるのですが、その視点でしばらく放置していると、2Dがバッと身を翻して中が見えないようにするんですね。最初は偶然だったのですが、面白くて何度かスカートを覗いてしまいました。
後ろ姿を追う3Dアクション視点だけでなく、「風のクロノア」のような、奥行きのある2D視点、俯瞰視点など、かなり特殊な視点が多かったです。

俯瞰

飽きさせない仕掛けなのかなと思ったけれど、個人的に俯瞰視点は戦いにくかったです。

アクションは非常に滑らかで気持ち良いですが、敵の機体がバンバン爆発するせいもあって、エフェクト過剰で少し見難く、何をしているのか分からないところもありました。

戦闘

特に巨大兵器との戦いだと、ダメージが通っているのかも今一つ実感できませんでした。まあ、諦めてEASY+オートで遊んでる人間が何をいうのかという感じですけれど。

シューティング戦闘

半分くらいは、シューティングゲーム的な要素を感じる面もありました。

キャラクターについては期待が裏切られることはなく、2Bは、本当に強く美しい女の子でした。
9S共々妙に肉感的な部分もあるのに、彼らの負傷した断面などは確かに機械であって、そのチグハグさがまたエロスに繋がっているんだろうなと思います。

ボス戦

また、ダイナミックな機体乗り捨てなど、生身の人間ではできないアクションで敵に特攻するのが素敵です。

2Bと9S

ちなみに、一番格好いいと思った通常アクションは、ハシゴの降り方でした。

アンドロイドは感情を出すことは許されていないけれど感情は持っていて、先に感情を露わにした子供っぽい9Sに対し、彼を嗜めたお姉さんっぽい2Bの方が実は結構な激情家なんですね。いい関係性だなと思いました。

お話は全然わからないものの、美意識はビシバシ伝わってくる、非常にいい体験版でした。

Thank you for playing

併設コンテンツ「アーデリカさんのレシピ」のショートショートを発掘しましたので、日誌の穴埋めに公開します(表現の細微な変更あり)。
ちなみに、本作の初稿は2005年1月15日でした。なんでアイスなのに寒い時期に書いたんだろう、と思いつつ、再投稿も寒い時期となりました。

あずきアイス

 些かの郷愁に駆られた月が、郷里の甘味を求めたのは数日前。
 幸いにして、食材は望むだけ得られた。少しばかり寒がりの教室長らと歓談しつつ、暖房機の上で静かに小豆を茹でる、その作業すら心を慰めた。ただ、うっかり手持ちの豆をすべて茹で上げたのは、やりすぎだったかも知れない。
 甘いものは少女たちの大好物であったけれど、少し、ほんの少し多すぎるそれには、工夫を必要とした。
 善哉、きんつば、いとこ煮、それからそれから——。

「小豆って、ねぇ」
 月と、同室の天麗が最後に行き着いた頼みの綱、アーデリカは、綺麗に整えた指先で小豆をひとつ押し潰した。名の通り小豆色の皮が抵抗なく平伏し、白い中身を覗かせる。
「こういう食材、わたしはあんまり馴染みがないのよね」
 院に集った彼等は、本来それぞれが異なる世界の住人である。当然、食事を含む生活様式、文化文明の間には高い壁が立てられていた。
 現に、今こうして部屋に大量のゆで小豆を抱えてしまった天麗と月の間でも、食べ物に対する認知は隔たりがある。例えば天麗は、好みに因らず生野菜が食べられないし、月は辛いものがどうにも馴染めない。
 それは料理名人として知られるアーデリカも、例外でない。院内で供されるものに限ったとしても、知らぬ食材の方が多いのだ。
「それにもう加工してあるんでしょう?」
「はぁ、甘う煮とります」
 諦めの色を浮かべ始めた月が応えた。なに、若干風味は落ちるだろうが冷凍して保存する手もある。長い目で見れば決して食べきれない量でないのだから、週に3度善哉にすれば良い。
 だが、自分で潰した小豆を舌に乗せよくよく甘みを確かめながら咀嚼した後に、アーデリカはよし、と肯いてみせた。
「天麗向けの簡単なお菓子にしましょう」
 名を呼ばれ、天麗は小さく屈めていた背をびくりと伸ばした。
「生クリームを軽く立てて」
 言いながら生クリームを泡立て器で混ぜた、かと思うと彼女は、ひどく適当な案配でそれを投げ出してしまった。
「あの、アーデリカ様」
 呼び掛けておきながら、あまりの僭越さに天麗の声は最後は蚊が鳴くような音になった。
「ゆるくありませんか?」
 戦きつつであっても、指摘はごく真っ当である。ボールの中の生クリームは真白い泡が揃った程度の硬さである。このままでは、何に添えても流れ落ちてしまうだろう。珈琲の中に入れるのが程良い用途か。
 アーデリカは両頬を持ち上げた。すっきりとした顔立ちが、愛嬌ある印象になる。
「ホイップクリームにするのが目的じゃないのよ」
 月と天麗は顔を見合わせた。
 学年上の友人を信頼はしているが、納得できるか否かは別の問題である。
「はい」
 それゆえ、差し出された手に月は思わず復唱した。
「はい?」
「小豆を渡す!」
「はい!」
 煮汁ごと小豆を流し入れると、アーデリカはそれをゆっくりと混ぜ始めた。真白いクリームが、次第に小豆で色付いていく。
「後は冷やすだけ」
 その言葉を媒介に不思議の力が働く。冷気が容器を包み、即席の冷凍庫と化す。
 あ、と目を見開く間もなく、二人の目の前で小豆のクリームは凝固した。
「お手軽アイス完成。どう?」

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「美味しいです」
 ひんやりとした感触が喉を落ちていく様に、天麗は瞳を細めた。小豆の甘みもまた程良く舌を楽しませる。
 仕上げの簡単さもまた堪能のポイントである。
「けど」
 極力控えめに見えるよう言い添えて、月はスプーンの先で凍ったアイスの表面を突いてみせた。
「……ちょっと、冷やしすぎたかしら」
 アーデリカの課題は料理でなく、相変わらず力の制限法であるらしい。

レシピのおさらい

分量
  • 生クリーム 200cc
  • ゆで小豆の缶詰 1缶(お好みで200〜400g)
手順
  • 生クリームを半立てにする
  • ゆで小豆を汁ごと加え、混ぜ合わせる
  • 容器に入れ、冷凍庫で冷やし固める
補足

3時間も冷やせば食べられます。
よく固まるので、場合によっては少し室温で溶かしてから召し上がってください。